12月に繰り返し聴き、あるいは流して、今年最初のメモになりました。 |
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<帯惹句> ・・・は作曲家ピアソラの最高傑作であり、音楽史上もっとも |
独創的な音楽・舞台作品の一つです。私はピアソラに「恋して」いました |
が、それが今、本当の「愛」になったのを感じています。 |
――ギドン・クレーメル |
最高のアーチストたちと洗練されたアレンジ。ピアソラの天才とクレーメル |
の霊感がひとつとなった哀愁と陶酔の音楽 |
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これは邦盤なので、解説のみならず、ちゃんと対訳が付いていました。 |
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この対訳がすごかった。日本語らしいんだが、意味がほとんどチンプンカン |
プン。翻訳機による訳文なんじゃないかと思いつつ読み、今は・・・台本を |
書いたフェレールというかたのぶっ飛んだ感性の産物なのにちがいない |
という考えに落ち着いています。 |
ただ、それなら、ピアソラさんはそれを理解して曲をこしらえたことになる |
わけで(まさか台本があとってことはないでしょう)、、、やっぱりワタシ |
がいかに詩心がないかということなっちまうのか。ヤレヤレ。 |
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例えばマリアは、ブエノスアイレスにいる可愛い街娼で、夢見がち、恋しが |
ちで、タンゴと切っても切れない、あるいはタンゴのような女。例えばマリ |
アは殉教者? 聖母マリアでもあり、マグダラのマリアでもある?みんなの心 |
にあるブエノスアイレスそのもののこと?そういうものをひっくるめて、韻 |
を踏ませて並べ立てた幻想? などと懸命にイメージをつかもうとしたんです |
が、全くダメでした。結論は、、、言葉の羅列、タンゴという入れ物にぶっ |
こんだブエノスアイレス。そうとしか考えられない。(日本語の訳者名が最 |
後に載っていました。ご苦労様なこと!) |
でも、どうだろう、もうちょっとまとめるとするなら、これって、下賤で傲 |
慢な人間のレベルにまで引きずり下ろした降誕祭(クリスマス)、みたいな |
ものなんじゃないか。マリアがマリアを生む、、、 自分で書いててくどい |
ワ。この、なんにもイメージの湧かない言葉をずーっと読み続けるのは、な |
かなか特異な時間でした。 |
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解説のほうはというと、これが普通の日本語でして、台本のフェレールや、 |
企画と演奏のクレーメルは熱に浮かされたような文章を連ねていました。 |
それはそれでかまわないわけですが、作品解説はほんの僅か。それを一言 |
で表わすというと、 |
「主人公マリアは、タンゴという音楽ジャンルを登場人物に置きかえたも |
の」 |
なんだって。ブエノスアイレスじゃないんだね。まあそんなものでいいんで |
しょう。 |
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そういうことであれば、詩を解さぬワタシ向き。割り切って音として聴けば |
ヨロシイというお墨付きをいただいたようなものだもの。 |