20200619(了)
THE CINEMA OF QUINCY JONES 3/2
(CD3)
〈5〉『夜の大捜査線』(1967) IN THE HEAT OF THE NIGHT
①-⑯ ;①レイ・チャールズ ⑧ギル・バーナル(s) ⑨グレン・キャンベル
*ノーマン・ジュイスン//シドニー・ポワチエ/ロッド・スタイガー/ウォーレン・オーツ
〈6〉「冷血』(1967) Truman Capote's IN COLD BLOOD
⑰-㉘ ;㉖ギル・バーナル(s)
*リチャード・ブルックス//ロバート・ブレイク/スコット・ウィルソン
(CD4)
〈7〉『歩け走るな!』(1966) WALK, DON'T RUN!
①-⑬ ;④ドン・エリオット・ヴォイセズ ⑦トニー・クレメンティ
*チャールズ・ウォルターズ//ケアリー・グラント/サマンサ・エッガー/ジム・ハットン
〈8〉『ミニミニ大作戦』(1969) THE ITALIAN JOB(英)
⑭-㉕ ;①マット・モンロー ⑳㉕The Italian Job
*ピーター・コリンソン//マイケル・ケイン/ノエル・カワード
以上 作曲・(指揮);クインシー・ジョーンズ
CD/6枚組/映画音楽/Compilation ⓒ&Ⓟ 2016 DECCA仏/輸入
(CD3)
〈5〉『夜の大捜査線』 皆さんご存知の有名作で、レイ・チャールズ歌う
主題歌を知らない古めの洋画好きはめったにいないと思いますが、このメロ
ディがあちこちで活躍してまして、<4>のようなほとんど一曲だけでやっち
まうのは極端だとしても、ここでも、ライトモチーフ的なものはなくて、ア
アンジ力が極めて上手いのと、クラシックや民族系はないものの、どんなジ
ャンルにもアンテナを張っていて、ふさわしいジャンルを本物として付けて
いる感じ。「質屋」とそっくりのチュクチュク言う声も使っていました。⑨のグレ
ン・キャンベルの面白くない歌にはビックリ。売れる前? やはり効果音的な
変な音は作っていますが、皆ちゃんとした楽器。ツィンバロン的に聞こえた
のはハープシコードでしょうか。
などなど褒めているみたいですが、歌が多くあまり好きなサントラではない
のです。嫌いでもないのですがね。ジャズをベースにしたものがすくないか
らということになるのかな。映画にはこの上なく合ってましたけどね。
映画全体は大学生時代にロードショーふうに観て気に入りました。やっぱ
りロッド・スタイガーを観ちゃいましたね。確かジョン・ボールの小説で、
原作もおぼろげですが読んだ気がします。
このサントラは、随分前に手に入れているので、重複してしまいました。や
むなし。
〈6〉「冷血』。このサントラが聴きたかったのです!『2001年;宇宙の旅』
のリゲティや『ファニー・ガール』のストライザンドの歌と並んで、学生時
代に聴いた最も印象的な音楽に数えていいというぐらいでしたから。その理
由というのが、当時のワタシには突出して気色悪かったこと。本当です。リ
チャード・ブルックスと「マルキ・ド・サドの・・・」のピーター・ブルッ
クなんて同一人物なんじゃないかと思ってたぐらいですから、映画の知識は
乏しかった。
ところが今回初めていろんなトラックを聴いてみると、きれいな弦の合奏だ
とか、ギターの素敵なソロだとか、マンシーニふうの粋な音楽、なんてのが
混じってたんですねぇ、気色悪いものしか覚えていなかったんだ。
しかもその気色悪さなんて、こうやって聴き直してみれば、こうジジイにな
っちゃあ遅かったようです。 おお頑張ってるなぁ、ぐらいでね、当時の恐さ
の感覚は残念ながら思い出せなかった。学生時代も遠くなっちゃった。
「冷血」、ロバート・ブレイクとスコット・ウィルソン。
最近S・ウィルソン、亡くなったんでした。
(CD4)
この2作は、封切られただけことだけを覚えてます。
〈7〉『歩け走るな!』
マンシーニの薫陶を得た音楽でしょうね。ベースがビッグバンドジャズ系で、
曲によってはムードオケ。ひょっとするとマンシーニへのオファーが叶わな
いので、ピンチヒッター的にマンシーニ調を書かされたとか。極めて洗練さ
れた都会的オシャレ。きっと成功でしょう。少なくとも音楽は。
こういうこと書きにくいんだけれど、黒人っぽいところ、全くない。④の波
長を変えた歌などグッドアイデア。
クインシーはあまり楽しくなかったかもしれないが、映画自体は楽しい作品
だったんじゃないか。1964年の東京オリンピック(と競歩)がらみのド
タバタのロマンスもの。観ていないと思います。
(ハーモニカの巨匠トゥーツ・シールマンズが一緒に写っているのがめずらしい)
〈8〉『ミニミニ大作戦』
5年ほどさかのぼった『ロシアより愛をこめて』(007/危機一発)でもって大
ヒットしたマット・モンローの歌で始まります。これは間違いなく観てない。
こっちは金塊泥棒の話のよう。<7>より若干でもジャズに戻るかと思いきや、
戻らないどころか、黒人ぽさも同様にない。というより、クインシーらしさが
ない。でもまあ、深刻なところはまるでない映画のよう。舞台がイタリアとい
うこともあるのかな。
サスペンスの合間に、ボサノヴァや中南米系音楽、さらには「グリーン・スリ
ヴズ、イギリス英語の発音の合唱・・・
映画音楽のオールラウンダーに徹している。
聴きものとしては、やっぱり<5><6>でしょうか。
<7>はセンスのあるものだけれど、忘れちゃう・・・