Jasha Heifetz plays Great Violin Concertos
ハイフェッツ プレイズ 偉大なヴァイオリン協奏曲集(6CD)
〈CD6-5〉74:19
(11)モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲 第4番 K.218
8:04/6:20/6:45
ロンドン新交響楽団/マルコム・サージェント (1962)
<★★★☆>
(12)モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲 第5番 K.219 “トルコ風”
9:31/9:57/6:42
室内管弦楽団/(ハイフェッツ弾き振り) (1963)
<★★★☆>
(13)モーツァルト/協奏交響曲 K.364
12:18/8:50/6:52
RCAビクター交響楽団/I・ソロモン指揮/W・プリムローズ(vla.)
<★★★☆> (1956)
2010年/CD6枚組/クラシック/協奏曲/RCA/SonyMusic/輸入盤/中古屋
<CD5>
オールモーツァルトの一枚。
聴いた大半がそう好きでもなければ嫌いでもないというのが現実で、もち
ろんそれにはかなり幅があります。大好きというのは案外限られるのです。
この3曲は少し‘好き’寄り、かな。
録音条件はそれぞれ少しづつ違う・・・
(11)第4番、よかった。
なんと、テンポが速くない。いや、他の2曲もそうでした。
モーツァルトについては、こうなんだろうか。不思議といえば不思議。
この4番はサージェントさんがいいのか、オケの音も美しく充実していて、
かつ、書いたようにスピードが速くない、結果、全体としてなんとも「普
通!」しゃきしゃきとはしていても、奏法は例によってポルタメントやレ
ガートなどがあるものだから、ちょっくら古めかしくロマンチック。
(12)第5番も4番に準ずる。録音はその1年あとみたいだけれど、オケの
ほうは比べると4番よりちょっとだけ引っ込んだ感じに聞こえる。でも、
弱点じゃない。意外にテンポは細かく動かしたりしながらの弾き振り。き
びきびしている。オケは契約のためか団体名を書かれていないが、かなり
優れた団体なんじゃないか。'準ずる’なんて失礼かも。ただこの曲は、例
えば「ジュピター」ほどでないにしても、とても特徴的なフレーズがあっ
て記憶に残りすぎるため、飽きが来るのがちょっと早いんじゃないかな。
いや、でもこの録音もよかった。
(13)協奏交響曲。
前2曲よりは録音の古さがあって、オケの厚みや柔らかさが、実際にはもっ
とあるはずなのに、やや平板で固目なのは残念。やっぱり並んでるから比
べてしまいました。その点以外は上記2曲に決して引けを取らない演奏な
んじゃないか。テンポはちょっと速め。でもオケはまあまあだし、名手の
誉れ高いプリムローズさんもさすが。
モーツアルトは、古楽器によるピリオド奏法のしゃきっとした演奏に触れ
る機会が増え、それが好ましいと思うようになったものだから、この演奏
のようにソロもバックもかなり激しくビブラートをされると、ああ随分違
うなあ、なんて感じるのですな。
でもでもその上で申し上げるなら、きちっと一本筋の通った演奏は、3曲と
も思いのほか心地よかった。ハイフェッツのモーツァルトなんて知らなか
ったし想像できなかったからね、わりと新鮮でしたよ。ひょっとすると、
ご本人もモーツァルトを好んでおられたりしたんじゃないかと、あつかま
しくも想像してしまいました。