休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ペルルミュテールのラヴェル

20181220(了)

<1>VLADO PERLEMUTER PLAYS RAVEL(VOX)

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<2>VLADO PERLEMUTER - RAVEL PIANO WORKS VOL.2(Nimbus

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  ともに<★★★★☆>

以前にも書いていて、改めて取り上げる必要はないんですが・・・
このところ、車の中にラヴェルの古いアルバムを持ち込んでいて、一週間ほ
ど、いわばヘヴィーローテーションという感じ。
ヴラド・ペルルミュテール(1904-2002)の弾くラヴェルばかりです。

<1>
はじめはVOXの2枚組、もちろんモノーラル。
1955-56年の録音で、今から見ればいいものじゃない。相当デッドなところ
での録音で、ピアノのすぐそばで聴いている感じ。なのに鋭くない。
車の中の音場がいいのか、聴き慣れるとずっと聴いていたいと思わせる。
それに、協奏曲2曲がちゃんと入っていて、そこでのピアノの音が実に素晴
らしい。まあ、オケ(ホーレンシュイタイン/コロンヌ管)の音のほうはまあまあ
というところで、上手くないのが残念なんだが、ピアノの出来や音色が素晴
らしく、オケのマイナスを補って余りある。

<2>
もう一つはNimbusの録音。1973年。
ピアノ作品全集の第2集。
こちらの音は、ホールの席で聴いているみたいで、距離感がある。ホールト
ーンがよく利いているんだが、ある評のような地下室の奥で弾いているみた
いだという感じはしない。離れてはいても、これもとてもピアノらしい音で、非
常に美しい。VOX盤ではペダルをあまり使っていないところからすると、Nimbus
のこの盤の残響は、あくまでホールか録音方法によるものなんだろうと思う。
VOX録音時が51-52歳、Nimbus録音の時は69歳。やはり評には技術的に
はVOX盤のほうが、などと書いてあったけれど、ワタシにはほとんどわからな
かった。
どっちの演奏も音(こっちはずいぶん異なるんだが)も好きですね。
ラヴェル直伝の演奏という意識もなくはないものの、この自然体のラヴェル
ほんとうに何度聴いても飽きないし疲れない。
惜しむらくはNimbus盤は第1集がない。いずれ手に入れたいな。まあ、これ
が結論ということになりますか。・・・というか、もう一枚揃わないと、記事にな
らへんやろといわれると、グのネも出ん!(ハハハ)
  (Nimbus盤の裏の写真なんて、ユーディ・メニューインにそっくり。 この鼻!
  ポーランド生まれとはいっても、ユダヤ系なのかな・・・ そういや、初めて
  気付いたんだけれど名前<真珠のお母さん?>からしてもどうやらそんな感
  じですね)           

ところでワタシが好きなラヴェルピアノ曲を(ペルルミュテールの演奏の中
でという意味ではありません)紹介しますと・・・
  「優雅で感傷的な円舞曲」
  「ソナチネ
  「クープランの墓」
あたりが文句なく、です。たぶんプロ(作曲家系、批評家など)はそうじゃない
と思いますが、こういう好き嫌いはどうこう言ってもしょうがない。
(このNimbusの第2集には好きな曲が3つとも入っているのです・・・)
ドビュッシーモーツアルトベートーヴェンなどの録音もあって、聴いてみた
い気もする。この方の弾くものでラヴェル以外で知っているのはショパンのみ。
ペルルミュテールのラヴェルが聴ける人は、たぶんショパンもいけると思いま
す。(レコードがあったころよく聴いたから知っているのです) こんなふうに、
これ見よがしな演奏がほとんどないのに、これも(あるいはこれこそが)ショパ
ンなんじゃないかと思わせるのは、コルトーの教えを受けたことよりも、このピ
アニストがポーランド生まれであることも案外関係あるかもしれないな。
ま、普段ショパンなどワタシはめったに聴かないのですけどね。


<本年のアップは、これでオシマイです>