20241202(了)
あのフェアウェイへ/川上健一
| (1) 忘れもの |
| (2) 時間ドロボー |
| (3) いつの日かバーディー |
| (4) 優勝カップ |
| (5) 増毛リンクスへ |
| (6) ドライバーショット |
| (7) 同級生 |
| (8) フェア |
| (9) パートナー |
| (10)輝く |
| (11)最後のコンペ |
| (12)あるがままに |
| 2011年11月/ゴルフ短編小説集/ソフトカバー単行本/講談社/中古 |
| <★★★☆> |

| ゴルフものの短編集です。 |
| (1)忘れもの |
| 20年前に始めたゴルフの腕はものすごく上がっているんだが、80の壁が破れ |
| ないという男。職場の仲間とのプレー中、またまた80を切れるチャンスが巡っ |
| てきた時、グリーン脇の目立つところに、美しく使われている年代物の9番アイ |
| アンが置き忘れてあった・・・ 自分の忘れものとダブる、ある気づきの話。 |
| (2)時間ドロボー |
| 若い夫婦の、ゴルフはまだ初心者の奥さんの側からの視点や感受性の話。60過 |
| ぎの義理の父親が、普段は穏やかなのに、ゴルフじゃマナーやルールにうるさく、 |
| 特にプレー前の素振りの回数については「時間ドロボー」と言う。その父と息子 |
| 夫婦とのゴルフの顚末。義父の更に別の一面が現れる。 |
| ゴルフはやっぱり少々贅沢な人たちのほうが似合うような書き方があるように思 |
| うのと、(1)でもあったように、80台じゃ「うまい」とは言えないという感 |
| じなのね。オレじゃあどちらも満たせない・・・ (どれだけの時間と金をつぎ |
| 込めたんだ、と)僻みがさっと滲みだしてきてしまう。(えらそうに、なんじゃ |
|
コイツ・・・) 僅かなものだが、地金が出るもので、成長しないですねぇ、ア ホですねぇ、お話につい反応してました。 |
| ネタはいいと思ったんだけど。 |
| いやだねぇ、これぐらいで。自分の経験値、感受性の傾向や壁に違いない。わか |
| るようになっただけいいとはいえ、いつまでも気にさせられそう。 |
| もっとも・・・ |
| こんなふうに感じさせるとことがあるあたりが、この本の人気がさほど高くない |
| 理由、かもしれない・・・ヘタクソゴルファーにはチクッ、あるいはグサッとく |
| るかも・・・どうだだろう。しっかり嵌められているのかもね。ハハ |
| (3)いつの日かバーディー |
| 子会社の役員や社長にはならず、すっぱり定年退職した部長さんが、辞める前に、 |
| 勧められたゴルフを始める。運動音痴のはずがはまって日がなウキウキ。自転車 |
| で数本持って練習場へ。途中の花屋の女性が気になったりなんかして・・・ |
| ゴルフを勧めた部下が教えてくれるのだが、あの名選手セベ・バレステロスが自 |
| 転車に乗れないという話が出てきた。だから自転車に乗れるならゴルフは上手に |
| なれますよという。退職したての年齢なら、これだけ練習すればバーディーもあ |
| るかもしれんが、それより、バレステロスのこと、ホントなんだろうか。 |
| 自転車にそのバレステロスの名を付ける。ちょっと面白い。 |
| (4)優勝カップ |
| あまり冴えないサラリーマン。年に2回ある社内コンペ。ゴルフ自体より参加し |
| てワイワイ楽しむのが好き。練習もほとんどしない。ハンデは最大の36。(よ |
| くわかる)それが、たまたま参加者が皆不調で、偶然みたいに嬉しはずかし、優 |
| 勝してしまった。と、持ち帰った優勝カップを見て、このところうまくコミュニ |
| ケーションが取れていなかった娘が、優勝なんてものにまったく縁のないうちだ |
| ったのにと、とても喜んでくれて、会話もできるようになった。この状況が続い |
|
てほしい彼は、次も優勝が欲しくなった・・・ さてその顛末は、というような 話で、ほっこりしたもの。 |
|
でもなんだね、しっかりヘボの話で、第一話や二話のような上手い人が出てこな い。「心配」することはなかった。 |
| ヘボゴルファーの心情は、ヘボだからわかります、いろいろ面白いものなのです、 |
| ハンディキャップというものがあってもね。 |
| ここまではゴルフという競技のことやそこそこできる人のことが中心ですが、ほ |
| かに、ずぶの初心者のこと(5)とか、家族の関係などに分け入ったもの(6)や、 |
| ゴルフ場のことなど(5)(8)。キャディの話(9)なんかもあって、意外にと |
| 言ってはナンだけれど、バラエティに富んでいました。 |
| 65才の母親の若年性アルツハイマーのことを扱った(10)には、ボケても生きる |
|
意欲は立派としか言いようのない母のことを連想させられつつも、最後にちょっ とハッとしました。 |
| ルールや道徳や「―道」みたいなもの(のおしつけ)はほぼなく、スノビズムめ |
| いたものもありませんでしたね。よかった。はじめ、ちょっと心配しましたけど。 |
| それから、ゴルフに特に興味のない方にとっては、きっと面白くない本。 |
| ワタシはゴルフの読書についてはかなりしましたが、やっぱりエッセイが中心で |
| した。小説は少な目。どちらについても、面白いものはもっともっとあるはずで |
| すし、知らないままになってしまうのが惜しいのですが、もうそんなに読めそう |
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もありません。これは、絶対楽しいから読むべし!というようなのがあったら、 是非知りたいものです。 |
| 以前にこの本を読んだ人も(って、いつも通り古本なのです)、一度に2篇ほど |
| しか読まず、次の次の篇の耳を折るということをしていたらしい。折れ線はそん |
| なふうなことを示しているようでした。 |

| 女性がティーショットをしたところのように見える挿絵。 |
| (10)の認知症とからめたお話で、この短編集では最も印象深い。 |
| 12月10日に同窓会のゴルフをやりました。 |
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早朝のスタート。寒くて吐く息が白い中、体は動かず、下手なパットは更に ひどく、きっと体にだっていいわけない・・・ ティーイング・グラウンド は白、フロントです、ゴールドではありません。 |
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もうそんなに何度もできないだろうけれど、なんぼなんでも、この時期はや めようよと進言しました・・・ |
| さて、ゴルフものの本は、これでリストからなくなっちゃった。 |