20200619(了)
THE CINEMA OF QUINCY JONES 3/3
(CD5)
〈9〉『失われた男』(1969) THE LOST MAN
①-⑪ ;②④ネイト・ターナー&ミレッツ ⑤A・アンダーソン&The Pree Sisters
⑦ヴェネッタ・フィールズ&ミレッツ ⑩教会の合唱団⑪ジェラルディン・ジョーンズ
*ロバート・アラン・アーサー//シドニー・ポワチエ/ジョアナ・シムカス/アル・フリーマンJr.
〈10〉『ジョンとメリー』(1969) JOHN AND MARY
⑫-⑱ ;⑫Evie Sands ⑬The Strange Things ⑭The Morgan Ames-
Singers ⑰ジェフ・ブリッジズ ⑱The John&Mary Brass Ens.
*ピーター・イェイツ//ダスティン・ホフマン/ミア・ファロー
〈11〉『ゲッタウェイ』(1972) THE GETAWAY (から愛のテーマ2曲)
⑲-⑳ ;⑲トゥーツ・シールマンズ ⑳Don Eliiot&Morgan Ames
*サム・ペキンパー//スティーヴ・マックイーン/アリ・マッグロー/ベン・ジョンソン
(CD6)
Q’s Highlights
①Soul Bossa Nova(アルバム Big Band Bossa Nova から/1962)
②Call Me Mister Tibbs!(サントラ They Call Me Mister Tibbs!から/1970)
ビリー・プレストン(オルガン)
*『続・夜の大捜査線』:ゴードン・ダグラス//S・ポワチエ/マーティン・ランドー
③The Time for Love is Anytime(サントラ 『サボテンの花』から/1969)
サラ・ヴォーン(vo.)
*ジーン・サックス//ゴルデイ・ホーン/ウォルター・マッソー/イングリッド・バーグマン
④Theme from 「The Anderson Tapes」(アルバム Smackwater Jackから/1971)
⑤The Out of Towners(サントラ 「The Out of Towners」 からメイン・タイトル/1970)
*アーサー・ヒラー//ジャック・レモン/サンディ・デニス
⑥The Split(メイン・タイトル) ビリー・プレストン(オルガン?)
⑦It's Just a Game,Love アーサー・プリソック(vo.?)
⑧Funny Money(End Title Card)(サントラ 『The Split』 から/1968)
⑨Is This What Feeling Gets?(サントラ 『ウィズ』 から/1978)
ダイアナ・ロス(vo.)
*シドニー・ルメット//ダイアナ・ロス/マイケル・ジャクソン
⑩Ironside(アルバム Smackwater Jack から/1971)
⑪Eyes of Love(アルバム You've Got It Bad Girl/1973)
⑫Hikky-Burr(アルバム Smackwater Jackから/1971)
ビル・コスビー
⑬The Spell You Spin(サントラ 「A Dandy in Aspic」 から/1968)
(The Web You Weave) シャーリー・ホーン(vo.)
*アンソニー・マン//ローレンス・ハーヴェイ/ミア・ファロウ/トム・コートネイ
⑭Sandford and Son Theme(アルバム You've Got It Bad Girl/1973)
アーニー・ワッツ(ss)
⑮Miss Celie's Blues(Sister)(サントラ『カラー・パープル』から/1985)
テイタ・ヴェガ(vo.)
*S・スピールバーグ//ダニー・グローバー/ウーピー・ゴールドバーグ
⑯Money is(サントラ 「Dollars」 から/1971)
リトル・リチャード(vo.)
⑰Many Rains Ago(Oluwa)(サントラ『ルーツ』から/1977)
Letta Mbulu(vo.)
ボーナス・トラック
⑱The Q Cinema Suite
Jean-Michel Bernard(p)
「夜の大捜査線」/「歩け走るな¡」/「恐怖との遭遇」「カラー・パー
プル」「アイアンサイド」が含まれる
以上 作曲・(指揮);クインシー・ジョーンズ
CD/6枚組/映画音楽/Compilation ⓒ&Ⓟ 2016 仏DECCA/輸入
(CD5)
〈9〉『失われた男』
キャロル・リードの『邪魔者は消せ』のリメイクだとか。どっちも知りません。
労働問題、犯罪/泥棒、人種問題等々、ストーリーは波乱万丈の社会派ドラマ
のようですが、聞いたことがないので、あまり有名ではないんでしょう。
観てませんが〈5〉以来の人種問題が匂います。音楽もだいぶん黒人ぽくなった。
でも半分が歌だし、インストものもブラックミュージックオンリーなので、オ
ーケストレーションされた③⑧⑨以外は・・・ワタシは結局ダメでした。
〈10〉『ジョンとメリー』 観たかもしらんが、覚えてません。
⑭のメイン・タイトルと⑯のロマンスを思わせる甘いコーラスと最後のブラス
中心のペーソス漂う⑱(メインタイトルと同じ曲)は素敵ですが、それ以外は、
特に惹かれたものなし。ただ、⑰の歌い手の名がジェフ・ブリッジズ。あの俳
優の?カントリー系の歌手だったんだ。ワタシわりと好きな俳優さん。
〈11〉『ゲッタウェイ』 おぼろげな記憶しかありませんが、そんなことより、
この2曲だけとはどういうこと? T・シールマンズ(ハーモニカ)は嫌いじゃないけ
れど、〈6〉のハイライトなら仕方がないとしても、これだけじゃあ「映画」
が伝わってこない。そもそも・・・
もともとジェリー・フィールディングが受けたオファーで、ほとんど出来上が
っていたのに、マックィーンが嫌だとごねて(らしいです)、リジェクトする
ことになっちゃった。急遽受けたのがクインシー。この2曲では何もわからん
から、もっと入っておれば何か言えたと思うのですが・・・ なんといっても
ワタシ、フィールディングのファン。打率もいい作曲家なので、果たしてそん
なにヘンなものだったのかしらんと疑っているのです。リジェクトされた音楽
がCD化されて出ていましてね、聴いてみたいのですが、高すぎてね、無理する
気になれずに、そのままになってます。(ハハ・・・)
それに、ここでいうのもナンですが、『マッケンナの黄金』という脳天気な冒
険西部劇がクインシー・ジョーンズの音楽だったはず。ホセ・フェリシアーノ
のすばらしい主題歌の歌唱は難しくても、その他サントラのメインどころがな
んでこの6枚組に入らなかったのかも、気になっていたので、「おかしいんじ
ゃないか!」とだけ書かせていただきます。つまらんのかも。(ハハハ)
ユニヴァーサル・ミュージックのCDなんですが、よく見るとフランスもの。だ
からちょっと‘違った’選び方になっているのかな。普通に、レーベルとか権利
関係の問題なのでしょう。
(CD6)
Q’s Highlights
①「ソウル・ボサノヴァ」は、クインシーを知る方はまず知らないはずがない。
映画とは関係ないように思いますが・・・
②『続・夜の大捜査線』のメインタイトルなんでしょう。観てません。一度聴く
と記憶には残ります。かっこよくできたブラックミュージック。悪くないのです
が、、、映画の出来はどうだったんでしょうか。
③観てないはずですが気になっていた映画でしたね。でも『サボテンの花』の
の音楽がクインシーだとは全く知りませんでした。サラ・ヴォーンが歌っても
当然というべきか、黒人ぽさはない。ムード音楽っぽい楽曲をサラ・ヴォーン
がたまたま歌ったというだけ。かつ映画の雰囲気が全く掴めない。
④シドニー・ルメット監督『ショーン・コネリー/盗聴作戦』でした。少し覚え
ているので観たかもしれん。これもクインシーかよ!知らんかったなぁ。ちょ
っぴりブラックミュージックっぽいが、トゥーツのハーモニカを聴くと、カッ
コよく感じますねぇ。
⑤『おかしな夫婦』という邦題の映画。知らないです。完全にマンシーニ調と
いってもいいような曲。だからとっても素敵なんですが、これをクインシー
が書いていることを思うと、なんだか胸苦しい。人種差別の差別で一回転・・・
ヘンかもしれません。1999年にスティーヴ・マーティンとゴルディ・ホーンで
リメイクされている。
⑥⑦⑧はどうやら「The Split」という映画かドラマの音楽らしいのですが、シ
ャマランの2017年の映画しか出てこず、わかりません。⑥⑦の歌はとりたて
て面白味などないのですが、インストの⑧は俄然すばらしい。フルバンドの
ジャズテイストのしんねりした傑作。
⑨『ウィズ』はもちろん知ってはいますが、観てないです。バックはなかなか
ゴージャスなオーケストラでヨロシイ。でもダイアナ・ロスの歌はもともと好
きでないうえに、ストライザンドの真似のような唱法が鼻についてしまって、
イケマセン。スミマセン。
ところで、マイケル・ジャクソン(ダブル主演)の名が書いてあるのですが、
ここには彼の歌はなぜか出て来ませんでした。
⑩みんな知ってるテーマ音楽です。クインシー・ジョーンズがキラ星のごとき
メンバーを引き連れて来日した時に、これも生で聴いたんでした。もっと派
手な編曲だったような記憶があります。演歌の新人のお披露目だとか新曲発表
会だとかに行って飲み食いするよりは、こういう切符をもらえたほうが100倍
も嬉しかったですね。仕事冥利・・・ あまり面白くもない「愛のコリーダ」
(という曲)がヒットは終わってもまだ覚えられていたころだったと思います。
「ペリー・メイスン」はけっこう観ましたが、「鬼警部アイアンサイド」が始
まったころは受験だったり、テレビもない貧乏学生だったので、あまり観られ
なかったのではないか。後年テレビで古い映画を観ているとき、上記で主役を
張っていたレイモンド・バーがぬっと出てきてビックリした記憶があります。
『裏窓』でした。なにもびっくりすることはなかったんでしょうが、びっくり
したもんだから覚えているのです。
「アイアンサイド」姿のバーのジャケット写真が懐かしい。
⑪ハ-モニカのトゥーツ・シールマンズをフィーチャーした楽曲。クロスオーヴ
ァーだとかフュージョン・ジャズだとかいう範疇。バックにはうつくしい弦楽
合奏がマントヴァーニやF・チャックスフィールドのようにられ付けられていて、
ムード音楽。いや、トゥーツは好きなんですけどね。ここまでのいろんな楽曲
のあちこちで聞かれます。敢えて紹介していないものが大半。
そう言えば、⑩に書いたクインシーのバンドが来たとき、トゥーツはいたんだろ
うか。覚えてないです。
⑫ビル・コスビーというと、あの黒人のエンターテイナーですね。踊ってでも
いるんでしょうか、歌とも言えないようなふざけた合いの手のような声を上げ
ているだけです。
⑬『殺しのダンディ』という邦題、うっすら覚えています。ローレンス・ハー
ヴェイという知られたシェイクスピア役者が演っているのが変わっている地味
なつくりのスパイもの・・・観たような気がするんですがご多分に漏れず覚え
てません。この音楽はシャーリー・ホーンの歌がなかなかいい。
⑭これはフュージョンアルバムからの一曲、という感じ。
⑮うんと時間が飛んで、1985年の『カラー・パープル』からの曲。映画はとも
かく、音楽のほうを覚えてません。それにこの歌だけでは、想像が膨らまない。
⑯1971年というこの映画、ワカリマセン。ブラックミュージックですね、普通
の。せんだって亡くなったリトル・リチャードの歌。全く興味がないジャンル
です。
⑰これはテレビドラマですね、『ルーツ』。少し観ましたっけ。雰囲気のある
歌。 ⑮や⑰から、アメリカはどんだけ変わったんだ!なんて日本人なら言う人
が多そう。とにかくここから(人種問題を)説き起こそうってんじゃ、そりゃ
いちいちたいへん・・・。
⑱ボーナス・トラックと書いてあって、なにかと思いきや、5つほどの映画作
品の中心的なメロディを、ジャズピアノで繋いでいる。
いわばエンドタイトルふう・・・
長くなりました。
6枚目は、洗練された映画音楽を目指し続けた証左みたいな感じで、フュージ
ョン系ということになるのかなぁと、はじめは感じたんだけど、今はただの
雑多な集め方だったようだと思える。
ワタシは歌だとあまりピンとこないことが多い。もっともこのアルバムの後
半は、好きでないものが多くなった代わりに、黒人音楽らしい部分が濃く出
たかもしれない。
洗練されてスタイリッシュな音楽を中心に書き分けた黒人作曲家ということ
で、様々な鬱屈があったに違いないと勝手に考えている。そんなことはどう
でもいいということにしておきたいのはやまやまなんですけどね。でも実際
なんでもこなせる黒人の映画音楽作曲家なんていたっけ?いないんだよな。
それはそれでスゴイ。ワタシが知っているのはテレンス・ブランチャードぐ
らいだけれど、彼もジャズ系以外はうんと少ないんじゃないか。
(やめておきましょう、こんな話)
①④⑤⑧⑩⑬といったあたりがワタシには聴きやすかった。
クインシー・ジョーンズは今年87歳。
(6枚セット、おわり)