休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

EIGHT SEASONS

 
20171221(了)
EIGHT SEASONS
 Gidon Kremer/Kremerata Bartica
 
 ANTONINO VIVALDI
  Le Quattro Stagioni,Op.8
    - The Four Seasons -
      9:35/9:43/10:32/10:02(Tot.39:52)
 
 ASTOR PIAZZOLLA
  Cuatro estaciones porteñas
    - The Four Seasons of Buenos Aires -
        Arranged by Lonid Desyatnikov
      5:58/6:49/6:37/5:43(Tot.25:07)
 
  Recorded September 6-9,1998,Reutlingen-Gönningen,Germany,
  at Evangelische Peter und Paul-Kirche
  Ⓟ&ⓒ 2000 Nonesuch Records/WEA International Inc.
  <★★★☆>
 
有名なCDだと思います。ネットでうんと安く手に入れた輸入盤です。
これも知ったのはずいぶん前に息子の棚から勝手に持ち出して聴いた
ことがあるからで、けっこう印象に残りました。
なんてね、べつに断らなくてもいいのですけどね。
要は、ヴィヴァルディの「四季」と、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」
が入っている。しかも交互に。合わせて「八季」。
はじめがヴィヴァルディの「春」、次がピアソラの「夏」というふうに続く。
よっておしまいはピアソラの「春」。(もともとピアソラの四季は夏から始
まるんで、順はいじらずにそのままずらして並べられてるわけや。)
半分以上が今更のヴィヴァルディの「四季」ですからねぇ、なんぼ北半
球と南半球の違いがあるんでひとつづつずらしてあると言うても、“へぇ、
イデアやね”で終わってしもても「アカンヤロッ!」ということです。
 (北)ヴィヴァルディ  春    夏    秋    冬
 (南)ピアソラ      夏    秋    冬    春
 
ヴィヴァルディは、笑いたくなるほどいじってます。
びっくりするようなスピードの箇所とか、擬音の強調とか、どの季節も
ヴァイオリン・ソロだけじゃなくバックも趣向を凝らす凝らす。
例えば・・・ヴィヴァルディ「春」からピアソラ「夏」への変化のゾクゾク感
とか、その次のヴィヴァルディ「夏」の第一楽章や第二楽章の出だし!
ほとんどホラーめいた不気味さとか。
まあヴィヴァルディは耳タコですし、よほど面白おかしくないと、聴いて
(買って)もらえないことも考えられるからねぇ。
そこで交互に入るピアソラ。これはタンゴの中にヴィヴァルディ版をデフ
ォルメしたような箇所があちこちにちりばめられていたりして、そのまま
フツーに演ったって、十分対比の面白さがあるってもの。それがクレー
メルとバルティカだからね、クレーメル流おふざけを大真面目にとんが
っているかのごとくに見せてくれている。
これで面白くないわけがないでしょう!というわけです。
 
ゲテモノやないけ、と拒否する向きもあるかもしれませんが、もう20年
近くも前の録音。
クラシック音楽もこういう遊びがなきゃあ、客は増えへんで。基本的に
はエンタテインメントだと思うもんだから。
ともあれ中身ともども、新鮮です。
以上・・・関西弁のアクセントで・・・読んでいただいたほうがいいかも。

イメージ 2