このセットものの目玉は多分マーラーなんだろうなぁと思ってましたね。 |
でもここまでの3枚を聴いた限りでは、こんなに楽譜本意(その言い方で |
いいんだろうと思う)で、常套表現には頓着しないんだということ。 |
ほとんど知らないんだが、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーなど |
のドイツ音楽は案外相性がいいんじゃないか(≒まあワタシの好みに近 |
いのじゃないかというぐらいの意味だけど)という気はした。 |
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〈CD4〉 |
いやあ、本当に「楷書」ふうなのね。ホールトーンがもともと短めらしいこ |
ともあるかもな。ダイナミックレンジは大きいんだが、大音量時もワンワン |
響きかない。粘らない。時々、聴いたことがないような音がして、楽譜に |
忠実であるせいじゃないかなぁ、なんてんてね。 |
物足りないような、これでいいんだよというような、どっちとも言えない感じ |
は引き続いて持ったものの、CD2やCD3のようなマイナスにはなっていな |
かった。 |
思い込みかもしれないんだけれどさ、ユダヤ系は必ずということではない |
にしても、ことマーラーの音楽は独特の大仰さやねちっこさが身上の一つ |
だと思う。その感覚がない。さっぱり感のある美しく明るい演奏・・・ |
アバドの紡ぐ音楽は、どんなものでもたいてい、そうしたある種ニュートラ |
ル感が伴うんじゃないかなあ。その上には美的なセンスがあるんだが、ど |
うも個性不足という言い方につながりやすいんじゃないか。 |
一リスナーのたわごとです、赦す赦さないなんてどうでもいいことではあり |
ますが、なんとなく‘勝手言ってゴメンナサイ’。 |
突然、不向きだといわれた‘カラヤンのマーラー’、どう不向きなんだっけ? |
と、ちょっと聴いてみたくなった。(切実でもなし、叶わないだろうけど・・・) |