休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

サントラ「ユー・ガット・メール」

20200209(了)
「ユー・ガット・メール」オリジナル・サウンドトラック・スコア

 ①-⑲
 作曲&指揮:ジョージ・フェントン、⑫・⑲ハリー・ニルソン(vo.)
 CD/サントラ/1999/カルチャー・パブリシャーズ/(Ⓟⓒ 1998/ワーナー)/邦盤/中古
  <★★☆>

        *1998年製作/119分/アメリカ/原題:You've Got Mail
         ノーラ・エフロン監督/トム・ハンクス/メグ・ライアン/グレッグ・キニア

f:id:kikuy1113:20200224234655j:plainf:id:kikuy1113:20200224234744j:plain

『スノー・ロワイヤル』でジョージ・フェントンの名を見たせいで、な
にか聴きたくなり、手に入れやすそうなものを探して、これを見つけま
した。音楽の記憶はほとんどないけれど、全体としてはポップスのコン
ピレーションのようなものだったんじゃなかったか。見るとそういうの
がちゃんと出てるが、ニルソンの歌が二つ入っているものの、スコアの
サントラも出てたんだね。
どうせ、毒にも薬にもならないだろうと思いつつ・・・

 

残念なことに正解でした。
コミカル、軽妙、センチメンタル、ロマンティック、のほほん、、、
まあ言葉で言えばそういったイメージのもので、人生のキラキラした断
面に、小さい編成で優しく付けている。一切騒がない。
これだけ取り出して聴いても、映画に心酔でもしていた人以外にはほと
んど意味がないと言ってよさそう。
アクションやサスペンスと無縁なので、ハンス・ジマーのグループのよ
うなタイプのものでもない。どうでもいいことですが・・・ムード音楽
にだけは使える。邪魔にはならない・・・
このような音楽が穏やかに支えるのは、情況的に見て、普通なら成就す
ることなど叶いそうもない大都会での男女の互いへの想い。
男女とは、かたや巨大書籍チェーン店の店長(だったかな)、かたやジ
ャンル特化(子供用書籍でしたっけ)した弱小店のオーナー。
この小さな本屋がつぶれていくのを、ずーっと追いかけてゆくというの
がベースでした。
日本でも、町の本屋さんはすっかり減ってしまった。ジャンル特化、双
方向性、いろんな複合、そしてネット(通販)の使い方のアイデア・・・
等々。それでも生き残りは、よっぽどでなきゃなかなか厳しい。トーハ
ン、ニッパンも自身のことで精いっぱいで、弱小店をサポートするなん
て発想はないでしょうし(って知りませんけどネ、今どんな状況なんだ

ろう)。

 

最終バンド⑲に、ニルソンが歌う「Over The Rainbow」が入っています。
実はこの曲、中で時々ちょっと形を変えて出て来ます。映画のテーマふ
うな扱いだったのかもしれません。ともあれ・・・
アレンジャーはゴードン・ジェンキンズ。古いタイプのポップスやジャ
ズの伴奏の編曲者でその名は昔から知ってます。つまり大ベテラン。
ここまでの楽曲のサウンドと違和感がほとんどない。どちらかが合わせ
たんだよね。特に興味を覚えたわけでもないんだけれど・・・
マイクを咥えんばかりにして歌うニルソンの歌唱スタイルは、何十年か
前に見たことがありますが、それではこれは歌えない。実に丁寧な歌唱
を披露しています。感心しました。

 

たくさんのポップスやニルソンの歌はともかくとして、こういう品のい
い音楽が繋いでいたんですね。よくあるパターン。アルバムにする量の
楽曲がかろうじてあったんだ。忘れられてしまいがちな音楽たちです。
点数は低いのですが、嫌いというのでもないんですよ。