休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

金管七重奏のための音楽集 6/イギリス

イメージ 1

20190323(了)
金管七重奏のための音楽集 6
(1)フィンジ(1901-56):
  ①3つの讃歌 Op.27 第2番 神は召された(1951)(M・ナイト編)4:27
(2)エルガー(1857-1934):
  セレナード ホ短調 Op.20(1892)(M・ナイト編) 10:44
   ②Allegro piacevole  ③Larghetto  ④Allegretto
(3)フィンジ
  ⑤前奏曲 ヘ短調 Op.25(1929)(S・コックス編)4:36
(4)パリー(1848-1918):
  別れの歌/抜粋(1916-18)(M・ナイト編)13:43
   ⑥-⑨
(5)フィンジ
  ⑩ロマンス 変ホ長調 Op.11(1928)(S・コックス編)7:52
(6)ウォルトン(1902-1983):
  弦楽のためのソナタ(1971)(S・コックス編)28:05
   ⑪Allegro  ⑫Presto  ⑬Lento  ⑭Allegro molto
  セプトゥーラ
    Huw Morgan、Alan Thomas、Simon Cox(tp)
    Peter Moore、Matthew Knight(tb)
    Daniel West(b-tb)、Peter Smith(tuba)
  録音:2017年1月、セント・ポール教会、ニュー・サイスゲイト、ロンドン Tot.69:53
  CD/室内楽/Ⓟ&ⓒ Naxos
  <★★★★>

音楽、さぼってるみたい見える・・・そんなことないんだけどな。どうも印象の 
メモ書きにてこずってる。ここんとこじゃあ『パルジファル』に時間がかかって
しまいました。今回のは気楽でした。
<CD帯紹介文> ロンドンを拠点に活躍する金管楽器のトップ奏者たちによる
七重奏団「セプトゥーラ」の最新作。これまでに“クリスマス・アルバム”を含む
6枚のアルバムで、バロックから近代まで多彩な音楽を演奏してきた彼らで
すが、今作ではついに「お国もの」であるイギリス近代作品を存分に聴かせ
ます。日本でもファンの多いフィンジの作品や、エルガーウォルトン、パリー
などおなじみの作曲家たちによる声楽曲や弦楽作品を、サイモン・コックスと
マシュー・ナイトが絶妙に編曲。もともと金管楽器のために書かれたかのよ
うな見事なサウンドに生まれ変わっています。美しいフィンジの「ロマンス」、
荘厳なパリーの「告別の歌」など、イギリス近代の独特な情緒をたっぷり味
わうことができるユニークな1枚です。
(「セプトゥーラ」のメンバーは、ロンドン交響楽団、フィルハーモニア管弦楽
団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団BBC交響楽団バーミンガム
交響楽団スコットランド歌劇場、オーロラ・オーケストラで活躍する若手金
管奏者たちによって構成されています。)
イギリス近代ものをやりたし、曲はなし。で、向いてそうなものを探して編曲
したんですね。まずは選曲の勝利。アレンジはメンバーのうちのお二人。
(2)(3)と(5)ぐらいしか原曲を知らないのではないかとは思います。
書いてある通り、“もともと金管楽器のために書かれたかのような見事なサ
ウンド”で、ほれぼれします。原曲とはすっかり様変わりした音色になってい
ますが、でもやっぱりイギリスっぽさがあるのがとてもいい。
木管アンサンブルも好きなのですが、負けない甘く繊細至極なサウンドもち
ゃんと聴かせてくれるだけでなく、もちろん金管の輝かしさも堪能できる。
輝かしさはなんといっても(1)。もとっからこれ、ファンファーレなんじゃない
かと思ってしまう。
(2)はいかにもイギリスのロマン派。曲もある程度の長さがあって、聴き映
えがする。エルガーさんもびっくり!?
少し不協和音的なものも混ざるフィンジの(3)は(1)のきらびやかさとは一
転、仄暗さのある小品。教会音楽っぽい。
(4)はこの中では最も古いパリーの曲。抜粋とある。
まだこんなわびし気、寂しげな曲がほかにもあるんでしょう。ロマン派の音
楽と言ってよく、これもどこかクリスチャニティ、宗教臭を嗅ぎとれる気がし
ますね。ただこのアルバムの中では、一番地味かもしれない。ワタシには
少し眠けが来ちゃった。
(5)フィンジの若い時の名作。編成が変われど情感たっぷり!
最後は大作の(6)。無調とかセリーなどではないものの、さすがに音も音
楽も新しく、目が覚める。楽しい。パリーやエルガーとは明らかに世代が
違うことがよくわかる。輝かしさなら①と⑭ですがとんがり具合は俄然⑭。
ま、こういう編成のサウンドなら、もともとウォルトンならこの手はお手の物
だったんじゃないかとは思いますけどね。
大成功のお国ものではないでしょうか。
バス・トロンボーンやチューバが低音をしっかり担い、非常に安定した厚み
を感じるサウンドであるようでした。 ま、ブラスは時に切に聴きたくなるん
ですが、しょっちゅう聴きたくなるわけでもない。木管アンサンブルも同じ。
その辺はしょうない。
録音、悪くなかったと思います。ブラスでは必要な残響が、はじめはいささ
か長すぎる感なきにしもあらずでしたが、さすがというべきか、教会の音、
結局ちょうどいい塩梅でした。
本来的には古典やバロックの時代のものを中心に演奏しようという目論
見の、臨時編成のグループなんじゃないかと思いますが、それなりに受け
たからでしょう、ロマン派や近代にもチャレンジし始めたために目につくこ
になった。
はじめのほうのCDも機会があれば聴くべきですね。ただししばらくたって
から。
というのは、聴きすぎると、大好きだと思えたこの音色は、どういうものな
んでしょうか、飽きが来るのがちょっと早い。聴くうちに記憶がよみがえり
ました。一世を風靡したフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルもそう
だったなぁ・・・