休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ワーグナー:『さまよえるオランダ人』

ワーグナー:楽劇『さまよえるオランダ人

METライブビューイング2019-20
   鑑賞:2020年7月12日、なんばパークスシネマ
 
   <★★★☆>

 Der fliegende Holländer/The Flying Dutchman

あきらめていたのに、なんとなんと、鑑賞することができました。
3月10日の上演分だそうな。日にちを変えて(早めて?)上演された分の
録画。たぶんこの後上演はストップしたんじゃないでしょうか。
以前に買っておいたこのチケットが使えました。
ワーグナーは決して嫌いではないのですが、長いうえに舞台上の動きが
なんたって乏しいもんだから、聴きとおすのは決して楽じゃない。
この「オランダ人」のストーリーだって、単純化され、小ネタはなんにも
なくて、ひたすら歌い合っているだけみたいなもの。楽曲だって、よく知
っている序曲に入っているもので全部みたいなもんだしね。

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簡単にいうと、呪いをかけられて生きることも死ぬこともできず幽霊船で
海をさまようたオランダ人(よく言えば中年、むしろ初老か?)が、本当
の真心でもって尽くしてくれる乙女の愛を得なければ 「どもならん」とい
う状況を7年サイクルで繰り返している。
たまたま出遭った船の船長の娘(ゼンタ)がその女になるという話。ゼン
タは日ごろからその通りのような白昼夢を見ているような(≒予感を常に
感じている)ほとんど変人。オランダ人の持つ財宝に目がくらんで船長が
娘をやると約束してしまうひどい親ぶりなんだが、ゼンタにとっちゃあ渡
りに船。親しい男がいたり、オランダ人はゼンタの若さをこんなことで犠
牲にする気にならなかったりで、紆余曲折もあるが、ゼンタは初心を貫き
身投をする。それでオランダ人は彼女ともども浄化し昇天する。
 
新演出だからでしょうか、ゼンタが海に身投げをするようには見えなかっ
た。あれじゃ二人とも死んじゃうという感じには見えないけれど、死なな
くてもさほど問題でもなさそうでした。
 
第2幕はちょっとしんどかったものの、第3幕は上記ストーリーのおしまい
のところが詰め込まれ、盛り上がる音楽の中で娘(ゼンタ)の歌が絶唱
ったもんだから、欠伸の涙がほんものの涙になっちゃった。
満足しました。
(休憩なし、ションベンOKでした)
 
いまをときめくワレリー・ゲルギエフの指揮。彼の指揮ぶりはどうも好き
にれないんですが、ピットに入ってるんじゃ見えないから、特に気にはな
らなかったし、演奏も「普通」と言っちゃなんですが、特別個性的とかい
うわけでもなかったですね。演出には口出ししたんでしょうか。
 
もうこのシーズンは(今季分は)行きません。
来シーズンは(も)、今秋からだけど、今のアメリカを考えれば、怪しい
と思う。
来年の心配だってしなきゃ。オリンピックだって遠のいたんじゃないか。
久々に映画館に入ったわけですが、METライブビューイングは、残念なが
ら席が半分どころか三分の一だって入らないから、館内のコロナ対策はあ
ろうがなかろうが、変わりないみたいでした・・・?
半年ぶりぐらいに大阪の街の中に出たことになります。近鉄電車・地下鉄・
地下道での寄り道なしの行き来。電車内も地下道も全員マスク姿なんです
ね。ワタシだってマスクはしてましたが、実際に見ると異様です。

 

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 これが今回使えたチケット。写真はヘンデルの「アグリッピーナ」で、

 現代的な舞台にしているが、音楽自体は変わらないでしょう。ワタシ

 は絶対にと言ってもいい、観る気はないですけどね。チケットには

 感謝・・・