休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

尾辻克彦/『ライカ同盟』 LEICA

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20181013(了)
尾辻克彦/『ライカ同盟』 LEICA
    はじめに
 カメラ小説集
   コンチュラ物語
   アンスコ物語
   ライカ同盟
 天体観測小説集
   ノバ・シグナス一九七五
   日食
   曇天
   1994年9月/短編小説集/講談社/単行本/中古
   <★★★>


このかた、おかしなひと。
尾辻克彦の名で小説書いて芥川賞でしょ?そのほかはほとんど赤瀬川源平
の名で、
大爆笑の『新解さんの謎』とか『老人力』・・・
(ワタシはある国語辞典の話『新解さんの謎』が一番面白がったかも)
美術系の学校の関係で、前衛芸術家やマンガ家( ^ω^)・・・
(お札を刷ったかなにかで、確か捕まったりもしてましたね、それって美術系な
かな、そうそう美術の本を読んだこともありますね)
役に立たない(役に立たなかった)という意味の‘トマソン’やいろんな人を巻
き込んだ‘路上観察’・・・
(まだまだあるけれど、そうしたことから実に様々な方々と交わって、そのジャ
ンルに踏み込んでみたり、関係した本を書いたりしている。それから、『新解
さん…』も存外この‘路上観察’の延長線上にある発想なんじゃないか)
『吾輩は施主である』なんて本で、屋根にニラを植えた家を建ててみたり・・・
そんな中に‘カメラ好き’とか‘天体観測好き’というのもあって、なんと尾辻名
義でそれぞれ3つづつ短編小説まがいのものを書いたというのがこれ。
このあと、尾辻克彦名義は使われなかったそうです。
この方の文章は、けっこうどうでもいいようなことがぞろぞろ出てくるんだが、
知らないうちに、なんというか、深いところに行きついているというような感じ
なのです。
もっとも、この小説集は、文章は意図的なのかなぁ、かなり雑な言葉遣いです
ね。それに、そんなにすごいところ(?)に連れて行ってくれるわけでもない。
つい罹ってしまった「カメラ病」(舶来中古カメラ)と「天体観測病」を私小説風に
ささっと書いてみたというふう。私小説風というより、ほとんどゲンペイさんその
ままじゃないのか。
ディレッタントのまま、中古カメラウィルスに‘罹患’してしまう、その経緯がくど
くど・・・ヘンに面白い。「我いかに中古カメラウイルスに感染せしや」
カメラ好きが読んで面白いかどうかはわかりません、ワタシは特にカメラが好き
でもないし、天体観測もそう。
でもビョーキと言えばまぁ確かにそうだ。
イカは一応知っていますが、コンチュラだとかアンスコだとかいった固有名詞
や、ステレオカカメラなどという言葉は聞いたこともなく、物珍しく読みました。
特にタイトルになっている『ライカ同盟』は、本領発揮とでも言いますか、ぬらぬ
ら、ヌタヌタした文章が続く。(え―・・・なんだいこれ、自慢話なんじゃないのぉ)
取り込まれはしなかったが、顰蹙の混じった可笑しみがずっと伴いました。

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結果、‘積読’が一冊減・・・
おや、この本、文庫になっているんだ。ふーん。
いたって好事家向きだと思うが、その好事家が案外多いってことか。
赤瀬川さんが亡くなったのは2014年でした。
その翌年(といっても3ヵ月後)に相次いで亡くなってしまった実兄赤瀬川隼
んの『白球残映』という直木賞作品はうすぼんやりですが覚えています。しみ
じみした野球小説・・・
さてさて・・・
MLBも大詰め間近・・・ そうそう、『シューレス・ジョー』(映画『フィールド・オブ・
ドリームズ』の原作で、野球幻想譚≒ほら話) で知られるW・P・キンセラの本
(これも野球もの)が‘積読’にありました。 MLBポストシーズンが終わった
ら寂しいからね、繰り上げてみようか・・・

10/29(月)
アメリカンリーグは今年もアストロズかなぁと思っていたら、レッドソックスが勝
ち上がり、かたやナショナル・リーグブリュワーズが面白い感じだなあと思
っていたら、ドジャーズが勝ち上がってしまった。
ワタシの予想って、たいてい当たらない。
でも、ワールドシリーズを制するのは・・・レッドソックス、じゃないかなぁと予想
したら、今日レッドソックスが勝ってこれで4勝1敗。当たりました。
ドジャーズのロバーツ監督の采配が裏目に出てしまったところが目だったかな。
日本のちまちました策が採れればもう少し戦えたろうに・・・、それがほとんどな
いのがMLB(大リーグ)だけど。ついでに言うなら、選手に対するリスペクトの
スタイルも相当違う。
・・・さらに言えば、キンセラの小説にあるような古き良き時代の野球――「私
を野球に連れてって」に歌われる‘Old Ball Game’――は事実上はもう無いと
思う。中南米系の選手が半分以上みたい(国籍がアメリカでない選手が多い)
だし、アフリカ系を加えれば、いわゆる白人系は3割もいるだろうか。詳しくは
知りませんけどね。
いま、日本では日本シリーズ真っ最中で、これはまだわからない。日本の野球
にはこのごろすっかり興味を失ってしまっていまして、まあ、ワタシの今年の野
球はほぼおしまい。日米野球なんて、別にどうでもいいです・・・
カメラ小説からずいぶん離れてしまいました。