休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ツェムリンスキー/オーケストラと合唱の作品集 2-1

202201/30(了)

ZEMLINSKY;

         CORAL AND ORCHESTRAL

    WORKS/CONLON 1/2

(1)交響詩『人魚姫』 (1902-03)/44:23
  ①17:00 ②13:27 ③13:55                 <★★★★>
(2)シンフォニエッタ Op.23 (1934)/2:36
  ④8:21 ⑤8:22 ⑥5:52                   <★★★★>

  

  ジェイムズ・コンロン指揮/ケルン・ギュルツェニヒ弦楽団

  (3)デイヴィッド・キューブラー(テノール)
  (4)デボラ・ヴォイト(ソプラノ)、ドニー・レイ・アルバート(バリトン)
    デュッセルドルフ市楽友協会合唱団
  録音;(1)(2)1995、(3)(5)1997、(4)live 1996/以上ケルン
  CD/クラシック/管弦楽+合唱/Ⓟ&ⓒ 2002 EMI(現ワーナーM)/中古

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Alexander von ZEMLINSKY(1871-1942)
同じコンロン指揮で、叙情交響曲などが入って3枚組というのも見つけては
いたのですが、いつまでたっても安くならないので、これを手に入れてみま
した。コンロンではオペラを聴きましたが、このアルバムにある曲を聞くの
は初めて。(5)は多分曲自体を初めて聴きます。
このごろ、ツェムリンスキーを、個性不足で評価出来んというコメント(き
っと若い方やね)をつい読んでしまって、ちょっとムッとしたのです。自分
が好きなんだからそれでいいじゃないか・・・ほっときゃいい・・・と書き
つけてしまうワタクシメも結局幼いわけや。
聴くなら持っているCDで聴けばいいではないか。
そうなんですけどね、それを復習してみよう、ついては聴いたことのない演
奏で、という気になりました。(ハイ、くどいですね。年がら年中こんなこ
とをしながら年を取っていってしまうんだろうな。)
 
さらっといきましょう・・・といつも思うが、

 

(Disc1) 

(1)交響詩『人魚姫』

人間に興味を持ってしまった人魚の悲しい悟りのお話(アンデルセンの『人
魚姫』)を題材にしたもので、けっこう話も長いもんだから、この交響詩
3つに分かれていて40分以上ある。
第一楽章のやや暗めの幻想譚という感じが全体の基調だけれど、第二楽章は
晴れがましかったりロマンティックだったりと、厚みのある美しさがたっぷ
り。第三楽章はとても音楽だけでは伝えづらい難しい内容になると思うけれ
ど、それを繊細な表現で表わしている。傑作でしょう!ますます人気が出る
と思う。ワーグナーブルックナーのあとのドイツロマン派の系列でもって、
マーラーR・シュトラウスという巨人にも挟まれて、独自色なんか簡単に
造り出せるわけもない。それを考えれば、この一曲聴くだけで、いかに頑張
ったか分かろうと言うもんでしょう。
 
はじめて聴いたものより、オケの安定感がある。コンロンの指揮は、ギュル
ツェニヒ管のサウンド、ホールのノーマルな音、と相まって、とてもいい感
じ。この後の曲も期待が持てます。

 

(2)シンフォニエッタ

後期のもので、新しい潮流を意識しての作曲なんでしょうね。新古典にも、シ
ェーンベルクのようなものにも、あと一歩という感じ。なにかの亜流みたいな
言われ方をされることはない。「後期ロマン派」なるものの行きついたどん詰
まり、みたいな世界じゃないか。シンフォニエッタ、という言葉の軽さはない。
マーラーに似た音も聞こえるけれど、ドンマイ! むしろそこそこ重たい音楽に
なっているように思う。これも傑作!

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  (これはレコードのジャケットふうです。78とあるからSPです。

   ワインベルガーの前の名前、知りません・・・)