休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ドビュッシー・ラヴェル 管弦楽作品集/ジャン・マルティノン 8-8

20220221(了)

DEBUSSYRAVEL ORCHESTRAL WORKS/JEAN MARTINON 8CD 8-8

【Disc8】ラヴェル管弦楽曲集4ー4 (52:05)

 左手のためのピアノ協奏曲 8:22/5:03/5:01
 ピアノ協奏曲ト長調 8:33/10:56/4:04
   ピアノ:アルド・チッコリーニ
 ツィガーヌ 9:53
   ヴァイオリン:イツァーク・パールマン
   <★★★☆>
  ジャン・マルティノン指揮
  パリ管弦楽団
  録音;1974年、パリ、Salle Wagram
 
  CD/クラシック/管弦楽/8枚組/Ⓟ1974・1975 EMI ⓒ2012 Warner Music Group
  /輸入/中古

 

このセットものの最後はやはりなじみ深い協奏曲3曲です。
 

左手のためのピアノ協奏曲

まだうんと若いころは、これが左手だけで弾かれているなんて信じられなか

った。一体どうやって・・・なんて思ったものです。ペダル込みの猛烈な技

巧!

ラテンのフレーヴァーだとは思うが、どこだとは言えない。ラヴェルとして
はドラマティックでかなり大仰な曲想。だったら、オケに対して左手だけの
ピアノソロは負けちまうだろうと思えるのに、実際はそうじゃない。
ただ、ここではちょっと印象が違う。オケのちょっとおどろおどろしいサウ
ンドに負けないような、録音上のバランスを選んでいる、まあつまりピアノ

の音像を大きめにしているということだ。コンチェルトの録音では当たり前

のこと。

でも、このCDではオケもCDもどちらもちょっと大きすぎる(殆ど物々しいに
近い)ような気がする。ワタシの聴きたい繊細さが乏しい・・・そういう面
があるのもわかるんだけど。各パートはわかりよく録られているよう。オケ
の編成を大きくしているんだろうか。
ワタシとしては、新鮮というより、珍しい、かしらん。いくつも聴いてきた
つもりなんだけどなぁ。
 

ピアノ協奏曲ト長調 

「左手」と似た印象です。つけ加えるなら、オケがちょっと締まらないよう

であることと、これ、言ってしまっちゃまずいかもしれないが、チッコリー
ニのピアノソロがそれ以上に、ピリッとしない。味やセンスがない、あるい
は技術的に物足りない・・・ 「左手」と似た、とはじめに書いたとおり。
実際はどこがまずい、とはっきり言えない、、、好きな曲だから、もっとち
ゃんと言えないといけないんだけど。
音の取り方、つまり録音のせいということもあり得る。
第2楽章はその点あまり問題がない。この楽章の後ろのほうの曲調(あくま
で曲調)は、映画華麗なる賭けで、M・ルグランが上手く使ったんじゃ
ないかと、ワタシは前々から思っています。(どうでもいい話)
 

ツィガーヌ

Tzigane(Rapsodie de concert pour violin et orchestre)

 Lento、quasi cadenza-Moderato
オケパートをこんなにちゃんと聴いたのは初めてかも・・・
もろにラテンフレイバーの有名曲。もっともワタシは好きな曲というわけで
はありません。
パールマンのヴァイオリンはちょっと乾いた音で録られていますね。リアル
な音と演奏です。
 
ということで、マルティノンの8枚組、聴き終わり。
ラヴェルよりドビュッシーのほうが評価が高かったというのは、少しだけわ
かったような気がします。
生真面目な演奏が、ドビュッシーのほうにぴったり合っちゃった。
それくらいの違いだと思います。

 

アップが少し遅れてしまいました。

思いついて追記・・・

一昨日、たまたまエリック・サティの伝記的なドキュメンタリー番組が、

NHK-BSプレミアムで再放送されていまして、つい最後まで観てしまいました。

これによると、気位が不必要なまでに高くて貧乏で、僻みや偏屈な面があ

るのと同時に、とても心優しい面を併せ持っていた奇妙な作曲家サティの

ことが、フランス人の演奏や踊り、語りを交えて描かれていました。

その中で、彼を友人として支えることが多かったドビュッシーのこと、あ

まりサティと接点は持たなかったらしいラヴェルが、彼の取り巻きであっ

た若い作曲家たちと共にドビュッシーに対抗するネタとしてサティいびり

をやったらしいこと、なんていう話が紹介されていた。ラヴェルの伝記的

なものは読んだことがあって、そんなことは載っていなかったと思うなぁ。

忘れたのかなぁ、、、知りませんでした。

ラヴェルにはやや精神障害的なものがあったことは知られている。つまり

発達障害人とのコミュニケーションについてはあまりスムーズではな

かったようなことも確か載っていました。ラヴェルに若い取り巻きがいた

ということはやはり記憶にない。

まあそれらが(穏やかに言って)マイナスに働いた可能性はある。

それはそれとして、サティをいじったようなことがあったとしたら、ラヴ

ェルファンとしては、ずばり、残念。(4/29)