休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

グレン・グールドのこと・・・

20210515(土)

石堂淑朗/『日本人の敵は「日本人」だ』 から

 西洋的世界性を密輸入しただけの思想

            ――三巨匠批判開幕

                         1995年、講談社、単行本

(鑑賞記じゃないけど、一応音楽ものとして)

歯に衣を着せないことで知られた右傾の(そうかなぁ)論客で、たくさん
の脚本やエッセイを書いたかた。脚本家、評論家。役者もやったんやね。
随分前に読んだものなんですが、音楽にも造詣が深かった。パラパラめ
くってみたら、「言葉狩り」にかなり拘ったものだった。

その  “第七章 「ニューアカ」は海外思想の興行師か” の中に、

  西洋的世界性を密輸入しただけの思想――三巨匠批判開幕

で括られた一連の批判があります。
三人とは、浅田彰蓮實重彦柄谷行人
いずれも大御所に対するもの。これがなんとも凄まじいやり込め方。その
理屈に関係はあるわけですが、ここで読んで取り上げてみようと思ったの
は、浅田彰氏の「グレン・グールド好き」に対するちゃぶ台返し

    ユダヤ的知性」の悲劇――浅田彰批判2

見つけて、つい読み直してしまいました。
ワタシ、実はグレン・グールドという、日本人に猛烈に(異常なほどに)
ファンが多いピアニスト(故人)が、なぜか苦手なのです。最近、好きで
もないくせに、行きがかり上その名を書き付けてしまった。意識している
つもりはなかったのですけど、頭にこびりついてしまったんでしょう。

 

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長く引用しました。

映画好きは次の蓮實氏のことも読んでみたいと思うかもしれません。これ

がなんともクソミソ。論理がどうも決まっていない。上記引用分もそうな

んですが・・・ やめたがいいです。

 
ちょっと前に読んだ「物書きピアニスト」の楽しい毒舌など目じゃない、
猛烈に過激でけんか腰。例えば・・・墨汁をぶっかけまわっている感じ。

それに、勿論と言うべきか、グールドに関する見方も彼女とはまるっきり

違ってました。

 
遅い時間に、結局あっちこっち読んでしまいました。
蓮實氏や柄谷氏(この方は朝日の書評で今でもお見掛けします。浅田氏と
の対談や共著もある)に対するものも。そしておおむね快哉

とかいったって、人に説明するとなると、うまく喋れない、きっと。これ

では人を納得させるのは難しいと思う。、、、言わんとすることはわかっ

た気がしたものの、何か、根本的な何か、が欠けている。ワタシのことで

すからネ、結局ちゃんと理解できていないんでしょう。

グールド苦手の理由の決定打には、今一歩。(でも、面白い!!)
 
クラシック音楽で次に連想したのが、ちょっと前にストラヴィンスキー

曲をたらふく聴いたエルネスト・アンセルメ。そのアンセルメのドイツも

の演奏。

もうほんとに長い間聴いていないから、音楽自体はまるで曖昧にはなっち
ゃったけれど、コブシが利かず、奇妙に具合が悪かったという事実の記憶
だけはしっかりありましてね、、、しつこく覚えてるもんです。
この具合の悪さってのが、上記例と相通じるものがあるような論理なので
すが、ワタシとしては、実は「相通じる」とは思いたくない。正直、繋が
りはありそうなんですけどね。こりゃ、贔屓だ・・・

 

このかた、血圧上がったんやろうなぁ。

あるいは、お酒、かな。

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         (当時の時事の断片、いしいひさいちやね)