20211104(了) |
マンガ『消えたママ友』野原広子
【もくじ】 |
1章 消えたママ友 |
2章 有紀ちゃんを探せ |
3章 本当のことなんて話したりしない |
4章 ママ友がいない |
5章 つないだ手 |
6章 本当の有紀ちゃん |
7章 あの日 |
2020年6月/KADOKAWA/漫画/単行本/中古 |
<★★★☆> |
<ネット惹句> 優しい旦那さんとお姑さん、かわいいツバサ君に囲まれて |
キラキラ幸せそうだった有紀ちゃん。そんな有紀ちゃんがある日突然姿を |
消した。保育園のママたちの間ではその話題で持ち切り。噂では有紀ちゃ |
んは男を作って逃げたということらしい。 |
有紀ちゃんとは仲良しだったはずなのに、何も知らなかった春香、ヨリコ、 |
友子。しかし、みんなそれぞれに思い当たることがあった・・・。 |
平凡な日常を襲った事件を巡って、ママたちがじわじわと自分たちの闇に |
気づいていく。 |
これは、あなたの日常にも起こるかもしれない物語。 |
じわじわ、ゾワゾワと沁み込んでくるようなお話。 |
心の闇だなんて言葉を聞くと、なんだそんなことか、みんな持ってるはず |
だよ・・・そんなふうに言いたがるでしょうが、実際そうだとは思います。 |
男だと、こういう感触の表現はあまりないというか、少し違うんじゃない か。 |
それにしてもね、重ねられてゆく4コマ漫画の絵というのが、猛烈に単純 |
な線で描かかれていて、口や眼なんて小さい点か一本線か、少しひしゃげ |
た〇。鼻なんて徹底的に、ない。よくこれでキャラクターの描き分けがで |
きるもんだ。感心してしまう。 |
いやむしろこういう技法だからこそ描き得る、実存(古臭いね)と隣り合 |
わせの、あるいは背中合わせの「ママ友」という名のコミュニケーション 行為。 |
なかなかミステリアスでした。 |
わかってみれば、わりとオーソドックスなもので、決してわかりにくい理 |
屈のものではありませんでしたが、これに知らずに関わることでママ友た |
ちそれぞれは、多分初めて「闇」に触れざるを得ないことになっちゃう。 |
でもこの「闇」と言ってしまいがちな感受性、ああメンドクサイとうっち |
ゃらかしてしまっちゃあ、お話にならないかもしれないが、こんなふうに |
嵌って行く精神や心理ってのは、どうも社会学も絡めて脳の進化というも |
に関係がありそうな気がして仕方がない。 |
多分だけど、「パパ友」なんてぇのに置き換えたものがあっても(いくら |
かはあるんだろうが、これからはきっとどんどん増えるんだろうな)、こ |
んな闇はあまり出来そうもない気がする。 |
(いや・・・条件を合わせてみないとわからんというか、合わせ方がある もんかねぇと妄想してしまう・・・) |
今では、名だたる書物が漫画化されることが多い。 |
小説のみならず、「森の生活」なんてものとか「サピエンス全史」とか。 |
また、おもしろいエッセイなどを、始めから漫画化も計画して出すとか。 |
ワタシも、漫画(漫画化されたものを含め)、いろいろリストアップし てるもんね。まぁめったに読まないけど。 |