休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

怪談/『猿の手』 W・W・ジェイコブズ

20251108(了)

怪談 2編

エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡』

 から

  2012年/短編小説集/文庫/河出書房新社/中古

猿の手W・W・ジェイコブズ柴田元幸訳)
  <★★★☆>
ジェイコブズ(1863-1943)はイギリスの作家で、労働者の威勢のいい口ぶり
という文体で、船乗りの冒険談など、たくさんの作品を書いた方だそうな。
この怪談は非常に有名なものなんですね。今回初めて読みました。
何かきっかけがあって探したら、ほとんど子供向きみたいな紹介がされていた
ものだから、うっちゃらかしていたのですが、またもやきっかけがあって、今
度は安いのを手に入れておいたというわけです。10数年前の、さほど古くはな
い文庫本。短編集、一種のアンソロジーで、この作品は20ページ弱。この文庫
以外にも集録されたものがいろいろ出ていました。
 
エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡」 というもの。ブラッ
クウッドやブラム・ストーカーなどのほか、ディケンズの名も入ってました。
編者のゴーリー(1925-2000)は幻想譚を中心に多くの作品を書いたアメリ
の作家だそうで、こちらも知りませんでした。

 

やや辺鄙なところに住んでいる3人家族。かなりの借金がある。 退役軍人の夫、
妻、長男。そこへ夫の元部下というのがやってきて、戦地か植民地でであろう、
手に入れることになった、干からびた猿の手を取り出して、請われてその来歴
などを、つまらん話だと言いつつ説明する。話しておいて、その猿の手を燃や

してしまおうとする。多分芝居だね。この手には実はとんでもない秘密があっ

た・・・ まぁここまでしか書けませんが、20世紀初頭前後の話なんでしょう、
表現は古臭い。でもシンプルで典型的な感じの怪談。ムードがあってよかった。
やっとこさ『猿の手』のお話がわかった。

 

●『八月の炎暑』 W・F・ハーヴィ(宮本朋子訳)
  <★★★☆>
もう一つ紹介しましょう。ほとんど掌編。文庫の解説者のお薦めです。いや、

違いました、薦めていたのはイラストのほうだった。

このハーヴィ(1885-1937)も英国のかた。

 
鉛筆画を生業とする絵描きが、思いついたものを描きとめたあと、外へ歩きに
出る。一時間も歩いたところで、大理石に字を掘っている男に出会うが、それ
が絵描きが思いついて描いた大男で、絵ではその男は裁判所でもって、被告席
で絶望を示していた。その男とそっくり。つい話していて気づけば、その男が
掘っていた名前が偶然自分と全く同じ。しかも死んだ日も書かれていて・・・
 
これも古風な感じの文章でしたけれど、ぞわっとした余韻がよかったですね。

 テレビで小泉八雲の連ドラをやっているのとは、全く関係ありません。
 気分転換です。
 「本の紹介」というつもりでもなかったので、これだけにしておきます。
 「ホラー」というよりは「怪談」という言い方のほうがしっくりきました。
 「読者の想像力を要求する」作品たち。
 イラストもゴーリー自身。