| 20250906(了) |
『世界秩序が変わるとき
新自由主義からのゲームチェンジ』
/齋藤 ジン
| はじめに 日本復活の大チャンスが到来した |
| 第1章 新自由主義とは何だったのか |
| 第2章 私はいかにして新自由主義の申し子になったのか |
| 第3章 「失われた30年」の本質 |
| 第4章 中国は投資対象ではなくなった |
| 第5章 強い日本の復活 |
| 第6章 新しい世界にどう備えるか |
| 2024年12月20日/文春新書 |
| <★★★★> |

| 新自由主義のアメリカで、投資のコンサルタント業(相手は巨大なヘッジフ |
| ァンド)で身を立て、ラッキーな面が大きかったかもしれないが、一種の論 |
| 文が大立者を動かして成功をおさめ、今も活躍されているかただそう。 |
| 本人にとっては、性的マイノリティであったことが、様々な動機やアメリカ |
| に行くことになったことなどとも繋がっているのは確かだけれど、でもどう |
| うだろ、読み手にとっては、成功の必須条件だと拘って読む必要はないなぁ。 |
| 経済の勉強をしたこともなければ、この世界のことなんざ、まるっきり門外 |
| 漢というか、ほぼほぼ音痴みたいなものなので(そもそもヘッジファンドの |
| 何たるかも知らなかった)、第2章の途中からは、大苦労。数ページ読んでは |
| 寝る、なんてことの繰り返しで、著者にも悪いなぁ・・・なんて。 |

| 言いたかったおおよそは、新聞広告でもいくらかわかります。 |
| というか、この広告見ていたので、近所のスーパーに行ったとき、中のテナ |
| ントの本屋の平台に見つけて買ってしまった。 |
| でもそれじゃ薄ぼんやりしている。読後、ああ、あのあたりがこの本の方向 |
| 性を要約している感じやった(足りないけど)なぁと、貼り付けてみました。 |

| 広告もこの文章も含むところは多いが、とまれ、日本にとって、間違いなく |
| ビッグチャンスへの転換点でっせ、と説いておられる。 |
| この本が書かれたのは、第2次トランプ政権発足直前だったが、そのことは |
| は殆ど当然のように考えていられたようで、その上で政権が、トランプが、 |
| なにをやってくるかを見越しての内容になっている。 |
| だいたい読まれている通りだし、それまでの状況の変遷とその理由は、日 |
| 頃読んでいる新聞とえらく切り口が違っていて、唖然とすることがやたら |
| 出てきました。中国のことがいろいろ腑に落ちました。 |
| このかた、日本人だけど、ものの見方の切り口や視点は、もろアメリカな |
| んじゃないかなぁ。(あるいは日本的な?センティメントはシャットアウト |
| している) |
| ただし、あくまで第2次トランプ政権誕生前だったので、明けてからのト |
| ランプさんの言動は、さすがに読み切れていなかったんだと思える部分が |
| 色々。(いやいやそんなことないじゃん、と言われるかもしれないけれど) |
| 世界情勢も的確に捉えられているものの、ウクライナへの言及は、理由は |
| わかるけれど物足りない(当然なのかもしれない!)し、ガザとイスラエ |
| ルの方についての言及がほぼゼロだったのは寂しかった。まぁ、こっちは |
| 本の趣旨からは外れているとは思う。 |
| 逆に、中・ロ・北・中東の繋がり方のこと、米・日・韓・豪のこと、イン |
| ドの立ち位置、米とEUの関係などのことは短くてもわかりやすかったし、 |
| 地政学という流行りの気色の良くない捉え方(≒軍事学問)を意識させて |
| もくれたように思う。 |
| 「何が重要?経済でしょう!」から「何が重要? 地政学でしょう!」と、 |
| これは今どきの傾向の話で、著者の主張でも信条でもありません。 |
| 経済から世界は実にリアルに見えるけれど、世界は妙に「小さく」(≒卑 |
| 小)なった気がしてしまいましたねぇ。それでも「グローバル」という |
| 言葉の意味するものは、まだ人間には大きすぎてダメ・・・ってのはあ |
| くまでワタシの感慨ですけどね。(「ゲームチェンジ」なんていう語感、 |
| 苦手です) 「新自由主義」は終わった・・・ウーン。 |
| 日本よ、どうすりゃいい、ということは当然ながら具体的には書いていな |
| いです。もちろん個人用にも。ヒントっぽいものは、ま、ほとんど冗談み |
| たいですが、これまで採ってきた日本のおなじみ、政・官・財の癒着によ |
| る着実でのろのろした歩みが案外強みだと、何回も書いておられましたか |
| ら、これによってではあるよね。(まさか・・・ハハ) |
| 朝日新聞のオピニオン欄に月一レベルほどで載る佐伯啓思さんの、 |
| 戦後80年「ごっこの世界」(2025,6,27) |
| というのが、もののみごとにかぶりました。ま、この手は各新聞雑誌にも |
|
展開されたことでしょうが。佐伯さんは朝日では珍しい保守の立場の論客。 |
| ま、ともあれ、日本は米国の追従を続けたんで、真の現実(≒米国の対応 |
| の真実)に直面しなかった。朝鮮戦争による好景気で回復し始めた国力が |
| 自力でなかった、なんてことをはじめとして今に至っている諸々が、日本 |
| の歴史を断ち切ってしまって、いろんな意味で「からっぽ」(がらんどう、 |
| といってもいいでしょうか)。それがどんどん広がりつつありますが・・・ |
| いつまでも直視しないつもりですか・・・ なんてことを述べておられる。 |
| 結論はあまりよく分かりませんでしたし、日本だけの問題じゃないですけ |
| どね。(それで思い出しました、齋藤さんの本で、中国の今後の経済に関 |
| する見立てが非常に過酷であろうということを指摘されていたのを・・・ ) |
| この論説を、経済の切り口から述べた齋藤ジンさんの論と並べてみると、 |
| 概ね重なってしまうんだなぁと思ったもので、付け加えてみました。 |
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| 強く印象に残ったのは・・・ |
| ・中国のおかれた状況が空恐ろしいものであるらしいこと |
| ・米国の暗黒面!その怖さ(何度も感じたことはありますが) |
| ハイ、似合わない本、読んでしまいました。このジジイの役に立ったかど |
| うか怪しく、恥ずかしくもありますが、案外面白かったです。 |
