休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

THE CINEMA OF QUINCY JONES 3/1

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THE CINEMA OF QUINCY JONES (3/1)
(CD1)                             
<1>『質屋』(1964) THE PAWNBROKER /原盤;MERCURY          ◎
 ①-⑪ ;①マーク・アレン ⑦Dialogue:ロッド・スタイガー ⑪サラ・ヴォーン
   *シドニー・ルメット//ロッド・スタイガー/ジェラルディン・フィッツジェラルド
<2>いのちの紐(1965) THE SLENDER THREAD         〇    
 ⑫-㉑
   *シドニー・ポラック//シドニー・ポワチエ/アン・バンクロフト/テリー・サヴァラス

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(CD2)                              
〈3〉『蜃気楼』(1965) MIRAGE                △
 ①-⑪
   *エドワード・ドミトリク//グレゴリー・ペック/ダイアン・ベイカー/ウォルター・マッソー
〈4〉『恐怖との遭遇』(1967) THE DEADLY AFFAIR/原盤;Verve  〇
 ⑫-㉓ ;①A・ジルベルト ⑯⑲ハンク・ジョーンズ(p)
   *シドニー・ルメット//ジェイムズ・メイソン/マクシミリアン・シェル/シモーヌ・シニョレ

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    以上 作曲・(指揮);クインシー・ジョーンズ
    CD/6枚組/映画音楽/Compilation ⓒ&Ⓟ 2016 DECCA仏/輸入

 

クインシー・ジョーンズの担当した映画をかなりたくさん集めてあるの
で、「ほしいものリスト」なるものに入れていました。安くなったもん
だから、思わずカートに・・・

映画(TVドラマも含め)は半分も観ていないと思います。
音楽はサントラが手元にあるのは、<1><4><5>ぐらい。この3つ以外に
ちゃんと聴いてみたかったのは<6>。
6枚分聴いてメモするにはかなり時間がかかる。2枚づつアップするぐら
いを想定してみます・・・

 

(CD1)                             
〈1〉「質屋」は学生時代に観ました。多分日本公開は相当遅れたんだと思
う。なんとなくそんな記憶があります。そんなに前なのに画面の調子なん
かはいまだにいくらか覚えているので、よほど印象深かったんでしょうが、
音楽のほうはあまり残りませんで、でもクインシーだからきっといいもの
だったんじゃないかと、長い間思い込んでいました。で、10年ほど前にサ
ントラを手に入れて聴き、ブログにも書いたと思います。
①の唄は古めかしく、ピンとこないが、ハープシコードとポギーとベスの
ような黒人ぽいメロディの厚い弦が印象的な2曲目、ブラスのオブリガート
っぽいハーモニーがかっこのいい3曲目のジャズ、モーダルなコンボジャ
ズの4曲目など、これじゃジャズアルバムみたいな前半。まあ映画だから
そうはいかないんで、ユダヤ人ならではの鬱屈を抱えた主人(スタイガー)
のダイアローグに代表されるように、やたら暗いドラマを、音楽も演出し
て行きます。わざわざサントラに入れただけのことはあって、異常に激し
てゆくセリフ回しがものすごい。白人の質屋とその妹なんだが、音楽はブ
ラックだけでない、ラテンアメリカや有色人種の下町の雰囲気が出ている
感じで、今回聴いても、やっぱり非常にインパクトがありましたね。
最後にサラ・ヴォーンのダンサブルな唄が入っていまして、忘れていまし
た。

6枚組のセットものだけれど、早々に言っちゃえば、これがベスト、かも。

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〈2〉「いのちの紐」。黒人青年が、自殺寸前の女の電話を取って・・・。
観てませんが筋は、ありそうでも、面白そうです。「質屋」とそっくりな発
の想楽曲もあるんだが、ジャズ色はちょっとだけ薄れ、ムード音楽系だとか
サスペンス系だとかの、効果音的な、あるいは劇伴ふうな曲のウエイトが高
いので、そんなに厳しい感じはしない。もっとも、ちゃんとジャズをやると
きは、いかにもかっこっがいい。ハモンドオルガンが大活躍する。
映画は未見。

 

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(CD2)                              
〈3〉『蜃気楼』はサスペンスもの。①はオケと合唱でロマンティックなムー
ドを表現しているから、最後の⑪も似たようなもんだろうと想像する。①の
アレンジは⑥と⑦でしたが、ま、だいたいはそんな感じ。②はフルートの入
ったオシャレなコンボジャズ。
①②⑥⑦以外はフルバンドによるさまざまなサスペンスの表現が続く。今聴
けば実に大仰だけれど、でもこれが聴きどころでもあるのです。⑩のバスク
ラが面白い、エリック・ドルフィーみたいじゃないけど。全体にゴールドス
ミスのような面白い音のアイデアはない、まだアコースティックのみ。楽器
を駆使しているという段階なので、いたって生真面目。

 

〈4〉『恐怖との遭遇』。これ、ル・カレの「死者からかかってきた電話」が
原作。日本で劇場公開はされなかったが、テレビではオンエアされたでしょ
うね。観ていませんが、音楽は〈1〉とカップリングされたCDを聴いていた
ので、知っていました。
当時はまだまだ新しい音楽だったはずのボサノヴァではあるのですが、、、
驚くべきことに、始めにアストラッド・ジルベルトが歌う同じメロディ一つ 
だけで⑫-㉓全てのトラック分をカバーしている。そりゃ繋ぎの部分や始めと
終わりなどは違ってはいますがね。しかもほぼ全部ボサノヴァ!ま、ほんの
一部はサンバになってますが、そのアレンジ力に仰天。サスペンスっぽいと
ころまでボサノヴァでやっつけちゃってまして、運転中、思わず「嘘!」っ
て言っちゃった。よくもまあそんな発想したもの。以前聴いた時、そうした
ことに気付いていたんだろうか。気付いてなかったと思うよ、きっと。

 

映画音楽に関して、いい助言者だったとお礼を言っているのが、ヘンリー・
マンシーニ、ベニー・カーター、アルマンド・トラヴァヨーリ、スタンリー
・ウィルソンの4人を上げていて、やっぱり、マンシーニが一番なんじゃな
いかと思う。(一番わかりやすいのです) でもきっと順応力や学習能力がす
ごいんだろうなぁ。(サックスのプレーヤー兼アレンジャー)ベニー・カー
ターには何を学んだんでしょう・・・、やっぱりアレンジ?) で、このボ
サノヴァのいろんなアレンジで、マンシーニを思い出したわけです。スタン
リー・ウィルソンという人は知りません。

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