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| オナマタというアイオワ州のある町。20世紀の始めまではビッグ・イニング |
| という名で呼ばれていた。この町の名は、野球で使う言葉だけれど、どう |
| もそうではなく、インディアンのつける名前みたい。 |
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| お話の中心は、アイオワ野球連盟というものが何年間か存在したことと、 |
| なんとこの町へシカゴ・カブスがやって来て、1908年に連盟の中心選手と |
| メジャー・リーグ・チームとのエキシビション・ゲームがダブルヘッダーで行 |
| われたこと。(実はダブルにはならなかった!) |
| ところがどういうことなのか、そこがミステリーとしてストーリーの中心を担 |
| うのだが、連盟の存在や試合があったこと、記憶などが、まるで神隠しに |
| でも遭ったみたいに消えてしまっている。 |
| ただ、例外があって、神隠しも見逃したか、クラークという男が啓示のよう |
| なものを受けて気付き、彼の後半生をかけて調査をし、明らかにしようとす |
| る。 |
| 彼の後半生では解決しなかったものの、彼の息子への擦り込みは奇跡の |
| ように自然になされて、息子もこの調査に生涯をかける。 |
| なぜこんなことになってしまったのか。信じているのはこのクラーク父子だ |
| けなのか。果たしてこの話は本当のことなのか、真実と証明されるのか。 |
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| というのが第一章の印象なんだが、第二章では・・・ |
| まあ中心線はこの紆余曲折ではあるわけですが、作者のさまざまな空想 |
| が、なんというか、大爆発(大暴走?)する。 |
| 大切なのはある伝説のインディアンのカップルの経緯。 |
| とにかく、1908年のそのゲームが行われるところへクラークの息子が友人 |
| と共に大胆に時空を飛び越えてしまう。タイムスリップなんていうような生 |
| 易しいものじゃない。とんでもないスラプスティック状態に突入する。 |
| 実際に試合は行われたんだが、この試合、魔法がかかったみたい(とい |
| うのが大切!)にいっかな終わらない。一ヵ月も決着がつかず、40日、 |
| 千数百イニング続く。そして通奏低音みたいに合わせて続くのが雨・・・ |
| 果たしてどうなっちゃうんだろうというところですが、ま、何とかおさまるも |
| のなのですな。 |
| このハチャメチャの評価が難しい・・・点数ちょっと辛すぎましたか・・・ |
| そうそう、冗談みたいにルーズヴェルト大統領がやってきたりします。 |
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| 「シューレス・ジョー」(『フィールド・オブ・ドリームズ』)などを知らなければ、 |
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かなり奇天烈な野球小説ってことになるんだろうな。
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