20210318(了) |
ブランフォード・マルサリス/クリエイション
~20世紀フランス音楽作品集
①サティ: ジムノペディ第3番(2:23) |
②ドビュッシー:小さな羊飼い ―「子供の領分」より(2:26) |
③ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(6:29) |
④ミヨー:世界の創造(17:23) |
⑤フォーレ:ピエ・イェズ ―「レクイエム」より(3:34) |
⑥ミヨー:ソロカーバ ―「ブラジルの郷愁」より(1:34) |
⑦-⑨ミヨー:スカラムーシュ ―サクソフォンとオーケストラのための組曲(11:19) |
⑩ミヨー:コルコヴァード ―「ブラジルの郷愁」より(2:00) |
⑪ミヨー:スマレー ―「ブラジルの郷愁」より(1:53) |
⑫-⑭イベール:室内小協奏曲(サクソフォンとオーケストラのための)(14:45) |
⑮ミヨー:ラランジェイラス ―「ブラジルの郷愁」より(1:02) |
⑯ドビュッシー:ゴリウォッグのケークウォーク ―「子供の領分」より(3:05) |
ブランフォード・マルサリス(サックス) オルフェウス室内管弦楽団 |
録音:2000年3月、ニューヨーク Tot.68:41 |
CD/器楽曲&管弦楽/Ⓟⓒ 2001,SME/邦盤/中古 |
<★★★△> |
ついつい選んだ理由を書きがちですが、しょうがないですよね・・・ |
これは名演奏家としてマルサリスを取りあげていたラジオ番組で、⑫-⑭のイ |
ベールの室内小協奏曲を聴いて、ちゃんと聴いてみようと思ったから。 |
ところがCDを見つけたあと、つい一つの感想文を読んでしまった。そこでは |
この小協奏曲の演奏だけが出来が悪いものの、そのほかに多く入っているミ |
ヨーがすばらしいので「赦せる」というような感じ。そりゃ影響受けました |
よ。バカですねぇ。ワタシのことですが。 |
もっといい演奏があるんでしょうが、ワタシにはやっぱりこの曲面白かったで |
すねぇ。もともと精神性がどうのこうの、なんていう曲じゃない、曲調の細工 |
や音色のセンスがすべて。十分だと思ったなぁ。 |
他ではさすがに多く入っているミヨーで、「ブラジルの郷愁」はたぶん原曲を |
知らない。元の形でも聴いてみたくなりました。でもよく知っている「世界の |
創造」がサクソフォンのソロを立ててのアレンジを施されているのも、なかな |
かいけてました。オリジナルとは大分イメージチェンジしてます。暗さがまる |
でない。もっとも、それが原曲にない魅力を発散していたとは言えるかな。 |
あとは、まあ、ミヨー以外は超有名曲ばかり。イベール以外はミヨーも含めて |
高級ムード音楽でしょう。失礼な言い方だけどね。オルフェウス管も主張が乏 |
しい。よく言えばオケの音の録り方が淡くやわらかで美しい。ぐっと力がこも |
るとか、抉るような表現はイベール以外にはほとんどない。ムード音楽と書い |
てしまう所以。 |
ジャズで名を成しているマルサリス一家の一人だからって、ブランフォードは |
トランペットの弟同様こんなジャンルだって、ホレッ!こんなにうまく吹ける |
教養も技術もあるんだよ、ジャズだけやってるわけじゃないんだよ!という幅 |
の広さをアピールするためのアルバムでしょう。 |
そんなことで、まなじり決して聴くというようなアルバムじゃあないとは言え |
ます。そのほかにも、イベールのレベルが並んでいればまた別で、それならも |
う少しシヴィアな批評にも晒されるでしょうが、これではくつろいで楽しめば |
よろしいというような小品集として扱われてもしょうがない。 |
とまあ色々嫌味を言うのは簡単です。世評も多分上記のようなものなんじゃな |
いか。 |
とはいえ、認めざるを得ないのは、このサキソフォン(ソプラノとアルト)の |
なめらかさ、艶やかさには絶大な魅力がある。本当に美しい。それがすべてだ |
と思います。 |