休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『運び屋』

20191029(了)
映画『運び屋』

  製作・監督・主演:クリント・イーストウッド//ブラッドリー・クーパー/
  マイケル・ペーニャ/ローレンス・フィッシュバーン/アンディ・ガルシア/
  ダイアン・ウィースト/イグナシオ・セリッチオ/アリソン・イーストウッド
  音楽:アルトゥーロ・サンドヴァル
  2018年製作/116分/アメリカ/原題:The Mule/DVDレンタル
  <★★★☆> 

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15時17分、パリ行き』に続いて、イーストウッド作品です。
USAの古き良き保守のスタンス、なんて言い方がありなら、こんなふう
だったか・・・
イーストウッドさんはずっと実録ものを脚色して撮っているんだね。


(映画.com解説から) ・・・イーストウッドが自身の監督作では10年ぶり
に銀幕復帰を果たして主演を務め、87歳の老人がひとりで大量のコカイン
を運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋
をしていた孤独な老人の姿を描いたドラマ。家族をないがしろに仕事一筋
で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の
老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れて
いたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、
簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの
麻薬カルテルの「運び屋」・・・

 

10数回の運びをやる。どんどんギャラが上がって行く。それに驚きはする
ものの、アール・ストーンは金額に拘りは持っていないのね。罪の意識は
あっても、これもある種の冒険、男のロマンなんていうやつ。永らえる気
のない87歳。
皮膚は弛み背はすこし曲がっている。ジジイらしいっちゃそうなんだが、
危なっかしくも元気そう。危なっかしさはトリッキーさでもあって、長ら
く家族の信頼を損ない続けるが、官憲の目を騙しもする・・・

 

今まで扱ってこなかったであろうキャラを作りたかったてなことを監督は
メイキングで喋っていて、主役を演じる俳優とはどこか別人みたい。その
キャラ、確かにそうなのかもしれないけれど、全体の感じとしては、「グ
ラン・トリノ」の主人公の価値観に似たものが漂っているようでした。
最後の?商売は花を育てて売るというもの。前後はそれで括った形になっ
ていましたが、愛情も持っていたようで、ある花への蘊蓄はわかったもの
の、もう少し仕事の中身を“詳しく”見たい気もしました。でも、描きすぎ

はこの監督さん、お好きじゃないのですね。

 

特に触れる必要もないかもしれません、音楽のこと。先週観た『15時17分、
パリ行き』と――担当者は違うんだが――とても似た扱い。ジャンルは広
くとっているが、音楽に(も)多くは語らせない、深い意味は背負わせない。
中で主演者イーストウッドが歌っている歌もしかり・・・
気が付くと鳴っている、気が付くと鳴っていない、という感じ。音楽だけ
聴く意味は、こう言っていいなら、ほとんどないんじゃないかな・・・
レニー・ニーハウスが担当していたころから、それはあまり変わっていな
い気がする。