20200414(了)
映画『ファースト・マン』
デイミアン・チャゼル監督//ライアン・ゴズリング/クレア・フォイ/
ジェイソン・クラーク/カイル・チャンドラー/キアラン・ハインズ
音楽;ジャスティン・ハーウィッツ
2018年製作/141分/G/アメリカ/原題:First Man
<★★★☆>
(映画.com.解説から) ・・・人類で初めて月面に足跡を残した宇宙飛
行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマ。ジェームズ・R・
ハンセンが記したアームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、
・・・アームストロングの視点を通して、人類初の月面着陸という難業
に取り組む乗組員やNASA職員たちの奮闘、そして人命を犠牲にしてま
で行う月面着陸計画の意義に葛藤しながらも、不退転の決意でプロジェ
クトに挑むアームストロング自身の姿が描かれる・・・
ニール・アームストロングの、月に記した第一歩をクライマックスにし
たドラマの再現映画。上記解説のイメージではなかったですね。
去年だったか、NHKでアームストロングの人となりがよくわかるドキュ
メンタリー番組を見たせいか、この映画にはいまいち興味がわかなか
ったのですが、つい借りてしまいました。
月着陸ミッションの船長―リーダーなのに、月への第一歩はアームスト
ロングさんだったのでしょうが、映像に先に撮られているのはオルドリ
ンさん。それは、単に降り立ったオルドリンを撮影していたからという
理由だったなんて、ね、印象深い。大体のところ、そのドキュメンタリ
ー番組と同じような印象でした。アームストロングさんの性格そのまま
に、地味な映画。亡くした娘のことをくよくよ思い詰めていたことはど
うだったか覚えていないのですが、それ以外は、政治にはしばしば翻弄
されながらも、派手な野望や名誉欲はなく、ストイックで我慢強く頭も
いいプロの「操縦士」であり続けた。
この映画で目新しいとすれば、奥さんや家庭の描き方じゃないかな。彼
女はドキュメンタリーではこんなにリアルに描かれてはいなかったと思
う。目力のある奥さん役は、どこかで見たと思ったら、『蜘蛛の巣を払
う女』だったのか。なかなかのものでした。画面は、もうSFとは言えな
い過去のものだけに、なんでしょう、メカなど落ち着いた調子のもので
したね。それから、宇宙の暗さがよかった。月の表面は近づくにつれて、
仄暗いがちょっと艶っぽくもある色調もよかった。あくまで、こんな感
じちゃうかなぁというもの。どうせもう見ることはできないんだから、
現時点じゃ、月の表面て、こんなもんやで。
不謹慎かもしらんが・・・ゴルフボールを打ってみたいというようなこ
とはチラッと空想したことがある。少なくとも、遠くへ飛ばせるクラブ
とサンドウェッジの二種類はね。スイングができること、スタンスが確
保できること、が条件やけどね。飛ぶんやろな―
音楽担当はチャゼル監督作品で組んでいるんですね。知らない方だと思
ってました。BGMに徹したものではあったけれど、なにやら独特のムー
ドが醸されて、実力派かも。地球から月に達するまでのものなんぞ、ど
こかヨーロッパふうなしみじみとでもいうような不思議な叙情でした。
もっとも、『2001年;宇宙の旅』で使われたハチャトゥリアンの「ヴァ
リエーションズ」ほどのあのこの上ない効果、とまでは行かないけれど
・・・