20191006(了)
金管七重奏のための音楽集 5
フォーレ/ラヴェル/ドビュッシー
〔セプトゥーラ〕
モーリス・ラヴェル;
「マ・メール・ロワ」 (編曲:M・ナイト) 14:38
①~⑤
「亡き王女のためのパヴァーヌ」 (編曲:M・ナイト) 5:56
⑥
「3つのシャンソン」 (編曲:S・コックス) 6:05
⑦~⑨
ガブリエル・フォーレ;
「メロディーズ」 (編曲:M・ナイト) 15:46
⑩夢のあとに Op.7、№1
⑪蝶と花 Op.1、№1
⑫秘めごと Op.23、№3
⑬秋 Op.18、№3
⑭捨てられた花 Op.39、№2
⑮イスファハーンのばら Op.39、№4
クロード・ドビュッシー;
「前奏曲集」 (編曲:S・コックス) 20:04
第1集 ⑯№6 雪の上の足跡 ⑰№8 亜麻色の髪の乙女
⑱№12 ミンストレル
第2集 ⑲№6 奇人ラヴィーヌ将軍 ⑳№5 ヒース
第1集 ㉑№10 沈める寺
演奏:セプトゥーラ
トランペット(Bフラット2、Eフラット1)、トロンボーン2、バス・トロンボーン1、チューバ1
録音:2015年11月、St. Paul's Church、New Southgate、London、UK
CD /吹奏楽・室内楽 Ⓟ&ⓒ 2017 Naxos/輸入 Tot.62:29
<★★★★>
(メーカー紹介文から) 人気の金管アンサンブル「セプトゥーラ」のアルバム第5
集は、20世紀初頭のフランス音楽集。この時代、管楽器の独奏曲は数多く書か
れましたが、室内楽としての作品はほとんどありません。そこで「セプトゥー
ラ」のメンバーたちは、ラヴェル、フォーレ、ドビュッシーの作品を巧みに編
曲し、実に豊かな音色で楽しませてくれます。「マ・メール・ロワ」のオーケ
ストラ版とも違う精緻な響き、トランペットやトロンボーンが縦横無尽の活躍
を見せるフォーレの一連の歌曲、ピアノのために書かれた「前奏曲」が華麗な
響きを纏うドビュッシー作品。どれも誰もが知っている原曲とは全く違う香り
を放っています・・・
セプトゥーラ、2枚目。第5集とあって、ジャンルを埋めるために取り上げたフ
ランス近代ということなんでしょう。
でもよかったですよ。ブラス・アンサンブルってときには聴きたいし、特にラ
ヴェルは好きですから。
ラヴェルは、「パヴァーヌ」はまあ普通です。
でも、「マ・メール・ロワ」(組曲です)の音色は、ほとんどアッと驚くよう
な素敵なものでした。打楽器なしで、よくここまで可愛くカラフルに表現して
くれたものです。それから「3つのシャンソン」。このメロディは、誰の歌で
聴いたものか、記憶から抜け落ちていました(先日亡くなったジェシー・ノー
マンあたりだったでしょうか)が、さすがラヴェル(⁉)、元がいいんでしょ
う、実にかっこよく料理されていました。とても新鮮! このCD中の白眉かも。
(古臭い表現ですが)
フォーレ。知っているのは⑩だけ。というか、なんで⑩のような超有名曲を入
れなきゃならんのかな。
あとの曲は、いわゆるシャンソンぽいと感じましたね。フランスの歌なんだか
ら当然かぁ。
フォーレよりはドビュッシーがよかったですね。
やっぱり知っている曲が多いからということもあるでしょうが、歌でなくもと
もとインストものだからかな。低音を生かした編曲が多く、少し重いと思うと
きもあるけれど、立ち回りは軽快で、どの曲もとても美しかった。ピアノとは
全く違う別の魅力が存分に出ていたんじゃないか。㉑は感動的。
ラヴェルの「3つのシャンソン」を見事にやってのけたアレンジャーの特質も
ありそうです。
残響が長く混濁もしない。バロックやルネッサンスものはさぞやあでやかなん
だろうが、ここでもほんとうに素敵なサウンドだと思いました。腕達者たちの
技量はもちろんのこと、録音の勝利でもあるようです。
散歩時、中学校でブンチャカよく練習しているのを耳にします。でかいバンド
のものでなく、こういう小編成のものを聴いたら、いい目標になるんじゃない
かしらんね。
フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルの21世紀バージョン。
ジャケット写真は、ワインのコルク栓でしょうか、フランスらしく。