休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ボビー・ジョーンズ/ダウン・ザ・フェアウェイ

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20140415(了)
ダウン・ザ・フェアウェイ
DOWN THE FAIRWAY
  ボビー・ジョーンズ オー・ビー・キーラー著
  菊谷匡祐介訳
   発刊にあたって          小池一夫
   序                  グラントランド・ライス(1927/6/21)          
  第一章   幼年期
  第二章   オールドマン・パーの発見
  第三章   十四歳、州選手権に出る
  第四章   全米アマチュア選手権の壁
  第五章   プロたち、そして赤十字マッチの旅
  第六章   オークモントで二位に
  第七章   イギリスへ初めて遠征する
  第八章   セントルイス ― 選手権って何だろう?
  第九章   進撃 
  第十章   稔りなき七年の後に
  第十一章  最大の年
  第十二章  パッティング ― ゲームの中のゲーム
  第十三章  ピッチ・ショット ― 一つの謎
  第十四章  アイアン・プレー
  第十五章  大砲
  第十六章  さまざまなショット ― そしてトラブル
  第十七章  トーナメント・ゴルフ
   ボビー・ジョーンズの主な戦績表
   訳者あとがき
   1996年6月/スポーツ自伝/小池書院(単行本)/中古(1999年第3刷)
   <★★★★>
●ボビー・ジョーンズ(Bobby Jones、本名:ロバート・タイアー・ジョーン
ズ・ジュニア(Robert Tyre Jones, Jr. )、1902年3月17日 - 1971年12月
18日)は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ市生まれのゴルファー、
弁護士。                                  (引用)
たった25歳の時に書いた本が幻の名著扱いだというのには納得いかなかっ
たけれど、エッセイスト夏坂健さんの本の中にも、何度も出てきた跳びぬけ
た球聖だから、いつかは読んでみようとは思っていた。見つけたので、早速。
巻頭に出版社の代表氏の言葉がある。
   <発刊にあたって>
  ボビー・ジョーンズ。この不世出のゴルファーが著した“聖典”を、六十余
 年の時空を飛び超え、いま日本で刊行できますことは、光栄の極みであり、
 何ものにもかえがたい喜びであります。
  私がゴルフをはじめて以来三十数年、常に彼は崇拝の対象でした。本書
 『ダウン・ザ・フェアウェイ』を何度となく読み重ねていくうちに、彼をますます
 尊敬し、好きになっていったものです。
  彼は、実に多くのことを教えてくれました。ゴルフは“忍耐”のスポーツであ
 ること。苦しんだ思いは、自らの教訓として生かしていかねばならないこと。
 ゴルフを含めて人生はすべて“挑戦”であること。常に紳士たること。そして
 何よりも、生涯ゴルフを愛し続けていこうとの思いを抱かせてくれたこと。終
 生をアマチュアととして過ごし、選手時代も私たちと同じように週末ゴルファ
 ーであった彼は、トーナメント・ゴルフと違って、普通のゴルフは本当に愉し
 いものと語ってくれているのです。
  ボビー・ジョーンズを愛するひとりとして、ゴルフを愛するひとりとして、本
 書が永くゴルファーの座右に置かれることを心から願ってやみません。
                                         小池一夫
   一九九六年五月
どないです、このうやうやしさ!
1989年4月に金箔押しの皮革で表紙をくるみ、さらに金で縁どりした美麗ケー
スに収めて出したという、ゴテゴテの本として出たが、冊数が少なくて足りな
くなり、普及版で出直したというもの。(再発時の文章やね。)
ワタシ、記憶ない。その頃はまだゴルフ関係の本は読んでなかったかも。
金箔本、いったいナンボしたんやろ。
うやうやしさに気を取られてしまうが、上記文に結構たくさんの情報も入って
いるので、載せてみた。
聖典」ときたもんだ。
若い時というよりガキの頃から大きな試合に出ていた。多分南部出。ええと
この野球好きのぼっちゃん。
ワタシのような凡人以下のプレーヤーから見れば、天才以外のなにもので
もないけど、二十歳ぐらいまでは、品もよくなく、カッカしっぱなしだったよう。
もうかれこれ90年近くも前のゴルフといっても、見ればコースはなんのこと
はない、十分に長いし、クラブやボールのほうだって今よりよっぽど良くなか
ったのに、60台のスコアをボンボン出していて仰天ですよ、ホント。
だから寄せなどすごくうまかったんだろうと想像してしまうが、これが違って
いて、ブラッシー(2番ウッド)やなんとロング・アイアンが得意。パットはとも
かく、寄せは悩みぬいている。
  ※どうでもいいことですが、ワタシはゴルフを始めたころ、ドライバーがう
  まく打てないので、すこし角度がついていて安心感が持てる「ブラッシー」
  を、ドライバーの代わりに使っていた時期があります。思い出しました。
でもこの本の中で悩んでいるのは、そういう寄せや技術のことではない。ほ
とんど求道者。もう、えらい立派なんよ。
いいゴルフをしようというのももちろん大事で拘っているが、それよりもっとこ
だわっているのが「いいゴルファーになろう」としたこと。
1930年には28歳で、なんと年間グランドスラムを達成して、さっと引退しちゃ
った。アマチュアですよ!!! 週末ゴルファーですよ!!! この戦績ですよ!!!
その後もゴルフとは縁を持ち続け、コースも含めて「マスターズ」の母体を作
ったりしてそれも名高いが、仕事としては弁護士になって、そっちが主業にな
った。
この本は25歳!(1927年)の時に、友人の手助けも得て書かれていているの
で、28歳の大爆発のことも引退することも触れられていない。
全英オープンで2連勝(この年はあのセント・アンドリュース!)したり、全米
マチュアに勝ったりしている年。
たった25歳で自伝だと! 鼻持ちならない! なんてことになりそうだけど、そ
れがこんなふうに真摯、さわやか、清々しさ。
米国のみならず英国でもいまだ絶大な人気があるのはわかる気がする。
まだ読まれたことがないゴルフ・ファンには、是非にとお薦めします。
でもこの本あくまで球聖の25歳までのゴルフにおける伝記、考察、試合の
ことなどが中心で、読んだからってゴルフがうまくなるための秘訣は、わず
かしか書かれていない。ゴルフとはどんなものなのかということとボビー・ジ
ョーンズの人となりだけはおぼろげながらわかる、、、そんな本。
そうだ、ついでですが推薦本がある。アメリカの平凡なゴルフのツアープロ
の日常を描いて(ノンフィクションです)、めちゃくちゃ面白い本を紹介しておきま
す。何度目かになりますが・・・  (磯目誠一殿の推薦で読んだ。)
  フランク・ベアード他著 『プロ』 (東京書籍)
中古(ネットの)でなら今も手に入りそうですよ。気持ちとしては“返金保証”で
す。そんなことできませんが。それと、これも読んだところでゴルフの上達
は望めません。とてもいい気持になれるだけ。アームチェア・ゴルファーの
醍醐味。(夏坂健氏のエッセイ集、氏の没後ゴルフダイジェスト社で再編集
したの6冊も是非!!!ってね、ワタシ実は6冊目だけはわざと読まずに置いて
ある。)
戻って、、、今はどうやらゴルフダイジェスト社からちゃんと出し直しされてい
るようですな。最近、表紙の色が読んだのじゃないのを見つけたんですよ、
BOで。多分ゴルフダイジェスト社のものでしょうね。まさか、豪華金箔押しの
ものの中身だったりして・・・ 後年出版された『ゴルフの神髄』というのは、
技術系の記述が多いよう。すでに文庫版が出ている。(筑摩書房) ワタシャ
いまさら読んでも遅いという気がするなぁ。誰かが読め!!!と命令してくんなきゃ
読まん。
「マッシー」がわからないと思っていたら、注に説明があったので、載せてお
きましょう。(ワタシのメモ用です) ウッドクラブだけじゃなくて、アイアンにも
名前があったが、近頃では使われなくなってしまったという。
もっとも、今じゃウッドクラブも‘ユーティリティー’が多くなって、角度で言っ
たりするようになっているから、ほとんど死語のようなブラッシーだけじゃなく、
スプーン、バッフィ、クリークなんてのも、消えていくのかもしれないなあ。だ
いたいもう‘ウッド’じゃないし。ウェッジも角度で言ってるねえ、この頃。ワタ
シなんざ、そんなレベルじゃないから、関係ないけど。とまれ、、、
  *マッシー;
     現在の5番アイアンのこと。クラブの古い呼称は、ウッド・クラブでは
     今でもドライバー(1番)、ブラッシー(2番)、スプーン(3番)、バッフィ
     (4番)、クリーク(5番)と使われているが、アイアン・クラブの場合は
     ほとんど使われなくなった。かつての呼称は次表のとおりである。
     1番  ドライビング・アイアン
     2番  ミッド・アイアン
     3番  ミッド・マッシー
     4番  マッシー・アイアン
     5番  マッシー
     6番  スペード・マッシー
     7番  マッシー・ニブリック
     8番  ピッチング・ニブリック
     9番  ニブリック                           (引用)
 
YouTube にはご本人のレッスン映像があって、こわごわ覗いてみたら、なん
のことはない、やっぱりというべきか、きれいなスイングでね。現在のプレー
ヤーたちと比べると若干の違いもあるけれど、いろんなスタンス、いろんなク
ラブで打ち分けるさまは“普通に見事”。
楽に立って、一定のルーティン、一定のリズム。バックスイングは必ず少し
インサイドに。最も変わっていたのはパターかな。これだけはものすごい
オープンスタンスでね、ボールの真後ろから見て転がし入れる感じだった。
まあ、パターのスタイルってのは誰でもいろいろ変遷させてしまうものだろう
し、その後も変わっていく可能性は大きいけどね。
  巻頭にご本人がゴルフの名だたるジャイアンツと一緒に写っている写真
  があるので、少しだけ載せるのを許してもらいましょう。
  3枚目(1920年)の背の高い人物はハリー・バードン(1870-1937、英。超
  ビッグネーム。今では当たり前のオーバーラッピング・グリップの考案・
  完成者としても知られている)
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