20200405(了)
ブーレーズ Pierre Boulez(1925-2016);
(1)婚礼の顔(ルネ・シャールの詩による) 1946/1989
①先導 3:13 ②閉じ込められた男 5:59 ③婚礼の顔 12:42
④ユアドゥネ 2:24 ⑤後記のために 5:40
(2)水の太陽(ルネ・シャールの詩による)<抜粋> 1948
⑥恋をしているトカゲのなげき 4:15 ⑦イヴォンヌの為の唄 5:56
(3)フィギュール・ドゥブル・プリスム 1957~? ⑧ 20:40
フィリス・ブリン=ジュルソン(ソプラノ)、エリザベト・ロランス(アルト)、
BBC交響楽団/BBCシンガーズ
指揮:ピエール・ブーレーズ
録音:1989年11月(1)(2)、1985年3月(3)、BBCスタジオ、ロンドン、
Tot.61:40
CD/現代音楽/歌&管弦楽/ワーナーミュージックジャパン/邦盤
/Ⓟ&ⓒ 1990 Erato
<★★★★>
(1)「 艶笑詩の伝統に連なるもので、出会いから別れまでの大きな歌曲
集として着想された・・・」「多様な声楽の技巧・・・」云々だが、決
定稿までには40年以上もかかっているというから、しょっちゅう弄って
いたんだな。
(2) シャールの放送劇の音楽だったものを抜粋したもので、オーケス
トレーションその他様々に、決定稿までやはり弄り倒しているよう。
「トカゲの純真で傷つきやすい姿、および川のエネルギーから解放され
た力の波立ち・・・」
共にワタシが生まれたころに始めの稿が出来上がっているが、長々と手
を加え続けた。
でもはじめは、ワタシが現代音楽を時々聴くきっかけになったリゲティ
(「2001年;宇宙の旅」にいい曲が使われて、ワタシの心を完全に捉え
たんでした) の何曲かよりかなり早い、みな十数年から二十年ぐらい
は。でもって、その時のリゲティの曲と音色やわくわくさせる点に関し
て、通じるものがあります。
(3)は前の2曲よりはスタートが10年ぐらい遅い。オーケストラのみ。
そのサウンドは上記2曲と似ています。これもまた長い間いじり続けた
そうな。
映画「2001年;宇宙の旅」の音楽に、やはりとても合いそう。
邦盤なので、解説以外に(1)と(2)には和訳があって、ざぁーっと目
を通しました。ワタシは歌詞には全く興味が湧かなかったので、歌も音
として聴きました。ま、たいていそうなんです――ワタシの曲選びは、
そうしたラフなもので、でも情報を得ようとしなくなってきたので、ど
うしようもなく狭くなってきましたネ。
太鼓関係は特にティンパニが古臭い感じがしますが、それ以外はいずれ
も素敵なサウンドです・・・と書いてみて思い出すのは、日本の現代音
楽を聴いていて、若いころはすごく嫌だった木魚のような打楽器。それ
がこの頃はあまり嫌な感じがしない。このことなんかは年齢によるもの
といっても、具体的にはどういうことなのかな。
ブーレーズのこれらについても、触れたリゲティの曲についても、当時
の最先端的な音楽だったのでしょうが、それぞれ70年前ごろであり、60
年前ごろ。何が現代音楽だ!ていう感じです。
でも、「クラシック」にはなっていない。時間が‘解決’するという感じも
あまりしない。
便宜的なものでいい、ジャンル名がないせいではあるでしょう。調性が
ある音楽とない音楽では、単純に同じ“音楽じゃないか”というほど、聴
くほうにとっちゃあ「同じ」とは言えないんじゃないと思うんですけど
ねぇ。聴いて楽しけりゃ(興味を持てりゃあ)いいじゃん!
本当はそれでいいんだけれど、、、そのあたりが時々妙に気にかかる
のです。
ハイ、どんどん脱線。
この音楽気に入りました。