休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

リゲティ;ヴァイオリン協奏曲/オネゲル;Sym.4


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20190301(了)
いずみシンフォニエッタ大阪  第41回定期演奏会
 (1)アラン・ゴーサン: Éclipse(1979/‘日蝕’/日本初演
 (2)リゲティ     : ヴァイオリン協奏曲(1990/92)
 (3)オネゲル    : 交響曲第4番《バーゼルの喜び》(1946)

   飯森範親(指揮)/神尾真由子(ヴァイオリン)(2)
   いずみシンフォニエッタ大阪 <いずみホール 3/1>
   <★★★★>

リゲティのヴァイオリン協奏曲、生で聴くことができました。
超が付く「難曲」なのね。
2月10日過ぎごろの夕刊で以下の記事を見つけてしまった。METのライブ
ビューイングを二つパスする決心をしてまで聴くんだから、一応予習をして
臨む。もちろん理屈の話じゃない、あらためて事前になんどか聴いただけ
のこと。もっとも、「段々よくなる法華の太鼓」で、期待膨らむ!
チェロ協奏曲(1966)は、『2001年宇宙の旅』に使われた曲たちとタイプが
同じで、いかにもリゲティ、ものすごくカッコがいい曲なんだけれど、ヴァイ
オリン協奏曲はそういうものから相当‘先’に進んじまってる。ピアノ協奏
曲(1985/88)というのがあって、これがヴァイオリン協奏曲とチェロ協奏曲
の間にあるものの、ヴァイオリン協奏曲寄り・・・、古いリゲティもちょっと聴
けますが・・・
オネゲルの4番は田園交響曲などと言われる。
もともとワタシは結構好きです。3番5番もいいけどね、とにかく音色の美し
さ、カッコよさが際立っているものですから、どうしてもタイプになっちゃう。
今日聴くのは全部初めてですが、特にオネゲルはハードル高いぞ!
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以上のようなことが予習・・・
始めにおなじみのお声の作曲家西村朗さん(このオケの音楽監督)がマ
イクをもって出てこられ、少し解説。途中から指揮者森氏も交えて。
 

 
(1)ゴーサン:エクリプス フランスを代表するような現代音楽作曲家だそ
うですが知りません。日本初演ということもあったのでしょう、会場にいて
はりまして、舞台にも上がられた。始め、ロビーでも見かけていました。グ
レーヘアーの初老のオッサンで、非常にハンサムなかたでした。
意味、ネタはやっぱり「日蝕」で、物理的な日蝕だけでなくこれを観た人間
の精神的、心理的な反応も込めたとか。
ドラだかタムタムだかがやたらでかい音を立てたという印象しか残らなか
ったな。

(2)リゲティ;ヴァイオリン協奏曲。予習で聴いたブーレーズ盤も聴くごと
によくなっていきましたが、今日の生演奏はすごかったですねぇ。西村さん、
飯森さんのトークでいかに大変な曲かということが頭に残りました。独奏
楽器のみならず、いろんな楽器がいわゆる平均律から規則的にずれた音
程で弾きまくるように書かれていて、指揮者などは準備中血圧が上がり、
気も狂わんばかりだったと告白されていた。こっちはそこまでは感知でき
るはずもないが、神尾さんの気迫がこもった見事なソロのみならず、オケ
もアンサンブル・アンテル・コンタンポラン(ブーレーズ盤の)に負けないす
ばらしさで、正直、ちょっと興奮しましたね。会場全体もそんな感じじゃなか
ったろうか。なんとワタシ涙まで出してしもた。こんなこともあるんや。
小さめのホールでしたが、ここの音がまたよかった。

そうそう、第2楽章でフワー、フニャーという発情した猫の鳴き声みたいな
音が出てくるんだけど、どないしたらあんな音が出るんやろうと楽しみにし
ていたんですよ。
それは始めの西村さんの解説で聴く前にわかっちゃったんですけどね、猫
じゃなく白鳥の声なんだって・・・。で、なんと楽器はオカリナ!

(3)オネゲル:Sym.4《バーゼルの喜び》  予習したといってもさすがに
この曲は知ってましたが、生は初めて。
独特の音色に満ち、美しく明るいこの曲が、こんなに小さな編成で奏され
るとは知りませんで、意外でした。あの素敵な音はこんなフルオケの三分
の一ぐらいの編成のオケで出てくるとはなぁ、オモロイもんや。
リゲティの後の20分の休憩後、興奮がちょっと冷めたあたり。ちょうどエエ
くらいだった気がする。

評価はわかりませんが、ごくたまにしかいかないコンサートで、ワタシとし
てはいいものに当たったという気持ちです。
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                        (ホールのむこうに大阪城が見えます)