| ある種、コンピレーション本のよう。 |
| 目次の前にこんな文章を載せている。 |
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| この物語は不幸にしてシングルプレーヤーになった人々のためのも |
| のではない。 |
| 初めて100を切れた日に神様に感謝したプレーヤーに、コンペの前 |
| 夜は遠足前の子供のように眠れなくなるプレーヤーに、そして一度な |
| ず二度とゴルフなぞするものかとクラブを投げつけたプレーヤーのため |
| に書いたものである。 |
| ゴルフは絶望の繰り返しであるとは、プレーヤーならだれもが知って |
| いる。それでも私たちは、次の日曜日にはバッグを担いで近くの練習 |
| 場に出かけていくのである。 |
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| ゴルフに夢中になったことがある人の多くは(大半はとは言わない)、大体こ |
| うした状態になったことがあるんじゃなかろうか。それをまとめたようなこの |
| タイトルは、R・ダールの名作短編集からいただいたのだろうが、結果的にい |
| いネーミングだと思う。 |
| もっとも仕事関係でゴルフのラウンドは大変な数をやったが、好きじゃなかっ |
| たよ、なんて方々は宝の山にとりついていたのに、不幸としか言いようがな |
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い。よって、そんな方はここに出てくるゴルフ好きとは余り‘似ていない’のか
な。
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| ゴルフやりたし金はなし(仲間も不足)で、‘読むゴルフ’なるもので早々に |
| 代用させはじめたワタシにとって、代表選手は夏坂健さんのエッセイ。その |
| 他にもいろいろ読みました。 |
| 伊集院さんのものはTVで観たもののせいもあるのか、なんだかエラソウな |
| 喋り方に聞こえたのでずっと敬遠していたのだけど、古本で買いこんでいた |
| ものを、今回同窓会ゴルフの幹事になったのを機に取り上げてみたというと |
| ころです。短編小説集です。 |
| 長いね、前置き・・・ |
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| その前置きでなく、本の前置き的3篇でつかまれた。この説明付きの3篇は、 |
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どうもズバリ作者の経験そのものじゃないかな。
さて本編のほうです・・・
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| ・ |
| 出だしの第1話、第2話はグッときますねえ。恥ずかしながら落涙寸前・・・。 |
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やっぱりオレは‘似たゴルファー’なのかも、と思ったりなんかしつつ・・・
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| 第3話:魔が差した男にシュールなしっぺ返し |
| 第4話:コンペ前夜の眠れない男の、ある種幸せな大失敗。オモロイ。 |
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| 第5話:ここでついに不覚にも落涙。ゴルフの話なんかで泣くものかよ!と |
| 思われたあなた、ちゃんとここにいるんですから。 |
| リタイヤ後、一人ぼっちになったごく普通のオジンが、ある時なじみのゴル |
| フ場から招待状をもらう。自身の状況もあってしみじみと出かける。泣かせ |
| てやろうという魂胆が見えるような話の進み具合だ。ところがなんと、話が |
| ころっと変わちゃう。泣かされそうなのが裏切られて、さてどうなるんだ、と |
| いうと、これがやっぱり泣かされてしまうのです。ハハハ |
| あざといというか、うまいというか。 |
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| 第6話:世界的数学者、このかた実はゴルフが大好きなんだが、出会った |
| ゴルフ狂いの哲学者のスコアカードの打数のみを並べたものを見ても、 |
| 何の数字なのかわからないというすっとぼけたお話。わからないのも道 |
| 理で、この高名な数学者の普段のスコアというのが・・・ |
| 第7話:大工さんが気が狂ったようにゴルフに嵌ってしまう。仕事も断って |
| ばかりになり、奥さんに愛想をつかされてしまう。でも実はゴルフ狂いに |
| はわけがあった・・・ |
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| このあと辺りから、お話はうんと作り物っぽい感じが強くなった気がする。 |
| 著者氏が少々倦んだか、単純に発想が冴えなくなったか、残念だけど。 |
| 最後の第18話で、あるゴルファーのゴルフ人生の終わり、つまり人生の終 |
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わり、が描かれる。ひょっとすると、と思わせたものの、そうならず。
| 島地勝彦という作家の解説に気のきいた文章がある。少々長いが、それを | | 写してみましょうかね。伊集院の『HOME of GOLF』から引用しつつ書いてい | | るのを、さらにワタシが引用するわけです・・・ | | | 「ゴルフよ。この厄介なものにさえ出逢わなければ、私はもう少し謙虚で、 | | 慈愛にあふれた人生を得られたかもしれない。執事よ、私の柩の中に愛 | | 用のクラブたちとボールを入れるのを忘れないでくれ。天国で私の友達 | | やライバルが私の到着を待ちかまえているはずだから――」 | | ある日、スコットランドのリンクスのキャディが私に言ったことがある。 | | 「ゴルフはスコットランドで誕生して、アメリカに渡りダメになり、日本に行 | | ってさらにダメになった」 実に含蓄ある言葉である。 | | どうして日本人はいまだ親睦コンペのとき、6インチプレイスをお互いに | | 許しているのだろうか。一度ティーから放たれたボールは、そのボールの | | 運命のドラマを愉しまないとゴルフの真髄はわからない。バブル時代、日 | | 本人の成り金たちがゴルフの聖地、セントアンドリュースで6インチプレイ | | スやってプレイしたらしい。だからそれ以来、日本人にはプレイさせないよ | | うに、バロットというくじ引き制度を考え出した。日本人のティータイムは翌 | | 日にならないと決まらないのだ。これはわが日本人ゴルファーの身から出 | | たサビであるが、今からでも遅くはない。日本人のゴルファー全員がある | | がままの状態でボールを打つべきである。 | | ゴルフ好きだった昭和天皇は大事なことを仰っておられる。 | | 「ゴルフは素敵なスポーツであるとわたしは思う。なぜなら、ゴルフの審 | | 判は各人の胸のなかにいるではないか」 | | これぞまさに帝王学である。 | | 最後に『あなたに似たゴルファーたち』の上梓を祝い、得意のゴルフジョ | | ークを捧げてペンを置くことにする。 | | タイガー・ウッズも人の子であった。橋の下を多くの日々が流れ、タイガ | | ーも引退した。そしてまもなく死んだ。ちょうどその日、ローマ法王が逝去 | | された。死者の行き先を決める手続きに齟齬を生じて、法王が地獄に堕 | | とされ、、タイガー・ウッズは天国へ昇って行った。地獄の入り口でローマ | | 法王は門番に訴えた。 | | 「これは間違いだろう。わしが何者であるか知っておるのか?」 | | 地獄の門番は事務上の間違いがあったことを認めた。 | | 「猊下、申し訳ありません。タイガー・ウッズと猊下を取り違えてしまったよ | | うで御座います。この手続きを修正するためには時間がかかります。とに | | かく猊下、24時間はここにおいでください」 | | しかたなく地獄に一泊した法王は翌日天国に昇ることが許された。その | | 途中で法王は天国から降りてきたタイガーとすれ違った。 | | 「やあ、タイガー、これは手違いだったんだ。悪く思わないでくれよ」 | | 生前、女に対して百戦錬磨のタイガーは軽いアクビをしながら法王に答 | | えた。 | | 「猊下、少しも気にしていませんよ」 | | 「ところでタイガー、君は先に天国を見てきたろう。ちょっと訊きたいんだ | | が、わたしは天国に行くのが怖くてしかたないんだ」 | | 「それはまたどうしてですか」 | | 「長年、わたしは処女マリアに会いたいと思っていた。しかしいざ実際に | | 会えると思うと――」 | | 「そりゃざんねんでしたね。一日早かったら、お会いできたでしょうに」 | | さすがはわれらがタイガーであった。 | | | 帝王学だなんて不遜な感じがするし、タイガーのジョークは下品以下――こん | | なん、かまへんのか!!!――なんだけど、笑ってしまったワタクシメ・・・ |
| | ※ | | 長くなりついでに・・・、10/27には予定通りゴルフをしてきました。 | | 21号と22号の台風のはざま、期待通り天気絶好。体調も良し。ゴルフ場 | | のコンディションも上々。スコアだけはいつも通り期待に背いてくれました | | けどね。 | | 年2回の、中学生の時の同窓会のゴルフ。今回は幹事でした。 | | もうクラブを始末してしまって、太極拳とカラオケに絞ってしまった人なんか | | はリストから外すしかないけれど、台風のために稲刈りがずれ込んでしま | | って行けないなんていう仲間、仕事が忙しく都合がつかなかったという仲 | | 間もいて、まだやれる人が何人もいるから、今回の参加人数は少な目だ | | ったけれど、もう少し続けられそうやね。地元ならでは。 | | 恩師はたった一人だけ。84歳になるところだという。素晴らしく力強いスイ | | ング! この年齢まで自分もできるかもしれないと期待させてはくれるもの | |
の、まあ無理でしょう。
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※
もう一つ。10/31(昨日)の新聞だったと思う。
のを見た。
まだ老け込む年齢じゃないけれど、あんな(人体の強度を無視したような)
スイングを続けるんじゃ、早晩の退場は必至だと思う。続けるおつもりなら、
過去の栄光は無視してもっと‘緩い’ものに変えないと・・・
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