Jasha Heifetz plays Great Violin Concertos
ハイフェッツ プレイズ 偉大なヴァイオリン協奏曲集(6CD)
〈CD6-4〉67:06
(8)プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 Op.63
9:02/7:59/6:11
ボストン交響楽団/シャルル・ミュンシュ (1959)
<★★★>
(9)ヴュータン/ヴァイオリン協奏曲 第5番 Op.37
12:32/3:36/1:08
ロンドン新交響楽団/マルコム・サージェント (1961)
<★★★>
(10)ミクロス・ローザ(1907-95)/ヴァイオリン協奏曲 Op.24
11:20/7:30/7:47
ダラス交響楽団/ウォルター・ヘンドル (1956)
<★★★☆>
2010年/CD6枚組/クラシック/協奏曲/RCA/SonyMusic/輸入盤/中古屋
〈CD4〉
(8)これは好きな曲です。好きなのですが、何度も流してみて、あまりわく
わくしなかったですね。
理由はたぶんミュンシュ/ボストンのバックアップに魅力が薄かったのではな
いか。よくわからない。録音状態にも関係しているかもしれない。
ワタシ、このセットものではミュンシュ/ボストン響に、あまりいい印象を持
てていません。これもそう。どうもいまいち生気がない気がします。
御大の演奏のほうは立派そのもの。
(9) アンリ・F・J・ヴュータン。高校生の頃に、オイストラフの古い小品
集にこの作曲家の曲(確か「伝説曲」)が入っていたことで覚えた名前です
が、その後意識して聴くことのなかった作曲家。ベルギーというと、ヴュー
タンの生年の2年あとにはフランクというストイックさがイメージの大立者
が生まれている。あんまり関係はなさそうですけどね。
猛烈なテクニックを要するが脳天気ではなく、けっこう濃い目のロマン派の
の音楽。だからこそ時代の荒波をよく耐え抜いて残った、などと書かれてい
るんでしょう。もっとも、これをねっとり演奏されたらしんどいかな。この
演奏ぐらいのテンポがきっといい。
*アンリ・ヴュータン 1820-1881(ベルギー)
(10) さて、期待のローザ。
間遠にラジオで何度か聴いたのはこの演奏じゃなかったように記憶している
んだけど、、、
『白い恐怖』よりは『ベン・ハー』のローザが結局のところ好きだったんだ
なぁということが、よくわかりましたね。”映画音楽事始め”に近い音楽だけ
に、強烈に刷り込まれたってことなんでしょう。
ハンガリーつながりでバルトークの名を出してももっともらしいが嘘っぽい。
少々俗っぽいかもしれないけれど、それを気に病んでは、いかにも西洋かぶ
れの日本人、そんなことはどうでもよくて、要するに、なんたってカッコの
いい曲!なのです。
出だし、素敵なメロディのヴァイオリンソロを、低音がうねるように支える
オケ。ここにもいるけれど、第2楽章ではモロに『ベン・ハー』のLove -
Themeに匹敵するようなメロディがある。バルトーク(のヴァイオリン協奏
曲)よりすっきりと盛り上がり、民族音楽を感じさせる第3楽章。どこをと
っても ‘メン・チャイ’ なんかに負けない人気曲になっていいと思うんだけど
なぁ。飽きるかなあ。でも、飽きるっていうならなんだって飽きるしなぁ、
ブツブツ・・・。
テンポは珍しく早さを感じない。これ見よがしな装飾などがほとんどないと
はいえ、十分に難しそうで、ソロはなかなか大変そう。
録音は若干新しいだけにプロコフィエフよりマシ。特にソロヴァイオリンは
ギスギス感がなく聴きやすい。ヘンドル/ダラス響は頑張っていて野趣的な威
力を感じる。でもでも、望むらくはもう少しクリアーな音質であればなぁ。
今では別の演奏の(もっと新しい録音の)CDを持ってはいるんだけど、それ
でもソロもオケもこのハイフェッツ盤には歯が立たない感じ。
記憶違いでなければ、昔、ラジオで何度か聴いたのは、このセットも
のに何度も登場しているミュンシュ/ボストン響だったんじゃないか。間違い
かもしれない。もはやその演奏の記憶はありませんけれどね。このダラス響
よりはもう少しすっきりしていたんじゃないかと、想像するのみ。
*ミクロス・ローザ(ロージャ・ミクローシュ) 1907-1995(ハンガリー~米)