休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヘンリー・マンシーニ EIGHT CLASSIC ALBUMS 2-2

イメージ 1
20180721(了)
HENRY MANCINI EIGHT CLASSIC ALBUMS/4CD
           <2-2>
Disc One
 <1>PETER GUNN ①-⑫ 1959
 <2>MR.LUCKY ⑬-㉔ 1960
Disc Two 
 <3>HIGH TIME ①-⑫ 1960
 <4>THE BLUES AND THE BEAT ⑬-㉔ 1960
Disc Three
 <5>MR.LUCKY GOES LATIN ①-⑫ 1961
 <6>BREAKFAST AT TIFFANY'S ⑬-㉔ 1962
Disc Four
 <7>EXPERIMENT IN TERROR ①-⑫ 1962
 <8>HATARI ⑬-㉑ 1962
  2014年/CD/4枚組/RELGD/ビッグバンドジャズ&映画音楽
  <★★★★>

イメージ 2

<5>「ミスター・ラッキー・ゴーズ・ラテン」
これは〈2〉の続編。
続編というと〈1〉の“ピーター・ガン”の続編というのもあって、これが〈1〉に
負けていない傑作ビッグバンドのアルバム。手に入れた試聴盤の中にあっ
た。共に、ドラマのために用意した楽曲を、アルバム用にアレンジしたのかな、
その辺の事情は知りません。
こっちの続編は、〈2〉がラテンのウエイトが高いと書いたが、それをさらに進
めた感じで、全体的にとてもオシャレ。ただし、こうなるともうビッグバンドジャ
ズベースなんてもんじゃなく、完全にムード音楽。いや、悪くはないんですよ、
だけど、ラウンジ・ミュージック・・・まあお手の物なんだね、それはよくわかる。
ストリングスの美しい音色は、リマスターが成功しているからなんでしょうか、
きれいなもの。
はじめに「ピーター・ガン」でリマスターの失敗をなじるような書き方をしてしま
いましたが、それほどでもないのかも、なんて・・・
<6>『ティファニーで朝食を
完全版ではないし、ヘップバーンの歌も入ってませんが、なんと、『ティファニ
ーで朝食を』のサントラです。最初の「ムーン・リヴァー」のテンポや音でわか
りました。
(カラオケは嫌いですが、ずいぶん付き合わされました。そんなとき、ヘップバ
ーンと同じで、声域がいたって狭いものですから、この曲はとても楽に歌えた
ものです・・・  モンローが娼婦として当初の予定通り演じていたら、どんな
映画になっていたんでしょうねぇ。ただ、歌はフニャフニャしていてもモンロー
のほうがはるかに上手いわけで、、、といっても、きっと同じ曲にはならなかっ
たでしょうから、空想してもせんないことではあります)
で、サントラなのに音質上々。他と全く遜色なし。オシャレな映画にオシャレ
な音楽。
この辺りからマンシーニさんは、映画音楽に重心を置くようになるわけです。
くらくらするほど多くのヒット作をものしている。
でもワタシが興味深いのは・・・
  温厚な人柄で知られ、ヘプバーンやQ・ジョーンズ、J・ゴールドスミスら
  数多くの友人に慕われた。またM・ジャールやM・ルグラン、L・シフリン
  といった外国人作曲家にも親身に関わった。人望も厚く、いくつかの大
  学で名誉博士号を受け、後進の育成にもあたった。Wiki 
なるほどこうした作曲家と交流があったんだってこと!
猛烈な活躍だと思うものの、70歳で亡くなっているのは、もったいない・・・
〈7〉映画『追跡』サントラ
 ブレイク・エドワーズ監督//グレン・フォード/リー・レミック/S・パワーズ
黒澤やイーストウッドも影響を受けたと言われる(そう書いてある)ハリウッ
ド製ハードボイルド。観たことはありませんが、たまたまこの‘サントラ’も持
っていました。(2枚、ダブってしまった)
聴き比べは・・・音は違いがほとんどなし。
出だしの曲こそ、実にソフィスティケイトされた粋なジャスですが、次々にい
ろんな引き出しが開陳されてゆく。軽いものやビーバップのようなものの中
にサスペンス色の密度が濃くなる。最後はハードボイルドそのもの。
でもどうでしょう、このサントラの中に、マンシーニの担当した映画の基本に
なっている音作りの例が相当たくさん入っている感じ。
次の『ハタリ!』の音もあれば、『シャレード』や『グレート・レース』などのサ
ウンドも。さすがにイタリアものである『ひまわり』はないかというと、実は⑪
など、少し匂う気がした。
〈8〉映画『ハタリ!』サントラ
 ハワード・ホークス監督//ジョン・ウェイン/ブルース・キャボット/ハーディ・
 クリューガー/エルザ・マルティネッリ/レッド・バトンズ
2曲目に入っている「小象の行進」ばかり有名な映画(のサントラ)。まあこ
こまで有名になれば、それはそれで立派としか言いようがない。他も軽め
の曲が中心。くつろいだハリウッド風なものとか、ヨーロッパのしゃれたム
ード音楽とか、まあそういうもので構成されたものなんだけれど・・・ こんな
んでいいんだなあ、なんて逆に感心してしまう。そりゃサスペンスっぽいの
もある(⑲The Sound of Hatari は山!)んだけれど、多分印象には残りに
くい。

結局、テレビや映画ものが中心でした。
きっと御殿ないし大邸宅が建ったんだろう。知りませんが。
映画の作曲家としては、あとのデイヴ・グルーシン(同じくジャズ系ですが、グ
ルーシンはクロスオーバーやフュージョン)のような、サスペンスやオシャレな
もの、軽めのものが向く作曲家として、カラーが決まっていたんでしょうが、マ
ンシーニも少しそういう傾向がなくもないですね。オーケストレーションとして
は、グルーシンよりうまいと思います。ジャズとなるとそれぞれですけどね。
とっかえひっかえ結構長いこと聴いていました。
紙製のかなりださくそっけないいつものジャケットにおさまっていました。写真
もなんだかひどい。写真よりよほど中身は素敵。音もつまるところ、Disc1だけ
は比較してしまったが、ほかは別に悪くはなかったと思います。、
ここまでくると「シャレード」「アラベスク」「暗くなるまで待って」などがカップリン
グされたようなものがあるといいなぁ。見つからないんだけど。