(映画.com)解説から; 田舎町で起こったある殺人事件の顛末を描いた、 |
「スイス・アーミー・マン」のダニエル・シャイナート監督によるダークコ |
メディ。売れないバンド仲間のジーク、アール、ディックは、練習と称して |
ガレージに集まり、いつものようにバカ騒ぎをしていたが、ある原因によっ |
てディックが突然死んでしまう。誰もが知り合いの平穏な小さな田舎町では、 |
事件の噂がまたたく間に広がり、人びとの話題はディックの死でもちきりに |
なる。殺人事件として警察が捜査を進める中、ディック死亡の真相を知るジ |
ークとアールは、なぜか彼の死因をひた隠しにし、自分たちの痕跡を揉み消 |
そうとする・・・ |
|
邦題に「なぜ」と入れちゃったから、なんでかということは言えないんだけ |
れど、男3人がヘタクソなバンド練習のあと、羽目を外して(上の写真)、 |
それから何が起きたか、何を起こしたか。まさかという内容に、あんぐり。 |
「そこ」だけとばしただけのオフビートな一見ミステリー。 |
|
男二人が病院のイマージェンシーの入り口に転がしたディック(リチャード |
の愛称なんだ、ロングも含めて・・・下卑た笑いをとるギャグでもあって、 |
それなりに意味深)が死んでしまった。 |
そのことで動き始める警察の担当が、太って足の悪いオバアチャン保安官、 |
一緒に行動する警察官が若くて経験の浅い、こちらは更に太ったネェチャン。 |
この二人の動きや会話もいたってオフビートでね、このとろとろしたコンビ |
が特にヨロシイ。 この二人なんて、解説記事のほうには名前すら載っていな |
いんだけどね、なにかやりそうというか、締める役になりそうというかね、 |
なんだかそんな雰囲気を醸しているのです。 |
|
それにしても、これをミステリーと言っていいものかどうか。コメディとも |
言っていいものかどうか。そこで「ダーク」なんてつけるんだね。 |
右往左往してディックのことや自分たちの関わりをザルのような粗さで隠し |
続ける男二人。そのうちの1人が主役扱い。彼が不景気なうえに、異常なほ |
どうじうじしている。自分でもよくわかっているよう。 |
で、彼らの隠したいことはわかってくるものの、頭を使ってやり遂げようと |
いう必死さは感じられない。果たして徹底的に隠し続けなきゃならないもの |
かどうか、本当に守るべき秘密なのかどうか、見ているほうにはどんどん怪 |
しく不可解に思えてくる。となるとこの穴だらけなストーリーやオフビート |
感もわかるようでもある。(面白がってくれよって、言われているみたいで |
もある。) |
『スイス・アーミー・マン』のげらげら笑いとは大分違って、まあ一応、シ |
ニカルなほうに振れている。でもホントはげらげら笑いさせたかったんじゃ |
ないのかしらん。 |
彼の子ども(女の子)を通じて、秘密がばらけて来る様を見ながら、昔観た |
『ファーゴ』を(あらかた忘れましたが)ちらっと思い出しました。 |