休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

いそしぎ/ジュニア・マンス

22020402(了)

JUNIOR MANCE

        THE SHADOW OF YOUR SMILE

 ①ファンキー・カーニバル(E.Edwards) 6:25
 ②ヒア・アンド・ゼア(D.Goykovich) 8:38
 ③ウェイヴ(Jobim) 10:27
 ④グライディン・アンド・ストライディン(J.Mance) 10:50
 ⑤いそしぎ(J.Mandel) 8:48
 ⑥スナップ・クラックル・アンド・ポップ(Mance,Rivera,Queen) 3:33
 ⑦アイ・ドント・ケア(Ray Bryant) 6:44
 ⑧ウォッチ・ホワット・ハプンズ(M.Legrand) 11:34
 ⑨エミリー(Mercer & Mandel) 6:46
 
 ジュニア・マンス(p),マーティン・リヴェラ(b),アルヴィン・クイーン(ds)
 録音;1982年7月、1983年4月、NY.
 CD/ジャズ/1996年/M & I/邦/中古
 <★★★☆>

このアルバムのライナーを書いている方は、これを『ファンキー・カーニバル』
(=①の曲名)というタイトルとしている。日本のレコード会社が「いそしぎ」
(=⑤の曲名)のほうが受けそうだと考えた邦題なんでしょう。
 
『JUNIOR』という最初のアルバムを越えるものをまだ聴いたことはないけれど、
これなど決して悪くない。
始めは古臭いし軽すぎるかと思えたものの、だんだん馴染んで良くなってきた。
そこそこ人気があるらしいのも一応納得。
 
”ブルージー&ソウルフルなジャズピアノの名人”、という評価か。なるほど、言
われてみればそうですね。
もとのタイトルの「カーニバル」というのが、軽さやヴァラエティというような
イメージを示しているように、マル・ウォルドロンの暗いブルース調から、オス
カー・ピーターソンの転がすピアノまで、たった9曲だけれど、間には様々なジ
ャズの名ピアニストの調子が聴ける気がする。
ピーターソンのようにものすごいスピードと正確無比なテクニックがあるわけで
はなく、オリジナリティとして若干弱いし、スタイルも少し古めかしい気もする
けれど、それよりなにより、なんだかとても心地よく聴ける。
ドラムスは手堅いが敏感な感じ。ベースはテクニシャンで若々しいもんだから、
こっちは良くも悪くも、ピアノのスタイルの古さをしっかり補っている感じ。

①だけだと、例えばウィントン・ケリーの「イッツ・オール・ライト」のような

軽いアルバムを連想させるが、実際はいろんな曲調がある。概して軽い。「イッ

ツ・オール・ライト」をちょっとバカにしている書き方をしたかもしれません。

でも実はワタシ、このアルバム、好きなんですよ。

②や③は是が非でもブルース調を目指している。③なんてボサノバなのに。
④⑤はミディアムテンポの軽いタッチ。⑥はこのアルバム中、もっともアップテ
ンポ。⑦⑧は装飾音が師の一人とも言えるオスカー・ピーターソンのもの。ピー
ターソンほど指が動くわけではないけれど、ピーターソンから来ていることはモ
ロわかり。
⑨「エミリー」も「いそしぎ」同様ジョニー・マンデルの曲なんやね、よく知っ
ている曲だけど、マンデルだとは知らなかった。一番よく聴いたのはシンガーズ
・アンリミテッドの歌でじゃないかしらん。
 
マンスは1928年生まれ。晩年はアルツハイマーを発症していたそうな。
去年なくなった。
ま、ワタシが書けるのはどうしてもこの程度までです。オシマイ。