| 20220413(了) |
| ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督//ティモシー・シャラメ/レベッカ・ファーガソン/ |
| オスカー・アイザック/ジョッシュ・ブローリン/ハビエル・バルデム/ |
| ステラン・スカルスガルド/ゼンデイヤ/デイヴ・バウティスタ |
| 音楽:ハンス・ジマー |
| 2020年/米映/SF/155分/DVDレンタル |
| <★★★★> |

| つい目について、新作だけど借りちゃいました。ドラマ自体とは関係のない、 |
| 映像その他のテクニカルな部分でごっそりオスカーをせしめてしまった作品で |
| あることは知っていましたので。 |
| デヴィッド・リンチ版は1984年ですか。今から見れば38年前!いやぁ、 |
| そんなにたってしまったんだ。スティングとかピーター・オトゥールの奥さん |
| とか、懐かしい。 |
| 映像技術から言えば、すでに「スターウォーズ」なんかからだいぶん経ってい |
| た割には、けっこうギトギトした奇天烈なムード(リンチだから当然かもしれ |
| ない)もあって、SFでもスペースオペラじゃない。それにありゃあ監督さんの |
| 好みにストーリーだって創作しちゃったところがあるんじゃないかなぁ。 |
| 今回のが小説寄りらしいのとは無茶苦茶違う。本作品の映像の感触は、どこか |
| 『メッセージ』だとか『ブレードランナー 2049』なんかの感覚や傾向と |
| 近い気がしました。それも、これぐらいできて当然でしょ!と言わんばかり。 |
| みごたえ、聴きごたえがありました。 |

| フランク・ハーバートの原作(早川の文庫)は5冊だったか6冊だったか、ス |
| ピンオフ的なものを除いて、本編は実は昔ひととおり読んでまして、スパイス |
| のことや、それによって青い目になって行くなんてことはけっこう引っ張った |
| 記憶があります。ワームだとか、ワームに乗ってあのでかいのを操るなんての |
| は、今回観ていて思い出したぐらいです。 |
| 文庫の表紙や挿絵(けっこう多かった)は石ノ森章太郎でした、確か。 |
| 岩場でストップするワームを見ていて、これ、うんと小ぶりにするとオモロか |
| った『トレマーズ」みたい、『トレマーズ』じゃ乗っかりゃしないか・・・ |
| もちろん大半は忘れています。今回のは原作でいうと、多分、最初の巻に当た |
| るんじゃないかな。 |
| 基本、ポール・アトレイデの成長譚なんだが、あちこちに「部族」「豪族」ま |
| がいが色色いる。「スターウォーズ」みたいだけれど、アトレイデ母子は高貴 |
| な血統ながら砂の惑星に流される。そんな中で、人物的にもギフト的にも抜き |
| んでた存在になっていくお話・・・。 |
| なんだか暗く「ぶって」いるみたいだけれど、そういうのも含めてワタシには |
| 楽しかったですね。 |
| ワームに乗ってこれを操るのは小説でも前作でもスペクタクルで、今回につい |
| ては最後にだけチラッとそんなシーンが見えました。ほぼ間違いなく次回作が |
|
あるということなんでしょう。 |

| そうそう、音楽は大御所ハンス・ジマー。チームとして付けたんでしょうが、 |
| さすが! |
| ヴィルヌーヴのものとしては『ブレードランナー 2049』でもこの方が携 |
| わっている。『メッセージ』のときのヨハン・ヨハンソンが早逝していなけ |
| れば、やはりヨハンソンを使ったのではないか。 |
| ワタシ、『ブレードランナー 2049』の鑑賞記でもきっと同じことを書い |
| てるでしょうね。妄想です。 |
| とにかくヨハンソンの書きそうな音楽が多分に含まれているものだから、あ |
| あした音が欲しかったに違いない、とつい思った次第。 |
| ジマーさん、ヨハンソンのサウンドをぐっと平易にはしているものの、サウン |
| ドの類似性は明らかで、上手いもんです。 |