休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アルゲリッチ◆夜のガスパール コンセルトヘボウ・ライヴ(1978-1979)

20250831(了)

Martha ARGERICH

Live from the Concertgebouw 1978/1979

(1)シューマン; 幻想小曲集 作品12 (23:41)
  ①夕べに  ②飛翔  ③なぜ  ④気まぐれ
  ⑤夜に  ⑥寓話  ⑦夢のもつれ  ⑧歌の終わり
(2)ラヴェルソナチネ (9:18)
  ⑨3:28  ⑩2:39  ⑪3:11
(3)ラヴェル;夜のガスパール (18:06)
  ⑫オンディーヌ 5:15 ⑬絞首台 4:52 ⑭スカルボ 7:59
 
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  CD/2000年/クラシック/器楽曲/東芝EMI/邦盤/中古
  <★★★☆>

貧乏な年寄り夫婦の片割れですから、聴いてみたい音楽は、基本極力安く手
に入れ、車の中、深夜のヘッドフォーンなどで繰り返し繰り返し聴き、なん
となく鑑賞記・印象記が文章になりそうになったら、メモをする、というの
が習慣。YouTubeも確認のためにたまにはですが見ることはあります。
映画はそういうわけにはいかない。繰り返して観ないし、観た後はどんどん
忘れていくもんで。
 
今回のも、アルゲリッチのものとはいえ、古いライブ録音(46‐47年前)だっ
たので、CDはタダ同然。きっかけがあって、好きな「ソナチネ」を別の演奏
で聴いてみる気になって選んだ。輸入だろうが邦盤だろうが、ライナーがあ
ろうがなかろうが、更には、新しい録音であろうがなかろうが、まぁその辺
はどうでもよろしい。演奏の良し悪し、好嫌などは大事だけれど結果論。こ
れでも、選択は好奇心つながりなのです。彼女、近頃の映像じゃあ、さすが

にお年を召した感じになられましたな・・・(1941年生まれですもんね、当

たり前です)

今月のCDは、好奇心とはいえ、たまたまちょっと引っかかっただけというタ
イプの「選択」ばかりになった。吉野直子、レ・ヴァン・フランセ・・・
本盤は46~47年前の録音。ハードの極み!
 
(1)シューマン/幻想小曲集・・・
アルゲリッチにもシューマンにも、詳しくないしファンでもないので、おか
しなことを書くようですが、シューマンピアノ曲って、ライヴとは言え、
ここまでのアゴーギクが想定内というか、許されちゃうもんですかね。いや、

そうなんですよね。コンセルトヘボウのお客は興奮してスゴイ拍手で答えて

ましたから。

特に②や⑦なんて、そのスピードや激しさは、ワタシにとっちゃあ、デモー
ニッシュという言葉の上を行くと言ってもいいぐらいでした。勿論、②には
「きわめて急速に」、⑦には「この上なくいきいきと」などと指示されてい

るんだから、そう弾いたんだ言われればそうかもしれない。強烈!驚きまし

たねぇー。

アルゲリッチのライヴをご存じの方は、皆さん、こんな演奏を知っておられ
るんだ。そして興奮したくて行く。ワタシはヘェーーーとしか言えない。
ワタシの経験不足を棚に上げておいてナンだけど、②や⑤や⑦だけでなくど
の曲もそう。この時の客は、シューマンを聴かされたんじゃなく、アルゲリ
ッチを聴かされに(聴きに)行ってたんだからね、当然。極論かな?
でもまあ、堂々たる終曲⑧が、いい終わり方をして、腑に収まっちゃった。
 
 自発性と感興を何よりも大切にするアルゲリッチ・・・
 ジャズのすごい出来のいいインプロヴィゼーションと通じるような気がし
 ましたね。事ここに至ると、(そんなことはあり得ないのに、不思議なこ
 とに)楽譜という「軛」からまるで解放されてでもいるみたい。
 現在ではバロックや古典に関しても、そういった自由な解釈が大きな潮流
 となってして存在していて、ごく当たり前の事象(古典やバロックは「激
 しい」もの!)なんだということは、知識としては一応知ってはいて、な
 んだかそういうのにも通じていると言えてしまいそう。
 (こじつけです。今頃なに言うてんねん、なんて声が聞こえてきそう)
 
はい、戻りまして・・・
 
(2)ラヴェルソナチネ・・・
大好きな曲でして、もうずいぶん前ですが、第2楽章を着メロにしていた時
期もあります。
これも驚きました。基本的にシューマンのところ書いたこととそんなに変わ
らないけれどね。両脇の楽章、こんなアップテンポでなくてもいいのに。で
も、ちゃんといい曲してました。古典趣味という名を借りたラヴェルが、か
くも激しい!始め聴いたときは度肝を抜かれ絶句。間違いなく趣味ではない

のですが、でも、ありかな。こりゃあもうラヴェルじゃないけど、オモロイ

とは思った。

 
(3)ラヴェル/夜のガスパール・・・
ワタシはね、この「夜のガスパール」の演奏が最もしっくりきましたね。曲
自体にアルゲリッチの感性への親和性みたいなものがあるみたいだし、それ
より大雑把ながら、ラテン的血による陰の濃さといったものがこの曲に一番
似合っている気がしました。 (抵抗感が最も少なかったという言い方も考え
たのですが、しっくりきませんで、ヤメ。 彼女の髪の黒さとも繋げて茶化し
てみたかったけれど、今は彼女の髪ももう真っ白!) 
終曲⑭スカルボはすさまじい表現と気迫だった。
 
「夜のガスパール」が良かったので、点数は甘目になりました。
太い指?が、隣の鍵盤をよくも触らないもの。 まぁ、ライヴですから少しは
ミスタッチにも気が付いてしまいましたが、ノープロブレム。いやー、独特
の粒立ち。ド迫力の「強い」音!
これはね、車ん中で繰り返して聴くってタイプの演奏じゃありません。聞こ
えている、で済ませてくれないとでも言いますか。そりゃ、何度か聴きまし
たけどね。

 

付録・・・

ラヴェルということで、残してあったのを思い出しました。
新聞の切り抜きを一つ載っけておしまいにしましょう。

「折々の言葉」です。コンクールで優勝したのち、時々名を見かける女性指
揮者ですね。ピアノのことではなく、管弦楽曲に関するもの。やはり大好き
な『ダフニスとクロエ』。この内容はやっぱりオケものでないとね。