以前にも書いていて、改めて取り上げる必要はないんですが・・・ |
このところ、車の中にラヴェルの古いアルバムを持ち込んでいて、一週間ほ |
ど、いわばヘヴィーローテーションという感じ。 |
ヴラド・ペルルミュテール(1904-2002)の弾くラヴェルばかりです。 |
<1>
|
はじめはVOXの2枚組、もちろんモノーラル。 |
1955-56年の録音で、今から見ればいいものじゃない。相当デッドなところ |
での録音で、ピアノのすぐそばで聴いている感じ。なのに鋭くない。 |
車の中の音場がいいのか、聴き慣れるとずっと聴いていたいと思わせる。 |
それに、協奏曲2曲がちゃんと入っていて、そこでのピアノの音が実に素晴 |
らしい。まあ、オケ(ホーレンシュイタイン/コロンヌ管)の音のほうはまあまあ |
というところで、上手くないのが残念なんだが、ピアノの出来や音色が素晴 |
らしく、オケのマイナスを補って余りある。
|
<2> |
もう一つはNimbusの録音。1973年。 |
ピアノ作品全集の第2集。 |
こちらの音は、ホールの席で聴いているみたいで、距離感がある。ホールト |
ーンがよく利いているんだが、ある評のような地下室の奥で弾いているみた |
いだという感じはしない。離れてはいても、これもとてもピアノらしい音で、非 |
常に美しい。VOX盤ではペダルをあまり使っていないところからすると、Nimbus |
のこの盤の残響は、あくまでホールか録音方法によるものなんだろうと思う。 |
|
VOX録音時が51-52歳、Nimbus録音の時は69歳。やはり評には技術的に |
はVOX盤のほうが、などと書いてあったけれど、ワタシにはほとんどわからな |
かった。
|
|
どっちの演奏も音(こっちはずいぶん異なるんだが)も好きですね。 |
ラヴェル直伝の演奏という意識もなくはないものの、この自然体のラヴェルは |
ほんとうに何度聴いても飽きないし疲れない。 |
惜しむらくはNimbus盤は第1集がない。いずれ手に入れたいな。まあ、これ |
が結論ということになりますか。・・・というか、もう一枚揃わないと、記事にな |
らへんやろといわれると、グのネも出ん!(ハハハ)
(Nimbus盤の裏の写真なんて、ユーディ・メニューインにそっくり。 この鼻! |
気付いたんだけれど名前<真珠のお母さん?> からしてもどうやらそんな感
じですね)
|
|
でという意味ではありません)紹介しますと・・・
「優雅で感傷的な円舞曲」
あたりが文句なく、です。たぶんプロ(作曲家系、批評家など)はそうじゃない
と思いますが、こういう好き嫌いはどうこう言ってもしょうがない。
(この Nimbusの第2集には好きな曲が3つとも入っているのです・・・)
|
|
ドビュッシー、モーツアルトやベートーヴェンなどの録音もあって、聴いてみた |
い気もする。この方の弾くものでラヴェル以外で知っているのはショパンのみ。 |
ペルルミュテールのラヴェルが聴ける人は、たぶんショパンもいけると思いま |
す。(レコードがあったころよく聴いたから知っているのです) こんなふうに、 |
これ見よがしな演奏がほとんどないのに、これも(あるいはこれこそが)ショパ |
ンなんじゃないかと思わせるのは、コルトーの教えを受けたことよりも、このピ |
アニストがポーランド生まれであることも案外関係あるかもしれないな。 |
ま、普段 ショパンなどワタシはめったに聴かないのですけどね。
<本年のアップは、これでオシマイです>
|