休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

リゲティ/メカニカル・ミュージック

20220303(了)

GÖRGY LIGETI (1923-2006)EDITION 5

GYÖRGY LIGETI

       /Mechanical Music

Adaptation for Barrel Organ

①Continuum (1970) 3:32
②Hungarian Rock (Chaconne;1978) 4:52
③Capriccio No.1 (1947) 3:55
④Invention (1948) 1:23
⑤Capriccio No.2 (1947) 1:43

For  100 Metronomes

⑥Poèm Symphonique (1962) 19:56

Adaptation for Barrel Organ

⑦-⑰Musica ricercata (1951-53) 25:05

Adaptation for Player Piano

⑱-㉓Études pour piano (1988-94) 12:14

Adaptation for 2 Player Piano

㉔Continuum (1970) 3:44

 

 ①-⑤、⑦-⑰ Pierre Charial(Barrel Organ)
 ⑥Françoise Terrioux(Metronomes)
 ⑱-㉔Jürgen Hocker(Player Pianos)
 Total.75:18
 CD/現代音楽/ⓒ&Ⓟ 1997 Sony/Deutschland Radio輸入/中古

 <★★☆>

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このシリーズ、何枚か聴いてはいるのですが、さすがにこれはアカンやろう
と敬遠していた一枚、聴いてみることにしました。
敬遠していて正解でしたけどね、ま、たまにはチャレンジ。

 

  下のがBARREL ORGANでしょうね。心臓部にあたるが、全体のほんの

  一部なんでしょう・・・ 額に手を当てているのがリゲティさん

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   で、この下がPLAYER PIANO。横になってまっせ・・・

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プレイヤー・ピアノというのはあらかじめプログラムされた自動ピアノとい
うことなんだが、やる音楽というのは、リゲティですからね、尖りまくり。
もはや人間の域を逸脱したような「これでも音楽」を機械的に奏でる。
なにも、あえて人間が弾くことはなかろう、と言ってしまえばそれまで。
拍子や音の数や音程などが、一種の団体さんを構成しつつ、ばらばらと鳴り
ながら、いろんな方向や形にジわじわ変わっていく、変質してゆく、っての
が主なスタイル。
どこかミニマル・ミュージックと親戚筋、みたい。リゲティというと、どう
してもトーン・クラスターという言葉が出てくるんだけれど、こういうのも
そうなんだろうか、ワタシは殆どわからない。『2001年;宇宙の旅』に

使われたような合唱やオケものであれば、とっくの昔に免疫(≒慣れ)がで

きてますが・・・

 
それがピアノだと、聴き慣れた音なもんだから、わりと抵抗が少ないが、ま
あ簡単に言えばそれのオルガン版が「Barrel Organ」というやつらしい。
このバレル・オルガン、普通は手回しオルガンみたいな小さなものを指すら
しいが、ここでははるかに大掛かりなもので、パイプオルガン並みにデカイ。
巨大自動オルガン・・・それがプレイヤー・ピアノのように絶え間ない変化
をし続ける。
⑨と⑭のオルガン曲は、しっかり聞き覚えがありましたね。『2001年』
のあと、影響を受けてリゲティをいろいろ聴きまくった時、オルガン曲とし
て聴いたのでした。かなり癪に障ったんで、覚えていたんじゃないかな。
 
ピアノもオルガンも、音楽に聞こえなくもないもの、実験的なもの、なので
すが、初めの①~⑤あたりはけっこう音楽っぽく、②なんざタイトル通りロ

ックを思わせ、言ってみればプログレ系。これが最も「音楽」っぽかったか

な。

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特筆すべきは⑥の For  100 Metronomes/Poèm Symphonique
100個のメトロノームを(決まったテンポなのかどうかわからないけれど)鳴
らす。全部鳴っている状態になってから音を録りだしているみたい。多分。
音は固いものの、ワタシの持った連想は、ムカデかゲジゲジの足に注意を集中

させ、音化させている感じ。

上の写真、ちょっと笑えるでしょ。

100台もばらばらに鳴っているのに、どこか波があるように聞こえたり、一瞬
の間があったりと、不思議なことが起きるのね。これもトーン・クラスターの
効果のようなものなのかもしれない。知りませんが。
で、しばらくしてから徐々に止めて行く。音がまばらになるにつれて波ははっ

きりしすぎて波らしくなくなり、、間の頻度が増え、その間もちょっとづつ大

きくなる。

最後は1台になり、それも止まってしばらくの静寂。
始めは笑うしかなかったが、何度か聴くうちに、何故か聴きいっちゃうのね。
不思議でした。
・・・
 
でも、もういいや。