休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アバド シカゴ交響楽団 7/8 プロコフィエフ&ショパン

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アバド シカゴ交響楽団
ABBADO CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA

〈CD7-8〉
プロコフィエフ 1891-1953:
  (1)スキタイ組曲「アラとロリー」 Op.20 (1914)
    ①ヴェレスとアラへの讃仰 5:38 ②邪神チュジボーグと魔界の悪鬼の
    踊り 3:11 ③夜 6:11 ④ロリーの栄ある門出と太陽の行進 5:32
  (2)交響組曲「キージェ中尉」 Op.60 (1934)
    ⑤キージェの誕生 4:07 ⑥ロマンス 4:08 ⑦キージェの結婚 2:34 
    ⑧トロイカ 2:44 ⑨キージェの葬送 5:53
ショパン 1810-1849:
  (3)ピアノ協奏曲 第2番 Op.21(1829)
    ⑩13:49 ⑪10:03 ⑫7:27
       ピアノ:イーヴォ・ポゴレリチ
       録音:①-⑨ 1977年2月、⑩-⑫ 1983年? Tot.71:17
       <★★★☆>


やっぱりマーラーが中心だったかなぁ、などと思いつつラス前のCD。
毎日蒸し暑い日が続く。大阪府のこの辺りは雨が降りそうで降らない。
降ってもさっと霧吹きで拭きかけた程度。これからもしばらくはこんな感
じらしい。
ウチの欅と塀の外の欅では、毎日クマゼミの仰天の大行列が見られる。
そして見るたびに笑ってしまう。
子供のころの虫取りの対象の王者だったものが、これでは、まるであり
がたみも威厳もない。温暖化へもってきて、都市化によって固くなった
地面を苦にしないこの蝉が、都市に沿って北上してゆくのは、まあ自然
な流れだったんだろう。もう北関東から東北の南部へどんどん棲息域
を伸ばしているんだろうなあ。こいつらにはこの程度の暑さはむしろ快
適なのに違いない。津軽や下北のほうまで到達するのは、もうそう遠く
ないんじゃないか。
さーて、車の中の音場は好きで、よく聴いているけれど、ここんところは
夜、仕事の帰りぐらいかな。編成の小さなものでも昼間は集中が続か
ない。マーラーは苦行とまではいかないにしても、しんどかった。
〈CD7〉
(1)スキタイ組曲はたぶん初めて聴く。どんな物語なのか知らないが、
荒々しい。かなりのバーバリズム。4曲目なんぞ、カラフル極まりない音
の砂がザアーっとばかりに降ってくる感じ。
(2)は昔っから思ってたんだけどね、とても洗練されたオーケストラ曲
で、嫌いじゃないんだけれど、好きにもなれない、すっと通り過ぎてしま
って残らない。それは変わらなかったな。
でもこの演奏、実はとても見事。これだけ聴かせてくれる演奏もそうそ
うないと思う。
で、このCDのメインは(3)のショパンということになるんだろう。
通常であればこの曲を選ぶことはまずありえないんだが、組み合わさ
れてしまっているんじゃしょうがない。聴きました。
まずほとんど馬鹿にされがちなこのオーケストレーション。面白くはな
いけれど、様々な表現や工夫でもって、つまらなさを最小限にしてい
ると思った。アバドさんだけでなくシカゴ響の力もあったに違いない。
そして若き変人ポゴレリチのピアノ。
鋭いタッチとちょっと人工的臭さの繊細さ。この繊細さは女物ではなく、
男物のそれ。
表現意欲を存分に発揮した納得できる演奏だと思う。このコンピレー
ションには賛成できませんが。
                                      (7/30)