休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ハイ・ファイヴ/トルヴェール・クヮルテット with 本多俊之

20241128(了)

HIGH FIVE/トルヴェール・クヮルテット                        with 本多俊之

    ①プロローグ                  0:58
 ②ヒグルディ ピグルディ               3:55
 ③サクソフォン・パラダイス I            2:48
 ④サクソフォン・パラダイス II              3:30
 ⑤サクソフォン・パラダイス III             5:07  
 ⑥ラッシュ・ライフ(ビリー・ストレイホーン)           5:03
 ⑦オレオ(ソニー・ロリンズ)             2:13
 ⑧ハイ・ファイヴ                0:57
 ⑨ミュージック フォー シネマ               9:55
   マルサの女~あげまん~ミンボーの女スーパーの女マルタイの女
     ~マルサの女
 ⑩D-ウォーク                  4:29
 ⑪マイ・ロマンス(リチャード・ロジャース)             3:57
 ⑫スペイン(チック・コリア)              10:32
 ⑬エピローグ                  0:51
 
   プロデュース、作・編曲:本多俊之
   演奏:トルヴェール・クヮルテット + 本多俊之
    本多俊之(S&A・Sax)、須川展也(S&A・Sax)、彦坂眞一郎(A・Sax)
    新井靖志(T・Sax)、田中靖人(Ba・Sax)
   録音:1997年6月・7月、東芝EMI 第3スタジオ
   1997/CD/サックス・アンサンブル(ジャズ系)/東芝EMI/邦盤/中古
   <★★★★>

                           (本多氏は右から2人目)

あけましておめでとうございます。
11月中にメモしていた分、ちょっと古いんですけどね、ありましたので、これ
を今年最初にアップすることにしました。
 
見事なアルバムなんだが、どういうふうに書いたらいいのか、妙なことに、よく
わからない。サクソフォンだけのアルバムって、ワタシは好きですが、一般的で
はないというか、やや特殊なサウンドなのかもしれない。(違いますね)
 
ワタシにとってこのアルバムは、ジャンルを決める必要はさらさらないものの、
まぁジャズ系。すべて本田俊之のしっかり隅から隅まで施されたアレンジによる
ものだからね。でもって、それも、コンボのモダンジャズじゃないと思う。
思うに、ビッグバンドジャズ、あるいはスーパー・サックスのような、大きめの
バンドを想定したものとして聴かせてくれているようなんだな。当然、クインテ
ットなので、音が少ない分、頭の中で補足させられている感じ。
さらに言えば、補っているのは音だけじゃなく、「理屈」をも補っているみたい。
なぜと言われても、そう感じるんだから仕方がない。わからないと書いた所以。
おそらく本多さんはジャンルにこだわっているわけではないでしょう。
 
肌感覚のような楽しみ方でなく、理や知の勝った聴き方を強いる気があるとワタ
シは思います。音色は感覚的なもので、非常に好きなタイプのものなんですがね。
で、その上で(感覚のチョイ外側で)楽しむと言うしかない。
楽しめるのかと言われるかもしれないが、それは大丈夫、楽しめます。
トルヴェールの方向性にも一応合致しているんじゃないかと思います。
 
⑥⑦⑪⑫はジャズ・ジャイアンツの曲で、本多色に染まり切れない、あちらのジ
ャズ色がある(スタンダードであることを意識する、ぐらいが正しいのかな)け
れど、それ以外は本多のオリジナリティがよく出ている。
とりわけ特異なのが、『マルサの女』から始まる⑨。映画音楽だからか、伊丹十
三の意向が加わっているからなのか、これらはもはやジャズ系とは言えないね。
これに映画音楽という以外のジャンル名は付けられない。異彩を放っている。面

白かったですね。『マルサの女』なんてまだ覚えておられる方も多いでしょう。

これに比べれると、例えば、チック・コリアの超有名曲⑫には、始め、「アラン
フェス協奏曲」からちょっといただく(第一楽章の出だしと、第二楽章の有名な
メロディ)なんてことをしていて、フーンと思わせても、阿る感じ(?)があっ

て、かえってやや凡庸にさせているかも。繰り返しになるが、概してオリジナル

のほうが面白い