休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

池内 紀/『人と森の物語』

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20150310(了)
池内 紀/エッセイ『人と森の物語』
  ―― 日本人と都市林
 
    はじめに  緑の日本地図
  第一章   甦りの森(北海道苫小牧)
  第二章   クロマツの森(山形県庄内)
  第三章   匠の森(岩手県気仙)
  第四章   鮭をよぶ森(新潟県村上)
  第五章   華族の森(栃木県那須野が原
  第六章   王国の森(埼玉県深谷
  第七章   カミの森(東京都明治神宮
  第八章   博物館の森(富山県宮崎)
  第九章   祈りの森(静岡県沼津)
  第十章   青春の森(長野県松本)
  第十一章   クマグスの森(和歌山県田辺)
  第十二章   庭先の森(島根県広瀬)
  第十三章   銅の森(愛媛県新居浜
  第十四章  綾の森(宮崎県綾町)
  第十五章  やんばるの森(沖縄県北部)
          あとがき
          関連地図(緑の日本地図)
         2011年7月/エッセイ/集英社新書/中古
         <★★★>
(帯惹句) 日本では近年、「ふれあい」「こころ」「癒し」等の、どこか空々しいキャッチ
フレーズとともに、次々に新しい森が生みだされている。しかし、こうした自然回復の
営みは、はるか昔から、生活の必要性と、より密接に結びついた形で試みられてい
た。酒田の人々は、荒涼たる沿岸の砂地に、江戸時代半ばから南北四〇キロの松
林を作り上げた。ユンカーに憧れた成り上がり華族とその末裔たちは、地元の水路
事業を引き継ぎ、那須野が原の砂礫地を良林に変えた—。北海道から沖縄まで列
島を縦断し、土と森と人間を信頼した森づくりの実例を訪ねた、ドイツ文学者・池内
紀の新境地。
始めのほうでこそ、先生の肉声が聞かれるような表現もあったけれど、だんだん
講義っぽく感じられるようになっちゃったかな。
その森ができた理由や出来る経緯や現状などが柔らかく、でもけっこう詳しく紹
介されて行く。
たとえば第7章の明治神宮。「人工林にもかかわらずすでに自然林にひとしく、こ
れほど短い期間に、これほど大がかりな森が大都市に出現したのは例がない」。
90年前の、作られ方についても、他と同様しっかり講釈されているものの、永井
荷風のブラブラ歩き方のムードを引き連れて、人を食った感じもある。(そうでなく
ちゃ!) それでも「天然更新を基本とする造林思想のみごとな成果」なんだって。
先生の講釈はこの章に限ってはやや楽しげ。散策ついでの雰囲気がありあり。
たしかに現地には行っておられる・・・
先生、スラスラ読めたのですが、決して元気を頂けたわけでもないのですよ、残念
ですけれど。
大事な森のこと・・・  なんだか、肝心なものが書かれなかったみたい。
写真不足。先生の私見不足・・・
 
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