休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『Arc アーク』

20220726(了)

映画『Arc アーク』

 石川慶監督//芳根京子/寺島しのぶ/岡田将生/小林薫/風吹ジュン
 (音楽)世武裕子 (原作)ケン・リュウ「円弧」
 2021年製作/127分/G/日本
 <★★★△>

さほど遠くない未来の話。
17歳の女の子リナが生んでしまった子供を捨てる。その後、彼女は偶然、
化粧品会社の「ボディワークス」というセクションに誘われて入社。
この会社、養老先生の本で覚えた言葉「プラスティネーション」をやるのね。
血液などの代わりにプラスティックみたいなものを入れて、体全体や部分を、
生きている時と寸分違わぬように見える状態に保つ。ご遺体の最後の格好の
決め方がふるっている・・・。
そのセクションのリーダーのような女の悩みをしり目に、リナは成長し昇進
して行く。
一方、、、ここからがうんとSFぽくなる。このプラスティネーションのやり
方を発展させた形で、開発された液体を注入(血液との入替)することで、
なんと、不死、あるいは不死に近い状態を作り出すことが可能となる。
この技術開発のリーダー的存在の男とリナが夫婦となるとともに、リナは不
死の女性第一号となる。子ももうけるのだが・・・

とストーリーはこの辺で止めておきますが、要するに人が不老不死になって
しまうって、どういうことよ!これって進化?それとも進化をやめるってこ
と?なんていうようなフォーシーム(直球)の設問なのですな。そしてこの
お話、結構、デジャヴ感がありました。
 
ワタシ、ケン・リュウのもの、何も「読」んだことがないもんですから、じ
ゃあ観てみようとリストアップしていたのです。レンタル屋で検索してみた
らたまたま在庫があったもんだから、借りてみました。
いまや、ネットでなら観られてDVDじゃダメというもの(このレンタル屋じ
ゃ取り寄せられない)が多くていけない。まだそうなるの、早い、もうちょ
っと遅らせてもらうわけにはいかんのかねぇ・・・
 
遺伝子やゲノム解析といった切り口からなら、売れた本もあって、「そらな
い、オカシイやろ」ということになるのでしょうが、そういう話じゃない。
ならば映画としての出来はどうなんだ、ということになる。でもねぇ、それ
がよくわからない。
科学物のイメージがほとんどなかった割には、わりと上手くストーリーに入
って行けた気はします。何を言っていることにもなりませんが、例えばNHK
好みのドラマ、なんて印象ですかね。
モノクロシーンの多用に文句も付けず、一応真面目に観ました。
原作の伝えたかったことは、みんな入ってたのかな、てのがつまるところ知
りたいという感覚です。(本を読めばいいじゃないか!って、むしがいいけ
ど、それはない)
 
音楽担当者は、引き出しの多い方のようで、ヨハン・ヨハンソンのような音
や、ミニマル・ミュージックなんかも挟み込んでいました。

猫だましい/ハルノ宵子

癌談議と猫談議

20220725(了)

猫だましい/ハルノ宵子

  2020年10月/エッセイ/単行本/幻冬舎/中古
     <★★★★☆>

病気(主に癌)と闘病(こら闘病やないやろ!という感じがいい)と病院にま
つわるあれこれを足せば、そりゃこの本の中のウエイトは高いが、まあここは

もう一方の動物の話・・・ 悩みに悩んで珍しく「クソ真面目」なところをち

ょっと・・・

 
   犬にも猫にもがんはあるが、圧倒的に犬の方が多い。特に歳をとったら、
  良性も悪性も含め、ほとんどの犬が、がんを持っているのではないだろう
  か。しかし本当に悪質ながんであることは少ない。どこの部位にできても、
  邪魔になるなら(そして体力的に耐えられるなら)、その都度取ることで、
  そこそこ歳相応まで生きられる。
   逆に猫のがんは少なめだが、多くの場合、猫伝染性白血病(F eLV)由来
  で、白血病を発症したり、(あくまで私の印象だが)キャリアの10匹に
  1匹位が、進行の早いがんになるように思える。白血病の場合も、それ由
  来のがんも、かなり治療は難しく、ほとんどの場合、1年以内に死んでし
  まう。この差って、どこで生じるのだろうか。
 
ムムム・・・そうなんやね、知らんかった。

 

この方、あの思想家で詩人の吉本隆明の娘さん。妹は吉本ばなな。漫画家&エ
ッセイスト。河合隼雄先生にも同タイトルの本、あったよなぁ・・・
 
帯の裏側のほうから・・・
  乳がん、大腿骨骨折による人口股関節、大腸がん・・・・・・。
  自身の一筋縄でいかない闘病と、両親の介護と看取り、
  数多の猫や大切な人との出会いと別れ――。
目次では2番目と3番目の間。大腸がんがひどいいたずらをする・・・

しつこいとは思いましたが、帯の裏のほうも載せたのは、こんな、驚天動地、
殆どトンデモ本の感想を上手く書けないと思ったから。
名だたる小説家さんの寸評でホントは十分なんでしょうね。
 
はじめは、猫のことが少な目だよなぁ、なんて思いつつ読んでいたのですが、
だんだん気にならなくなってきました。
『それでも猫は出かけていく』といったエッセイ集だとどっと猫が出てくる
んじゃないでしょうか。
そっちも読んでみたい気がしてます。それ読んだら、これはもう娘にあげな
きゃならん。 
 
  自らの闘病と
  様々な生命の輝きと終わりを
  等価にユーモラスに潔く綴る・・・
 
帯にある分なので重複ですが、確かに「等価」に描かれている。有名な親に
ついてもそれはほとんど同じ調子。
癌のことや、その他犬猫などの病気に関する知識も、いろいろいただいちゃ
った。
でもでも、このかたのような対応は無理ですって! ま、素敵な気休め。
笑って笑って、そして感服。先に読んだもの勝ち。
 
河合隼雄さんの同タイトル本、もちろんそっちを先に知っていたのですが、
これ読んで、河合先生のご本、霞んでしまいました・・・ゴメンナサイ。
 
ひょっとすると怒る人もいるかもしれないが、これ、お薦め!!!
 

 

つい最近、職場であるコミセンの一階男子トイレに、サニタリーボック
なるものが設置された。はじめはなんのことかわからなかった。
今はわかりましたが、困ってないうちは、こんなふうに鈍感なのです。

そのあとたまたまだけど、大きめの記事もタイムリーに出ました。という

か、それでわかったのです。(恥ずかし)

 
同じく職場に、、、こんなのも置いてあった。
病院の待合なんかに、いろんなビョーキのことが簡易に書いてあるものの一つ。
よくわかるし有意義ですが、このエッセイには敵わないんじゃないか・・・

 

クマゼミと秋の気配

8/21(日)

八月もこれぐらいになると、秋の気配っぽいものが感じられる。
ワタシのその感じの最たるものは、クマゼミの鳴き声で、午前中、まだ夢

うつつの時間帯に聞こえるそれが、遠く、まばらになったなぁ、と感じら

れること。

大谷選手のいるエンジェルズの試合を観るために、テレビのスイッチを入
れるほどには醒めていない、、、

 

朝昼兼用の食事の後、犬ころと散歩に行くと、クマ公どもの死骸の「変容」
の度合いがどんどん深くなっているのがわかる。

悪趣味かもしれないが、クマゼミの「死と変容」。リヒャルト・シュトラ

ウスの有名曲よりは、妙に清潔。カリカリに乾いてしまっている。

と、最中にこんなのを見つけました。

こんなのは初めて見た。メスの死骸(だと思う)をムカデががっしり抱

え込んでいる。

蝉は死んだばかりか瀕死で、乾いているはずはないのに、アリはたかっ

ていない。

どんな状況からこうなったんだろう、、、 寿命間近で落ちたのをムカ

デがたまたま見つけたか、木の上で寿命間近のよれよれのセミをムカデ

が掴まえ、もろとも地面に落ちたか。

 

でもまあこんな感じ。
これも秋の気配の内。

今元気なツクツクボウシ。ごく近所で見つけて撮りました。なんとも美

い。もっとも、これじゃまるで図鑑の写真やね。

横からも、と思ったら飛びたってしまった。
オス。

 

今日の散歩時、思い立って網を持って出たけれど、ボウズ。

ギンヤンマどもはワタシなどバカにしたように飛翔する。いっかな近づ

いてこない。ギンヤンマはいまは交尾中のものも多い。

じっくり狙えばチャンスは来るんだろうがなぁ、レンタル屋に返却に行

かなきゃならんし、そのあとは仕事だし。

先日(8/14)、オニヤンマを一匹捕らえたので、その時の写真・・・

待っていてくれたムスメと。

毎年こんな写真を載せてます。

 

一語一会」と題したコラム(8/18夕刊)に犬童一心(映画監督)さん

のことが書いてある。(聞き書きでしょう)

犬童さんがひいている言葉を言ったのは、ベテラン俳優山崎努さん。聞

いたのは2003年ごろだそうな。

「犬にとって散歩は、散歩じゃない。生きがいだ」

なんとなく記憶の隅にあるような気もするんですが、名言だと思う。

エエカゲンになりがちな散歩。できるかぎりこの言葉を意識すべし!

(散歩中、ずっとスマホしか見ていない人がいますな。ありゃ、ひど

い。

この監督さんは、『ハウ』というタイトルの犬の映画を撮って、8/19か

ら公開なんだって。

ヒンデミットの代表作とジョン・アダムズ

20220805(了)

日本センチュリー交響楽団 第266回 定期演奏会

(1)ヒンデミットウェーバーの主題による交響的変容(1943)

   Ⅰ.アレグロ Ⅱ.スケルツォ<トゥーランドット>、モデラート Ⅲ.アンダンティーノ Ⅳ.マーチ 〇

(2)ジョン・アダムズサクソフォン協奏曲(2013)

   Ⅰ、Animato Ⅱ、Molto vivo               〇

 (3)ヒンデミット:「画家マティス(1934)

     Ⅰ~Ⅲ                         

 
  指揮/飯森範親
  管弦楽/日本センチュリー交響楽団
  アルト・サクソフォン/上野耕平
  ザ・シンフォニーホール

ヒンデミットの最も有名な2作品と、その間にアダムズの協奏曲ですからね、
おお、楽しそう!と思わずチケットを頼んでいました。ま、ほぼ気まぐれ。
 
(1)Hindemith:Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria 
   von Weber 
こっちはワタシ、もともとあまり好きではなかったというか、ピンときたこ
とがなかったのですが、今回の生演奏でもそう変わることもありませんでし
た。どこもかしこも乾いていて、緩徐な部分でも湿気はほとんどない。この
作曲家は元来そんな感じだから、湿気のせいじゃありません。ハハ。
印象的だったのは、低音がドーンとこない、どこか薄っぺらい感じ。この曲
って昔っからそんな感じがしていたような気がすると思い出しました。
第3楽章や第4楽章では、その辺が薄れて、結構乗って聴けましたけどね。
 
2)J.Adams:Concerto for Saxophone and Orchestra
ミニマルはミニマルなんだけど、ポスト・ミニマルなんて言い方をされる作
曲家。ミニマルが、こんなふうに変容してゆくのなら、いいもんだ。
とにかく、とげとげしい現代音楽じゃなく、感覚的にはむしろ古いのかも。
アルトサックスが、ちょっと休憩する以外は、ひたすら早くて難しいモダン
ジャズのインプロヴィゼーションを楽譜に落としこんだような具合。参考に
したのはチャーリー・パーカー(「ウィズ・ストリングズ」らしい)やギル
エヴァンズ、スタン・ゲッツなんだそうな。
もっとも、オケはジャズバンド風じゃないから、ウィズ・ストリングズだと
いうのも一応はわかるが、それも正確じゃない。ある種の宇宙サウンドに似
オブリガートの音もあった。元が思い出せない。
アルト・サックスは指揮者の真横。大熱演だった。
変わっているのは、弦楽群と管楽群の間に、ハープ、チェレスタ、ピアノが
配され、ハープとピアノは特色ある音を出していたが、まん中のチェレスタ
だけはほとんど聞こえなかったなぁ。
 
(3)Hindemith:Symphony “Mathis der Maler”
生、多分2度目。
アンリ・マチスがネタでもこんな音にはなるまいが、このマチスはルネサン
スあたりの画家でしたよね、確か。それでこの音かい!と若い時から時々思
ったもんです。理由はいまだに調べたことがありません。
派手な音がなかなか勇ましくて若いころから好きでした。潤いのあるなしと
は関係ないと思うが、何故か一回聴いたら繰り返して聴きたい気にはわりと
なりにくい。熱烈という感覚にはならなかったのです。なんででしょう。
ヒンデミット独特のヴィオラパートの「優遇」(ご本人がヴィオラ奏者だっ
たからに違いないのですが)は、妙に印象に残りますね。
ヒンデミットとしても、新古典としても、最も人気の高い音楽だということ
はよくわかります。とにかくカッコイイ。今回もそう思いました。(若い?)
当分聴くことはないんだろう。
 
このオケ、上手だと思います。若い人が多いが、ソロなど立派だしアンサン
ブルも上品さの中に芯があり、力強さも十分。女性のブラスが何人もいて頼
もしい。元々は大阪府の楽団だったものが下野した(≒放り出された)格好

ですが、内情はどうなんでしょうねエ。

飯森の若様の音楽は切り口が鋭い感じで、いずみシンフォニエッタ大阪の時

と同じ。がんばってました。それにしても、日本のオケも上手くなったもん

です。

  交響楽団のユースのメンバーによるプレ・コンサートがありました。
  どこでもこういうのやるんや、、、
  誰の曲かわからないが、クラリネット五重奏曲。とーってもよかった。

  クラリネット4本とバスクラリネット1本という変わった室内楽。ちょ

  っと覚えたことがない感覚。

  パンフの片隅に作曲者と曲名だけ小さく載ってました。
    ロレンツ: 「カレイドスコープ」
  多分ミハウ・ロレンツ(1955- )というかただろう。いつか気が向いた
  ら調べてみましょう。

 

さて実は・・・今日は、名古屋の孫(小5)の発表会、じゃないな、コンサ
ートがあったのです。そっちはカミサンが日帰りでとんぼ返りの強行軍。
NHK関係なんだ、知らなかった。パンフの表紙と1ページ目を載せる。

立派な曲目じゃん。メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」と「イタリア」

そしてモーツァルトの「戴冠式」。いいねぇ。どれもワタシは好き。

それも、愛知県芸術劇場のコンサートホールで、なんて。

(まだ両親と同じ道に進むかどうかは決めてないんだろ?)

(カミサン、予定通り(?)本人にも息子夫婦にも会えず、あちらのご両親

 を見かけて挨拶だけはしたとのこと)

 

映画『スティルウォーター』

20220711(了)

映画『スティルウォーター』

   トム・マッカーシー監督//マット・デイモン/カミーユ・コッタン/
              アビゲイル・ブレスリン
  音楽;マイケル・ダナ
  2021年製作/139分/G/アメリカ/原題:Stillwater/DVDレンタル
  <★★★△>

オクラホマ州の町スティルウォーターがタイトルになっている。

どういう意味なんだろうと観続けることになる。町名なんかちょっとしか出

てこない・・・。

 
家族に犯罪ほかいろいろと迷惑をかけたらしい朴訥、武骨な50才台の男親が、
マルセイユの牢獄で過ごしている娘をなんとか救おうとフランスに渡る。
男の母親によれば当時大学生としてルームシェアしていた女性を殺した罪だ
という。刑期は9年で、半分ほど過ぎたが、まだ半分残っている。
仲の悪い父娘だが、刑務所で会うと、娘は自分が無実であること、手紙を書
いたから弁護士に頼んで犯人と思しき男のDNAを取って現場で採集されたも
のと照合してもらえばわかる、などと訴える。男は罪滅ぼしにもなるし、娘
の無罪も信じているから、言葉のわからぬマルセイユで孤軍奮闘、無力感に
さいなまれながらも礼儀を失わず活動開始する。
 
娘と死んだ女性は「カップル」だったらしい。
弁護士からはダメ出しを喰らうも、ひょんなことから知り合いになった舞台
女優とその娘(小学校の1年か2年生ぐらいか)と親しくなる。その小さい
娘になつかれる男。男の生活は、油田や建築業の作業員の経験を生かした肉
体労働的なもの。空いた時間はすべて娘の無実を証明することに捧げられる。
やがて、男は女優と娘の二人との共同生活を始めるのだが・・・
 
そんな感じです。これも前回見たのと同様ミステリー仕立てなので、この辺
までです。
なかなか捻った結末になっていて、ある種文学的(?)かも。決してわかり
にくいということはない。ワタシは面白かった。

「スティルウォーター」という町名のタイトルにはちゃんと意味がありまし

た。

引っかかるのは(決して悪い意味ではありません)、彼の娘の態度や表情が
性悪というだけでない、いかにも何か隠しているとか、不吉な雰囲気を発散
しているとか、まあそういった調子がやたらと感じられる点かな。アメリ
人ぽくなかったし、って、その言い方は曖昧だけど。意図した演出なのか、
役者のせいなのか、ずーっとわからないが、何かあるよな、と思わせられ続
けます。(実績のある女優さんのようで、ワタシ、何度か見てるんですね。
気付かなかった。そして、少し無駄に気を使ってました。)
 
音楽は知られたマイケル・ダナですが、特徴的というものじゃなかった。
 
たしか、絵などで知っているマルセイユはとても美しい町なので、その割に
は下町や暗部を見せられる。でもまあ古くてフランス第2の大都会なんだか
ら、こんなところもないわけがない。パリ同様、黒人や中東系の人種がぞろ
ぞろいて、これだって「普通」という感じでした。
  白人のフランス人が、黒人や中東の人種がいることについては5-6%
  ぐらいしか違和感を持っていないとか、最近の海外ニュースで言って

  ましたっけ。ホントかどうかはわからない。田舎と都会とでは違うだ

  ろうが、平均すれば、日本人よりはよっぽど「進んで」いるでしょう。

 

まだまだ虫の夏

8/14(日)

Nachsommerだっけ、「晩夏」。でも晩夏って感じじゃないですね。

 (A・シュティフターというドイツの作家のちょっと長めの小説にこのタイ

  トルのものがあって、昔、少し齧ったことがあります)

日曜日の休みは少ないので、のんびりしてます。

散歩はあとで。曇ってはいるのですが、暑い。

8/9に撮ってます。

今や猛烈な数のクマ公どもの死骸。といっても普段はこんな写真なんぞ撮ら

ないので、たまたま撮ったこれだけ。ひっくり返ったものなんかがリアルだ

ったろう。アップしてみる気になったのは、今日ののちゃん。朝日を取っ

ている人はたいてい見たでしょう・・・

圧倒的にクマゼミの死骸が多い。少しクマ公より時期的に後ろにずれている

アブラゼミのものより断然。でも今年はアブラゼミの数が盛り返しているか

もしれない。

ともあれ、転がっているやつは、事故にも遭わず、天寿を全うしたヤツラ。

(ん?この言い方でええんか?)

 

蝉の情報としては、ツクツクボウシの鳴き声を8月10日散歩中に初めて聞

き、その日散歩の終り頃、ハナミズキにとまっている一匹をたまたますぐそ

ばで見つけました。美しいオス。携帯持っておらず、撮れなかった。

小高い公園でストレッチ中、ベンチの向こうで柴犬娘は寝っ転がって待ってい

る。あれ?寝っ転がっているように見えへんやんけ。

ベンチにあるのは糞処理用の袋(二重)と小スコップ、それと虫網。皆さん、

糞用に立派な手提げ袋を持っているが、ワタシは軍手とこれのほうがいい。

 (関係ないが、夜の散歩者に糞を処理しない人が多いらしいのは、道路にば

  んばんごみを捨てる人・・・ああ、公園内の池でバス釣りをやりに来て、

  池にいろいろ投げ込んでいる奴らがいることも書きたくなった、これもひ

  どいのです・・・と似て、けっこう腹が立ちますね。まあ犬のウンチなん

  て、ほっときゃあ雨や虫が処理してくれるので、ビン・カン・ペットボト

  ル・プラスティック包装なんかよりはよっぽどマシなんだが・・・)

このスコップの背て604匹のクビアカツヤカミキリを潰した。すごい凶器

このベンチのすぐわきにあるのがクビアカの看板で、これは誰がやったのかひ

どく傷んでいました。写真は8月2日のもの。その後きれいなものに替えられ

ていましてね、市の職員が案外こまめにチェックしとるんや。

8月に入ってからは、公園内のあちこちに、別途三角コーンを使ってこんなの

が置かれています。

このハチというのは恐らくスズメバチでしょうね。そんなにいるもんかなぁ。

おととし、この娘が刺されて、けっこうあたふたしましたが、近くに巣でも

ない限り、あるいはよほどのちょっかいをださない限り、刺されることはま

ずないと思う、、、でも刺されりゃあ確かに大変。人だってショック死する

こともあるというし。

役所に強硬に進言した方(市会議員とかこの辺の名士なんか)がいてはった

んやろな。

 

捕虫網は時々持って出ています。セミはもちろん獲りません、ヤンマです。

今夏はギンヤンマにもオニヤンマにも網の端が触ったものの、捕えられていま

せん。

下手に触るとあちこちちぎれてしまったりするので気を使う。・・・なんてぇ

のは半分は言い訳。運動神経(と視力)がかなり鈍ったんやろな。ちょっと悔

しい。まだ時間はある。

8月5日のもの。細い草にとまっているウチワヤンマ。きたならしい藻の水面

からは30cmぐらい離れているのに、水面にいるみたいに見える。

これは狙いません・・・

クシェネク:ピアノ協奏曲全集 1

20220712(了)

クシェネク:ピアノ協奏曲全集 1

Ernst KRENEK(1900-1991)

  : Piano Concertos (Complete), Vol. 1 

(1)ピアノ協奏曲 第1番 Op. 18(1923) 30:24
  ①Ⅰ、5:37 ②Ⅱ、11:02 ③Ⅲ、3:04 ④Ⅳ、10:54
(2)ピアノ協奏曲 第2番 Op. 81(1937) 24:51
  ⑤Ⅰ、5:52 ⑥Ⅱ、6:28 ⑦Ⅲ、3:25 ⑧Ⅳ、5:07 ⑨Ⅴ、4:13
(3)ピアノ協奏曲 第3番 Op. 107(1946) 12:58
  ⑩Ⅰ、1:57 ⑪Ⅱ、3:49 ⑫Ⅲ、1:41 ⑬Ⅳ、2:42 ⑭Ⅴ、2:51
 
  ピアノ:ミハイル・コルジェフ
  指揮:ケネス・ウッズ/イギリス交響楽団
  録音:2015年9月、英ウェールズ、モンマス、ワイアストーン・コンサートホール
      (1)&(2)世界初録音 Tot.68:45
  CD/クラシック/現代音楽/協奏曲/Ⓟ&ⓒ 2016 Toccata Classics、London/
  /輸入盤/中古
  <★★★☆>

去年の10月に、ピアノ協奏曲の第2集のほうを聴いて、アップしました。
ストラヴィンスキーよりスタイルを変えた方で「カメレオン作曲家」なんて
言われたと書いている、だからこれだと「りスペクトが足りない」感じじゃ
ないか、とも。
今回は1920年台、1930年台、1940年台の作品が一つづつ。2重
協奏曲はなく、ピアノ一台とオケ。楽章数が多い。
 
NAXOSの紹介文>から : ジャズから十二音を駆使した作品まで、多彩な
作風を持つクシェネク・・・ バルトークプロコフィエフ、シェーンベル
ク、ショスタコーヴィチ作品にも匹敵する作品でありながら、これまでにほ
とんど演奏されることがなく、このアルバムに収録された3曲も、内2曲が世
界初録音というレアなレパートリーです。これらの作品はどれも十二音の技
法で書かれていますが、どの作品も技巧的で、ウィットに富んでいます。
1920年代から1940年代は多彩な作風が世の中を席巻していましたが、クシェ
ネク作品からもそんな雰囲気が存分に感じられます・・・
 
(1)第1番。ピアノソロから始まり、徐々に静かにオケが加わってくる。
第二楽章に入ると、民族色的な香りも少しするけれど、やっぱり、どこの国
だ、地方だ、というようなところはない、ヨーロッパの、どちらかというと、
ドイツを含めた東寄りの方かなあという程度で、いわば「絶対音楽」タイプ。
緩徐なところはなかなか可愛かったり甘ったるかったりするところもある。
短い第3楽章はちょっとアンニュイな調子のピアノ、オケは静かに合わせる
だけ。新しい感覚の領域に入って行きそうなんだが、、、
第4楽章に入ると、なんだぁ、古いロマン派の軽い調子の行進曲風。ちょっ
とだけ新しい和声を覗かせたりしつつも、「そっち」には進まず、古臭い調
子を交互に出して意地悪に遊ぶような感じ。可愛く静かに終わる。
 
でもどうでしょう、後期ロマン派の大作曲家の伝統を踏まえたお遊び的協奏
曲といった風情で、極めてテクニカル。かつ音楽的安定感、非常に高い。
これが23才の第1ピアノ協奏曲か。すごいんじゃないですかねぇ。
知らない人に、ブラインドで聴かせてあげたい。
 
(2)第2番は上記第1番の14年後。
サウンド自体は大きくは変わらないけれど、不安な調子が支配的。
暗くはないものの、沈潜した感じ⑤から、大戦前の危なっかしさを思わせる、
オイオイ大丈夫かよ、危ないぞ!といった調子へ⑥。ピアノが独白したりイ
ライラと喋り散らしたり⑦。オケが静かに戻る⑧ではようやくというべきか、

尖ったサウンドが現れる。

(Canon in der Umkehrung さかさまにしたカノン?

なんじゃこれは・・・) 精神的な混乱だろうか。最後はピアノのつぶやき
で静かに終ってしまう⑨。ま、勿論妄想です。
オケが全部鳴るというようなことはほとんどなくて、何か嫌な感じの精神状
態であることを、抑えて抑えて表現している感じがしますね。第1番のよう
な遊び感覚はない。新しい手法、技法なんてものも案外ない。ただし、この
サウンド自体は実は結構魅力的でした。(ひねくれてますけど)  
 
(3)強い打鍵で始まる第3番。これも5楽章あるけれど、時間的には2番
の半分しかない。
調性は、あったりなかったり、というものじゃないでしょうか。ワタシには
よくわかりません。ああ、おしまいのほうで、ピアノの弦を掻き鳴らすなん
てことやってましたね。ありゃ遊びでしょう・・・
バルトークの、たぎるような民族の血、あるいはそれに紐づく怒りのような
ものを、抑えて表現するとしたら、こんな感じかもしれないと思わぬでもな
いが、、、それも妄想。終戦の翌年の作ですからね、つい。
ピアノがよくしゃべる協奏曲である点は前の2曲とそんなに変わらない。
最後にやっとオケも騒いで終わりました。その感じがやはりバルトークっぽ
い気はしました。(かの『弦チェレ』の凄まじい最後を引き合いに出すのは
のは無茶でしょうが、実は連想してしまったからなのです)
 
派手なところのまるでない協奏曲集で、強い印象を残すなんてとても言えな
いとしても、ピアノのやや陰気なお喋りを、オケが控えめにサポートすると
いうのが、意外に好ましかったですね。
ひょっとすると大変な作曲家だったかもしれないと思います。それなのに、
こうだ!という言葉が見つからず、随分車中で流していました。気に入って
いるのにまとまらず、結局上記のような解説まがいになってしまいました。
こういう時は恥ずかしながら専門知識がほしい。
きっとオーケストレーション、上手い方だったんじゃないかな。管弦楽もの
などいろいろ聴いてみたい気がします。