20190923(了)
THE LORD OF THE RINGS
Original Motion Picture Soundtrack
Composed and Conducted by LEONARD ROSENMAN
①-⑱
CD/1991/サントラ/INTRADA/輸入/中古
<★★★△>
これは1978年のアニメーション版トールキン「指輪物語」のサウンドトラッ
ク盤です。
1991年にCDで出し直しされた。物語としては大長編の前半に当たるらしい。
観たことはありません。
レナード・ローゼンマンが担当だったというので、聴いてみたくなりました。
けっこう前衛的な音色に聞こえるのが素敵で、好きなのです。TVドラマも多
く担当は猛烈な数。でもまあ、知られたところでは・・・
『エデンの東』『理由なき反抗』『続・猿の惑星』『ミクロの決死圏』
『スタートレックIV 故郷への長い道』、『ロボコップ2』、『ミステリ
ーゾーン』など・・・
しかし、オスカーを獲ったのは『バリー・リンドン』『ウディ・ガスリー/わ
が心のふるさと』であって、これらはどちらも編曲賞。
『ロボコップ2』なんてものすごくカッコいいサウンドでほれぼれしますが、
有名な『エデンの東』『理由なき反抗』を中心にしたCD(サントラでなく別
演奏者によるオリジナルスコア版)なんか聴くと、オリジナル作曲賞が獲れ
なかったなんて信じられない。
(ジャケット~ライナーノートの写真から)
さてさて中身です。
ピーター・ジャクソンの長大な実写版に付けたハワード・ショアの音楽は、
ライトモチーフを用いた(って、普通そうですけど)なんとも重々しいも
ので、シンセ部分も多い。あのような暗くズーンとくるものでは、さすが
にわくわく楽しく聴くのは無理。
それに対し、アニメーションということもあるのでしょう、こちらも劇伴
に徹しているけれど、規模感のあるオーケストレーションなのに重くない
し、夢のあるフレーズもいくらかあったので、流していてしんどくなかっ
たですね。
もう少し鮮やかな音で聴きたかったけれど、それはしょうがない。
そして、最も特徴的だったのが『コンバット』・・・
ローゼンマンがかなりたくさんの音楽を書いたあのテレビドラマの「コン
バット」です。ここでとても印象に残っている金管を中心にした不協和音
や、小刻みな行進曲ふうな楽曲やサスペンス部分などと、とても似通った
ところが多かったことですね。酷似していると思えるところがあったり、
今にも「コンバット・マーチ」が流れ出てきそうに感じたり。期待する自
分がおかしくて笑ってしまいました。
ドラマやキャラクターを覚えている方は多いでしょうが、「コンバット・
マーチ」以外の音楽のイメージを覚えている方はそう多くはないかもしれ
ません。
そんなところです。
映画を観ていないので、その「コンバット」っぽいところがどんなシーン
なのかわからないわけで、ちょっと知りたい気もしなくはありません。で
も音楽のほうは、楽しくて何度も聴きましたが、彼としてはまあそれほど
傑作ってわけじゃないかも。
(ジャケット~ライナーノートの写真から)