休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

スペイン映画『PIGGY ピギー』

20241219(了)

映画『PIGGY ピギー』

  カルロタ・ペレダ監督/ラウラ・ガラン
  2022年製作/99分/スペイン/原題:Piggy/DVDレンタル
  <★★★☆>

スぺインの田舎でのお話。
 
肉屋の娘サラ(高校生のよう、ということは出てくる男の子も女の子も皆高校生
ってことか、そうは見えんがなぁ)、なにがなんでも第一は食欲で、太り過ぎて
いて劣等感の塊。友達もいない。女の子も男の子も「自然プール」だかに行くの
で、自分も行きたい。で、こっそり行ったら3人の性悪娘たちに見つかり、散々
からかわれ、馬鹿にされ、ついにはひどいいたずらまでされてしまう。服を取ら
れちゃうのね。泡を食い、怒るよりもあたふたしてしまったサラには、プールの
中に死体があったことなんかには気が付かない。こんな裸同然で帰らねばならな
いのだし・・・ なんてのが出だし。皆、スマホは持ってるから、現代やね。
 
サラがこそこそ裸同然で帰りかけたら、あのイケズな女の子たちが中年近いごつ
い男にボコボコにされた後拉致されたのがわかる。サラと男の視線が絡み、疎外
された者同士の気心が通じでもしたか、男は目撃者サラを襲わず、車は女の子た
ちを乗せて走り去り、サラももらった一枚の布切れのような服(すぐに自分のも

のでないとばれるかと思いきや、ずっと後になってからしかわからない)を羽織

って帰る。

 
その後、プールで警備員の死体が見つかり、次に女の子たちの失踪がわかり、町
は騒然、、、
サラは始め、プールへ行っていないし、女の子たちが連れ去られたことも知らな
いと嘘をつくものの、当然そうはいかなくなってくる。男との目くばせがあるも
んねぇ。で、話はややこしくなる・・・
男との気持ちの通じ合いのようなものが、どうなって行くかというのが軸のよう
な感じもなくはないけれど、サラに嘘をつかれたとわかってからの母親や、失踪
娘の親たちや警察の出番が俄然増えてくる。中でもサラの母親の、娘大事とはい
え、狭量な価値判断でもって機関銃のように喋りまくる様子は、大いに眉をひそ
ませてくれる。
 
あの太りようで裸同然のシーンが多く、しかも体中をゆすっておたおたする場面
もふんだんなもんだから、自閉症かなにかなのかなと始めは思ったんだけれど、
実は決してそんなことはない、普通の頭脳や神経の持ち主だし、感受性も普通。
(サラを演じた女優さん、なかなかスゴイ! お母さん役も)
でも話は、絶望的な状況に突入してゆくのです。悪趣味だといやがる方もいらっ
しゃるとは思いますが、後半は結構面白いので、観てみてください。テンポ感は
終始乏しいんだけれどね、なに、ハリウッド映画じゃないんだし、かまやしない。
「リベンジホラー」なんてポスターにも解説にもある。でもどうだろう、そうい
う面もあるけれど、ちょっと違うんじゃないかしらん。

 

 

12/29(日)
今年は、紛争と選挙と災害と、そして変な話、ゴミのポイ捨て(ハハハ)を通じ
て、民主主義のことを考え・・・、それがどんどん遠のいて行くような気分を味
わった気がします。それも、意識すればするほど。

そして来年もきっと味わい続ける。世界中がさらに「混乱」し悪夢を見続けるこ

とになるような気がします。

どうかそうなりませんように。そして、どうぞよいお年をお迎えくださいますよ

う。

今年はここまでです。