休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 7&8/11

20210717(了)

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク

                  (7&8/11)

Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951):

  Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works

【CD7】 63:38
(25a)グレの歌 パート1 D1〜D11(1900~ )
    ジェス・トーマス(Te/ヴァルデマール)、マリタ・ネイピア(Sp/トーヴェ)、イヴォンヌ・ミントン
    (Ms/山鳩)、ケネス・ボウエン(Te/道化クラウス)、ジークムント・ニムスゲルン(Bs/農民)、
   ギュンター・ライヒ(語り)、BBCコーラル・ソサエティ、BBCシンガーズ、ゴールドスミス・コーラル・
   ユニオン、ロンドン・フィル合唱団男声メンバー、BBC交響楽団
【CD8】 64.:57
(25b)グレの歌 パート2&3 D1〜D9(~1911)
   ジェス・トーマス(Te/ヴァルデマール)、マリタ・ネイピア(Sp/トーヴェ)、イヴォンヌ・ミントン
    (Ms/山鳩)、ケネス・ボウエン(Te/道化クラウス)、ジークムント・ニムスゲルン(Bs/農民)、
   ギュンター・ライヒ(語り)、BBCコーラル・ソサエティ、BBCシンガーズ、ゴールドスミス・コーラル・
   ユニオン、ロンドン・フィル合唱団男声メンバー、BBC交響楽団
(26)4つの歌曲 op.22 D10〜D13 13:13
   イヴォンヌ・ミントン(Ms)、BBC交響楽団

 

   全ての指揮;ピエール・ブーレーズ
   録音;1974~1986年
   Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment/11枚組/現代音楽

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(25a)グレの歌 パート1 D1〜D11
(25b)グレの歌 パート2&3 D1〜D9 
  <★★★△>
浄められた夜」と「月に憑かれたピエロ」の間の作品で、ロマン派と無調の
間といったところ。つまり後期ロマン派に属する作品。実際全くその通りで、
実に濃厚。1911年完成。作品番号がついてません。
 ・・・テキストは、デンマークを代表する(略)ヤコブセンの未完の小説
 『さぼてんの花ひらく』のなかで、登場人物が語る長編詩『グレの歌』(ド
 イツ語訳F・アルノルト)からとられた。その内容は、デンマークで古くから古くか
 ら残っている言い伝えによっており、中世の王ヴァルデマール大王はグレ城
 の美しい乙女トーヴェを愛するようになるが、嫉妬する女王によってトーヴ
 ェは殺されてしまい、怒り狂った大王は神を呪い、天罰を受け、亡霊として
 いつまでも狩りをし続けなければならないようになるものの、トーヴェの愛
 の自己犠牲によって、救済が予感されてゆく――といったもの。若く美しい
 女性の自己犠牲による救済というテーマは、この「グレの歌」に限らず、他
 にも数多くの創作活動の分野で用いられ、名作が生みだされている・・・
                   (他のCDのブックレットから拝借)
声楽陣は語り手と5人の独唱者、それに4声3組の男声合唱と8声の混声合唱
加えて、最低150名を必要とする大編成のオーケストラ、というただならぬ
規模の作品で、まあ、いわば動きのないオペラ。
 
これが無調の「月に憑かれたピエロ」の直前に書かれたとはとても信じられな
いですね、だいぶん前にも書きましたが。
そしてこれもその時書きました。第1部と第3部が大分感じが違う。
事情があってオーケストレーションに時間がかかったり、中断しているうちに、
目指すものが変わってしまったとしか言いようがない。
 
第一部と第二部は、確かにワーグナーの息子であって、つまり後期ロマン派。
ワタシには、まぎれもない、濃厚なワーグナー臭だと思います。
マーラーR・シュトラウスの少し先を行く感じで、大オーケストラと独唱と
合唱による深い世界。
一方、第三部ではその臭いが大分消えている。ワーグナー臭さが消えた後期ロ
マン派。
好きでないシュプレヒシュティンメも出てくる(第三部、D-9)けれど、そう
長くなく、全体のサウンドも嫌いじゃない、むしろ好きなほう。それに、シュ
プレヒシュティンメから普通の歌唱にふっと切り替わるところなんざ、妙にい

けてます!そしてとても感動的なエンディング・・・ シェーンベルクらしく

なーい!

 
比較した演奏は、インバル/フランクフルト放送響のPCM録音(コロムビア)盤。
迫力に劣るわけでもなく、さすがに繊細で美しい音。ブーレーズ盤と違うとす
ると、よりオペラっぽく、面白いことに、なんだかオペレッタぽさとかウィー
ン情緒のようなものを、ふっと感じた気がしたことでしょうか。
でも、曲に対する感じ方に大きな違いはなかったようです。
結局のところ、音楽劇『幸福の手』やモノドラマ『期待』より出来上がったの
は遅いのだが、ワタシはこの2曲のほうが好きですね。
 
そうそう、CD4の最後に入っていたジェシー・ノーマンが歌う「山鳩の歌」は
第一部の最後の曲でした。気付いてませんでしたね。情けない気もするが、ま
あしょうがない、その程度の知識や記憶です。
 
(26)4つの歌曲op.22 D10〜D13 13:13
   イヴォンヌ・ミントン(Ms)、BBC交響楽団
  <★★★★>
このオーケストラルサウンドは絶品! そして歌のミントンさんも。
調性からは自由になっている感じなのが妙にうれしい。(こんな表現をしてし
まうことに、我ながら不思議な思いにとらわれます。)
大作の余白に入っているわけですが、「余白」用では勿体ないほど。
 
勘定しちゃいますねぇ、わかってます、ようやくあと3枚・・・

『アヘン王国潜入記』/高野秀行

 


高野さんとしては、リキの入り方が違う作品

20210801(了)

『アヘン王国潜入記』/高野秀行

 第一章 アヘン王国、ワ州
 第二章 手探りの辺境行
 第三章 アヘンとワ州
 第四章 ゴールデン・ランドの草むしり
 第五章 「アヘン=モルヒネ化計画建白書」
 第六章 白いケシと緑の軍服
 第七章 最後に残された謎
  エピローグ――ワ州と外部世界をへだてる壁
  あとがき/文庫版あとがき/主要参考文献
  解説 船戸与一
  2007年/集英社文庫/冒険~ルポルタージュ/中古//(1998年/草思社から単行本)
  <★★★★>

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民主派はイスラムロヒンギャに市民権を与えて、国外に逃れている人たち
も含めて多民族皆が国民の一員と認めようではないかと発言している。
世界の世論に訴えかけているのだろう。国内に反発もあるというし、当然軍
は認めるはずもない。ごく最近の新聞記事(6/30 朝日)で、割と大きな扱
いになっていた・・・

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   (上掲記事はもう、ちょっと古くなっちゃいました・・・)

 

こうした状況とはいささか違っている20年以上前のビルマだ。
今回の高野さんの突っ込みは、世界有数の麻薬のもとであるケシの産出国
に長期滞在しての突撃取材、という切り口。
事前調査も根回しその他の準備も怠りないが、それでも、かなり突拍子も
ない・・・
 

でもこの後高野氏はどう書いたらいいのか、いまいちまとめづらかったよう。

読後のワタシも、インパクトはあったのだが、感想文、書きにくい・・・

冒険家高野秀行さんは、この本こそが自分の(冒険家としての?)「背骨」
だと最終的にはのたまっている。

 

ゴールデン・トライアングルなんて、ぜんぜん知りませんでした。

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合衆国的で小民族の塊のようなビルマの中の、シャン州の中の州「ワ州」に
1995年潜入して、7カ月間、ある村で、村人と交わり、ケシ畑に関わり、その

草刈をし、アヘン中毒になり(ヘロインやモルヒネではないとはいえ、そこま

でやるか! これがリアルなのです・・・)、ワ州を抜けだす。

その一部始終を「え? え? え?」と言わされながら、読まされました。
このかたの本はいくつか読んでますが、たしかに、これ、リキの入り方が尋常
じゃないですね。この本は6-7ケ月間のことだけど、ビルマとのかかわりはそ
の10倍以上だそう。
なんでこの辺がそんなに?と思ってしまうんだけど、ほんとうのところ、よく
わからなかった。もっと大長編になるべきだったかも。
 
ビルマという国のこともいくらか理解ができた気がします。(理解できないと
いうことがわかるということも含めてね) 州内の州であり独立国でもあった
ワ州のことも。
でもどうやら、人は普通のようでした。
ただここ(ゴールデン・トライアングル)じゃあ、穀物や農作物を作るように
ケシを作っているという違いがある。それだけ。それだけ、と言っちゃいけな
いんだけれど、それだけ・・・
 
ビルマはもともと中国と縁が深く、そのことはいろんなところで出てきたけれ
ど、このころはまだまだ、結びつきは緩い気がする。このころだって、ビルマ
軍との関係が強いのだが、最近民主化をクーデターでひっくり返して半年たっ
た軍政権と中国はどうなんでしょうねぇ。やっぱり結びつきがあるんだろうか。
よくわかりません。お金、出してもらってんじゃないかなあ、そして実質的に
絡めとられている・・・ いやいやそれより、今やビルマの軍政権こそ中国を
「手本」としようなんて考えてるんじゃない??? まあ、大妄想。
最近の新聞じゃ、国連はともかく、欧米は、この軍政権はイカン!制裁だ!な
どと言っているが、ロシアと中国は反対。ロシアは軍備関係の商売(軍事技術
協力という)? そして中国は当然「内政干渉だから反対」。南シナ海のことも
新疆ウイグル自治区への大洗脳のことも、尖閣のことも香港のことも、そして
あろうことか台湾のことも「内政干渉」だ、これ以上つついてくるとただじゃ
済まんぞ!と凄む。「内政干渉」には反対に決まっている。ASEAN諸国もバラ
バラ・・・
 
話が飛びました。
村でのオフビート感いっぱいの生活を中心に、とても熱のこもった(≒強烈な)
ルポルタージュになっていると思います。
あとがきじゃあ、この本が売れなかった、評価もなかったと、少々恨みがまし
いが、その後はそこそこ読まれたんじゃないですか。自分から働きかけたよう
だが、翻訳もされたようだし。もっとも、外国が取り上げてくれたが、「色物」
扱いだったと、これにも不満たらたら。
 
毎回思うんだが、語学力、すごい。解説の船戸与一も驚嘆している。
さて、この続編に近いのが『ミャンマーの柳生一族』だそうな。リストアップ
はしていますが、いつか読めるでしょうか。ちょっと怪しい。
 
 
そうそう、国名のビルマミャンマー
日本のマスコミじゃあ、10年前ぐらいからミャンマーに統一されたが、どうも
本国じゃあ、文語だとビルマ、口語だとミャンマー、ぐらいの違いで、どちらも

正しいようです。だから当然若者はミャンマー。(ワタシなんざ、いつからミャ

ンマーに変わったんだ!と怒ったもんです。)

ちなみに、この本のときのワ州の村じゃあ、ワ州が国なんだからね、ビルマのお
金は使えず、「ビルマ」ってどこ? ぐらい自国のことが知られていなかったそう
な。今は、ワ州のワ軍は反政府勢力ではなくなってしまったようで、村でももう
ビルマを知らないなんてことはないだろう。ただし、ケシ畑は多分もうない。

 

ただいま現在は、この辺のニュースとしては、タリバーンがいよいよ首都を落と
そうとしているとか、入管で死なせてしまったスリランカ人のこととか、タイの
デモのこととかにかき消されている感じですが・・・
さっき、お昼のテレビのニュースで言ってました。
バングラデッシュ南東でもって、ロヒンギャの避難民に対して、コロナのワク
チン接種が始められたって。
55歳以上。国連主導。
ワクチンは――もちろんというべきでしょう――中国製だそうです。

 

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(また、サイン本だったみたいです。きっとホンモノ・・・)

『キングズマン ゴールデン・サークル』

20210730(了)

映画『キングズマン ゴールデン・サークル

 監督;マシュー・ヴォーン//タロン・エガートン/コリン・ファース/マーク・
     ストロング/ジュリアン・ムーア/ハル・ベリー/エルトン・ジョン/
     ジェフ・ブリッジズ/チャニング・テイタム/ブルース・グリーンウッド/
     エミリー・ワトソン/マイケル・ガンボン/ペドロ・パスカル
 音楽;ヘンリー・ジャックマン/マシュー・マージソン
 2017年製作/140分/英映/原題:Kingsman: The Golden Circle/DVDレンタル
 <★★★>

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<映画.com>解説から; ・・・「キングスマン」の続編。イギリスのスパイ
機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊
滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担
当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマン
に協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反
対の、コテコテにアメリカンなチームで・・・

 

 

悪役は、麻薬に仕込んだモノを盾に世界を(実際は米国を)脅すゴールデン・
サークルという組織で、人とのコミュニケーションが取れないくせにさびしが
る女ボス(ジュリアン・ムーア)が率いている。
キングズマンの組織は彼女にいきなり潰されて、映画はスタートするのね。
残党(ストロング、エガートン)がアメリカにわたって、ごたごたしたのち、
ステイツマン(ブリッジズ、パスカル、テイタム)と共同で謎の組織に対抗す

るため、かつての主要メンバーで現在は記憶障害治療中のエージェント(C・

ファース)の復活を期しつつ、行動を起こす。

世界中に麻薬使用者がいかに多くいるかってことから話は始まっていて、こう
いう形で米国や世界を脅迫することが出来るというアイデアは、案外リアルな
んじゃないでしょうか。
でも、基本的には漫画なのですね、この映画。
豪華なキャストと併せて、笑って観ることができました。
いそがしい「にわかナショナリスト」にとって、ある種の気晴らし、「気分変
え」みたいなことになりました。
もっとも、140分はちょっとね、長すぎかも。
 
音楽は、ハンス・ジマーのグループみたいなものに近く、おもしろさなんぞな
にもありませんでした。
どうせなら、せっかくだからエルトン・ジョン(演技してました・・・)にも
っと歌わせりゃ良かったのに。

 

ところで・・・

もう昨晩ということになりますが、閉会式を見届けました。
夕方ごろには、職場の仲間が、「オリンピック・ロス」だと、しんみりしてい
ました。なるほど、そんな言葉もあるんだ。ちょっとだけ同情しましたが、な
に、ワタシにはそんな感覚はありません。
そして、今日はオフクロが被爆して76年だか77年だかになります。被爆
帳、丁寧に使っているけれど、最近広島で交付されたばかりの方のとは違って、
もうとうの昔にボロボロ。作り直したいと言ったことはありません。

「ライナー/ウィーン・フィル」 オン・デッカ;

20210623(了)

「ライナー/ウィーン・フィル」 ;

      ブラームスドヴォルザークR・シュトラウス

 

【CD1】 44:44

ブラームス(1833-97);「ハンガリー舞曲」

  <★★★☆>

 ①第5番 (Parlow版) 2:30
 ②第6番 (Parlow版) 3:48
 ③第7番 (Hallén版) 2:09
 ④第12番(Parlow版) 2:20
 ⑤第13番(Parlow版) 2:01
 ⑥第19番(Dvořák版) 1:43
 ⑦第21番(Dvořák版) 1:11
 ⑧第1番(Brahms自身版) 3:19

ドヴォルザーク(1841-1904);「スラブ舞曲」

  <★★★☆>
 ⑨第1番 Op.46 4:14
 ⑩第3番 Op.46 4:25
 ⑪第8番 Op.46 4:25
 ⑫第10番 Op.72 7:06
 ⑬第9番 Op.72 4:38

 

【CD2】 39:05

リヒャルト・シュトラウス(1864-1949);

 ⑭ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら Op.28 14:49
  <★★★☆>
 ⑮死と浄化 Op.24 24:08
  <★★★★>

 

  フリッツ・ライナー指揮/ウィーン・フィルハーモニー

  録音;1960年6月(ブラームス&ドヴォルザーク)、1956年9月(R・シュトラウス)/
      墺/ウィーン/ゾーフィエンザール Tot.83:49
  CD/管弦楽/2枚組/ⓒ2012 Universal Music Australia/輸入/中古

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2枚組なので長くなりますが、いっぺんに載せることにします。
 
この録音はうんと若い時から知ってはいました。
そして、ハンガリー舞曲とスラブ舞曲はラジオでいくらか聴いたことがある
と思います。勿論覚えちゃいません。評価は高かった記憶があります。
R・シュトラウスのほうは聴いたことないと思う。これは、RCAの録音には2
曲とも含まれていませんでしたから、まあ、このR・シュトラウス2曲のため
に手に入れたようなものです。リマスターは成功しているでしょうか・・・ 
デッカのステレオ録音には、「ヴェルディ/レクイエム」なんてのもあります
が、それはとりあえずパス・・・ 今後手に入れるならRCAの何枚か、かな。
 
2枚の収録時間は合計84分弱だから、今なら頑張れば1枚におさまるん
じゃないの・・・
 
【CD1】
さて、通常は選んで聴くことのないロマン派の軽めの超有名曲の組合せ。
先に大雑把な印象(というか、全き妄想)を書きますと、猛烈に恐ーいマエ
ストロが選んだ自国と自国に由来する軽い2曲(抜粋)が、アゴーギクたっ
ぷり、かつ筋肉たっぷりに演奏されたもの。
 (Agogik;テンポやリズムを意図的に変化させる音楽上の表現のこと)
よくもまあウィーン・フィルがライナーの指示に従って演奏したもんだなあ。
それがね、なんというか、あまりに指示通りに演奏されたもんだから、楽し
いはずなのに、アゴーギクそのものまで妙に厳格に聞こえてしまう、みたい
な、ほぼ冗談みたいな出来になっている。
でもって、恐ーいライナーさんが目をギロッとさせたまま、ニヤッと笑った
(かのような)表情を見せたんじゃない?なんてな妄想を抱かせられる。
あくまで妄想です。どんなもんでしょう・・・
あのウィンナ・ワルツの独特のリズムの刻み方をやるウィーン・フィルだか
らって、ありゃ自発的なもんであって、こっちのは違う・・・

これでいいようなものですが、そうもいかないか。

 

 ブラームス(1833-97);「ハンガリー舞曲」;
「版」のことはもともとよく知りませんでした。ドヴォルザーク版というの
もあるんだ。
上に書いた「厳めしいアゴーギク」という妄想が強く感じられたのは、有名
だからということもあるでしょうが、①②と⑧ですかね。⑧はブラームス

身のオーケストレーションで、よく知っているものと違うような気がしまし

た。

 

 ドヴォルザーク(1841-1904);「スラブ舞曲」;
ハンガリー舞曲」よりはイジリは少なかったようですね。逆に楽しさのほう
は多い感じ。だって、ブラームスじゃないんだもの、ということ?
これ以上書くこと、思い浮かばないや・・・
 
 
木管の音色などはちょっと不満でしたが、おおむね良好な録音だと思いました。
もう60年台に入っていたのだから当然かもしれない。しかも英デッカなんだし。
 
それにしても、ウィーン・フィルは上手い。よくもこんな、ほとんどやりすぎみ
たいな指揮に合わせられるんだもの。

 

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   (若きR・シュトラウスと功成り名遂げた、ジジイのR・シュトラウス

【CD2】
シカゴ響とのステレオ録音(RCA)にR・シュトラウスのこの2曲がないので、
聴いてみようという気になりました。「ハンガリー舞曲」と「スラブ舞曲」はつ
いで、あるいはほぼ付録のつもりでした。

 

リヒャルト・シュトラウス(1864-1949);

ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら Op.28 

                                14:49

分かりやすい有名曲で、ワタシは大好き。ただ、よく知っている演奏は、かのカ
ラヤン指揮のベルリン・フィルでなく、これと同じウィーン・フィル(英デッカ録
音、多分1960年過ぎ?)のもの。高校の1年か2年生の時、友人と共同所有した
LP。なんとも魅力的なサウンドで、流麗且つパワフルでした。
R・シュトラウスの基本イメージはこのLPの演奏で出来ちゃったみたいなもんで
す。色々あることがわかるのは何年もたってからでしたね。で、、、
この演奏は同じウィーン・フィルなのに、ここまで変わるかというぐらいめちゃ
くちゃ違う。カラヤンのあまりのカッコ良さに比べれば、たとえば武骨。でも武
骨というのとも違うんだけどなあ。なんと言えばいいんだろう。
R・シュトラウスと演奏について話し合ったらしいライナーのほうが作曲者の意
図は汲んでいるだろうから、カラヤンのほうがむしろ自由な解釈に基づいている
とも言えそうだし。いい言葉が見つかりません。決してイヤだとか嫌いだとかじゃ
ありませんよ。でもまあ、手兵シカゴ響との録音(RCA)のほうが、音楽的には
スムーズというかこなれているというか・・・
それかあらぬか、独特の緊張感が漂っていて、まるでライブ録音みたい。
それが両者の関係を表わしている可能性は少なくないでしょう。
 
死と浄化 Op.24 24:08
これはあまり回数を聴いてこなかった曲です。死までの色々な出来事やじたばた、
そして死の用意ができた澄明な安らぎのある段階を経て訪れる死。
病弱だった作曲家が、だいたいそんな感じの自らのイメージを、24-5歳ごろ
交響詩にしちゃった。「ドン・ファン」なんて名曲は既に書いちゃってるもんね、
すごいヨ。天才は違う。
詩が先にあったのかと思ったら、なんと、曲を詩人に聞かせて詩を書かせたんだ
とさ。この作曲家は主だった曲はほとんど若いうちに書いちゃったが、けっこう
長生きもした。ちょっとシベリウスと似てるか・・・
で、死の間際に臨死を体験したシュトラウスは、この曲のアイデアが、実際その
とおりだったと言ったとか。さすが、なかなかの御仁です。
地味だけれど、この歳になったからか、いい曲だと初めて感じましたね。もとも
と有名曲ではあるけれど、名曲かどうかは、わからなかった。
 
録音に触れないわけには行きません。
『死と浄化』のほうではほとんど抵抗感はなかったのですが、『ティル』のほう
は派手な曲だし、あまりよくなかったですねぇ。木管のニュアンスに魅力が乏し
かったのと、低音(主にコントラバス)がモゴモゴ、ドローンとして締まらなかった。
まあまあのモノーラル録音のようでした。ステレオ録音のはずであるにもかかわ
らず、実際は音の広がりがほとんど感じられなかった。

毎度の虫のこと

8/3(火)

また虫の話で、お茶を濁します・・・

まるで子供やね。

7月26日と30日の写真をくっつけて。

 

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                (7/26)

写り、よくないんですけどね、これはクヌギで、緑色は苔のよう。

近ごろはこういうシーンがなかなか見られないのです。子供のころには

随分見たもんですが。たまたまクビアカウォッチャーしている時に、つ

いでに見つけた。こんな地味な集まりでもウレシイ。

ゴマダラチョウ(だと思う)とシロテンハナムグリと、ちょいとカナブ

ン。スズメバチもアブもヒョウモンチョウも、もちろんカブトムシやク

ワガタもいないのは寂しいが、しょうがない。

 

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                (7/30)

言わずと知れたタマムシで、今夏は3度目。よく見るほうです。

と思ったら、今日も見ました、4度目。

 

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              (7/30)

ワタシの目の前を横切って近いサクラの樹にとまったので、気が付いた。

変な形です。サクラの樹の一部みたいで、擬態も利いている。真上から見

ると、いたってスマートでわかりにくいものだから、わざわざ両側から撮

ってみた。

蛾じゃありません。ツノゼミ、アワフキ、ミミズクあたりか。1cmはあ

ったからヨコバイじゃない。ま、みんなセミの仲間。たぶんだけど、ツノ

ゼミの仲間じゃないかな。

 

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                (7/30)

なんだか間の抜けた写真。子供たちが蹴散らすまではおぞましいほどの

密度でとまっているので、毎年写真をアップしてきました。今夏はやめ。

それよりこの写真で珍しいのは、ワタシにとってということですが、ク

マゼミが交尾していること。ほとんど見たことがなかったように思いま

す。

 

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                 (7/30)

かわいい蝉殻。ニイニイゼミのやね。

意外に見つからないのでパチリ。

ニイニイが今年は例年より多い、って、最近書いたかもしれない。

 

セミついでに言えば、昨日はツクツクボウシを聞き、今日はなんとなんと、

ミンミンゼミを2コーラス聞いた。山に行けばありふれた声だが、この辺

では本当にめずらしい。その個体が繁殖はできないだろうという予測が成

り立ちそうなのが悲しいが、クマ公どもの煩ささに比べりゃ、実に趣があ

る。それから、クマ公は鳴くのはだいたい昼までだったのに、このごろじ

ゃあ、昼から夕方までも鳴く。時には夜も。温暖化による北上や増加に連

れて、なにやらアホになってきたみたい。

まれにヒグラシも鳴くが、今年はどうか。

 

オニヤンマの雄姿をしばらく見ていたら、ウチワヤンマがのんびりとテリ

トリーをチェックして回っていて、今夏初めて見た。これでいつも通り。

 

散歩のコースが3つしかなく、まあいつも同じだからでしょうが、「クビア

カウォッチャー業務」はぼちぼちおしまです。たぶん。

ほとんど見つからなくなりました。

今夏の戦果は485匹・・・

この夏だけですでにたくさんのサクラの樹が伐りはらわれたことを、知らな

いご近所さんが大半なんだろうなぁと思うと、、、町内の回覧版用に資料を

作成配布したくなります。

映画『COLD WAR あの歌、二つの心』

冷戦下のポーランドで恋に落ち、時代に引き裂かれたピアニストと歌手

20210723(了)

映画『COLD WAR あの歌、二つの心』

   パベウ・パブリコフスキ監督//ヨアンナ・クーリグ/トマシュ・コット
   2018年製作/88分/G/ポーランド・英・仏合作/原題:Zimna wojna/
                                                                                                    DVDレンタル
  <★★★>

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<映画.com解説>から;・・・冷戦下の1950年代、東側と西側の間で揺れ動き、
時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブ
ストーリー。・・・ポーランドの音楽舞踏学校で出会ったピアニストのヴィクト
ルと歌手志望のズーラは愛し合うようになるが、ヴィクトルは政府に監視される
ようになり、パリへと亡命する。夢をかなえて歌手になったズーラは、公演活動
で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会。パリで一緒に暮らすが、や
がてポーランドに戻ることに。ヴィクトルも彼女の後を追ってポーランドへ戻る
のだが・・・。
 
ほとんど始めに出てくる歌の歌詞が、“COLD WAR 2つの心、4つの瞳”と歌われ
るので、その辺からいただいての邦題らしい。
 

もっと象徴的な歌詞がやはり始めにあって、

 「わたしは領土とは結婚しないの、わたしは仲間と結婚するの」

という出だしだった。こっちのほうが近かったかもね。まあ余計なお世話です。
 
戦後すぐ、戦犯的な面も濃かったポーランドは、即、冷戦の真っ只中に放り込ま
れる。民主化などまだまだ遠い、そんな1949年頃から物語は始まります。
男は民族芸能の団体側のスカウト(ピアニスト、指揮者)、女はそれに応募して
きた訳あり歌手&ダンサー。
愛しあう二人の行く末は、まさに波乱万丈で、解説にあるだけではおさまらない、
いくつもの別れと再会の繰り返しの歴史。
 
音楽に関係したことがほとんどで、その中にはジャズ系のものが多い。モダンジ
ャズ。それがちょっと気に入りました。
特に、この映画全体のメインテーマと言える歌が、パリでだったか、まさかのジ
ャズチューンとして歌われた時は、ちょっと驚いた。

クラブではビリー・ホリデーの歌声(レコードによる)がちらっときこえた時も

あった。(これは時代としては当たり前かもしれないけれど)。

 
でもねぇ、これはラブストーリーもラブストーリー、完全に純愛ものだったので
す。そして実はもうひとつあるんですね、それは祖国愛。後者は最後にならない
とわからないんだけれど、これらがセットになっているんじゃなきゃいけないと、
1964年に、なんだか付け足したような感じになっちゃった。
「わたしは領土とは結婚しないの」という歌詞とはちょっと矛盾するかもしれな
いものの、通じるかもと思った。それでも、“領土”と国は違うかぁ、、、
 
エンドタイトル時にバッハの「ゴルトベルク変奏曲」が流れました。浄化作用の
ような面があるものの、超耳タコ曲。意味深な最後には合ってたのかもしれませ
ん。ワタシは否定的。バッハ苦手人間だからということもありますが、安直に過
ぎると思った。バッハ好き人間はそうは思わないってことになるかな・・・

 

モノクロの画面て、存外いいもんですね。

 

オリンピック競技のゴルフを観ていました。3日目のおしまい近く。

松山英樹、がんばってます。しかし暑そう・・・

まあ全員プロやけど、世界35ヵ国から参加してるんだから、野球より

はよほどオリンピック向きかもね。

ワタシは年2の同窓会ゴルフが8月に決まったので、ぼちぼち少し打っ

ておかないといけないころ合いになってきました。雨は絶対嫌だけど、

カンカン照りも、どうもなぁ、ジジババにはきつい。女性の参加がある

かどうかはまだ知りませんが。

陽が少し陰ってきました。柴犬娘とそろそろ散歩に出ます。

フィリップ・サルド=ベルトラン・タヴェルニエ監督作品集

20210726(了)
フィリップ・サルド=ベルトラン・タヴェルニエ監督作品集

      LE CINÉMA DE BERTRAND TAVERNIER

      :MUSIQUES DE PHILIPPE SARDE

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 1. (未公開)L'HORLOGER DE SAINT-PAUL           4:22

     1973年/フィリップ・ノワレ/ジャン・ロシュフォール

   ①Generique   ②La visite

2. 判事と殺人者  LE JUGE ET L'ASSASSIN              17:49
     1975年/フィリップ・ノワレ/ミッシェル・ガラブリュ/イザベル・ユペール

      ③Le juge et l'assassin 

   ④Complainte de Bouvier l'eventreur, par Jean-Roger Caussinmon

      ⑤Pour le temps et pour l'eternite 

   ⑥Sigismond le Strasbourgeois, par Bob Morel   

   ⑦La commune est en lutte, par Jean-Roger Caussimon   

   ⑧Bal de nuit

3. (未公開)DES ENFANTS GATES                  10:35
     1977年/ミッシェル・ピッコリ/ピエール・パスカル/ミシェル・オーモン

   ⑨Paris jadis, par Jean Rochefort et Jean-Pierre Marielle

   ⑩Le petit couteau  

   ⑪Paris jadis

4. (未公開)COUP DE TORCHON                   18:43
     1981年/フィリップ・ノワレ/イザベル・ユペール/ジャン=ピエール・マリエール

    ⑫Coup de torchon(ouverture)

    ⑬Dans la chambre vide, par Isabelle Huppert 

    ⑭Ce soir on fete Munich 

    ⑮La java de la masochiste, par Stephane Audran

    ⑯Je suis mort il y a si longtemps

5. 田舎の日曜日  UN DIMANCHE A LA CAMPAGNE           4:09
     1984年/ルイ・デュクルー/サヴィーヌ・アゼマ/ミシャエル・オーモン

    ⑰Un dimanche a la campagne, par Marc Perrone

6. (未公開)L.627                           8:11
     1992年/ディデイェ・ベザース/ジャン=ポール・コマール

    ⑱L.627(suite)

7. ソフィー・マルソーの三銃士  LA FILLE DE D'ARTAGNAN       5:38
     1994年/ソフィー・マルソー/フィリップ・ノワレ/クロード・リッシュ

    ⑲Les oubliettes   

    ⑳Ave Maria

 

   作曲:フィリップ・サルド
   指揮:H・ロスタン、C・サヴィーナ、P・ナイト、H・ラビノウィッツ
   映画音楽/CD/2002年/仏ユニヴァーサル/輸入/中古
   <★★★>

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ワタシの映画音楽の聴き方の一つです。全て観たことのない映画の音楽です。
タヴェルニエ監督についても全く知りません。
ですが、サルドについてはいくつか聴いていて、とても品のいい感じ。小編成
が多いが、ある程度規模のあるものも書ける。まだまだ聴き足りないので、聴
いてみたいもの(例えば『テス』など)をリストアップはしていますが、高い

しね、順番が回ってこない。そんな中で、まあ安いから聴いてみるかと思えた

もの。

 
ここの主役級の役者の名ぐらいは知ってるんですが、振り返ってみると、フラン
ス映画というのも、案外観てこなかったですねぇ。屁理屈好きなくせに中身より
はセンスを重視したような作り、なんていう思い込みがワタシに強くあったと思
います。そのくせ、音楽はセンス重視のフランス音楽が大好きなワタクシメ。
 
そしてこのアルバムの音楽は、まさにセンス、ということになります。
映画を観てないんだから、当たり前ですがね。
それから、小編成が多いと書きましたが、ここじゃほぼすべてが小編成で、ソロ
楽器の選び方がやや変わっている。
もうひとつ・・・この監督さん、出演者に歌わせるのが好きみたい。それがねぇ、
ワタシは苦手。メロディなんかは素敵なんだけどなぁ。
 
 1. (未公開)L'HORLOGER DE SAINT-PAUL
①は太鼓系のリズムで引っ張り、ホルンがソロを採ったりする。②は木管が独
奏する弦楽四重奏ぐらいが規模で、繊細で優しい。原作はシムノンだそうなの
で、ミステリー系かサスペンスでしょう。特別な魅力はありません。
2. 判事と殺人者  LE JUGE ET L'ASSASSIN
③19世紀末の、精神異常者の殺人がらみのサスペンスもの。一通りのオケだ
が小さく、薄い弦がいきなりギコギコとサスペンスを鋭く匂わせるが、様々な楽
器が入り乱れ始め、濃い味。どこかクラシック風味で、いいですね。⑤悲劇的情
感の濃い楽曲。これなど小編成オケの魅力たっぷり。⑧エンドタイトルか。皮肉
や哀感の三拍子。好きとは言えないが、抗しがたいムードがある。
④⑥⑦は、Rの発音で強烈に喉を鳴らす歌でワタシは苦手なので、パス。
④の器楽部分やメロディなんかすばらしい。
3. (未公開)DES ENFANTS GATES               
⑨はコミカルなワルツの歌でデュエット。パス。⑩チェロ、アルトサックス、ソ
プラノサックスのトリオ。独特のムード。⑪は⑨の歌のメロディをピアノ、ベー
ス、ソプラノサックスとテナーサックスでもって奏したジャズ・ヴァージョン。
使い過ぎなければ、ワルツはいいもんです。⑩⑪は小粋。映画の中身は不明。
4. (未公開)COUP DE TORCHON                
ジム・トンプソンの原作というから、まあ変な話でしょう。無能な警官が正義に
目覚めて、犯人を殺し始める。 ⑫は調性が怪しくなりそうな弦のアンサンブルで、
不気味に始まり、打楽器がさらに不安を煽り、ブラス群がジャズっぽく盛り上げ
る。(序曲)と書いてありますね。⑬はユペールの歌唱、甘く軽い調子。⑭アコ
ーディオンやサキソフォン、トランペットなどにとっかえひっかえソロを取らせ
る、軽い調子の3拍子。皮肉っぽいもんだろう。⑮はオーダーンの歌で⑬と同じ
ようなシャンソン。⑯なんと言うことないワルツだが、メロディーがよく、不思
議にカラフルでいけてます。
5. 田舎の日曜日  UN DIMANCHE A LA CAMPAGNE     
パリ郊外で暮らす老画家のもとを訪れた息子と孫、娘等との交流を描いて、いろ
んな賞を獲ったものらしい。⑰これもワルツ。このアルバム全体にワルツが多い
ね。哀愁やペーソスといった感じの曲調。人の名が書いてあるが、これは多分ア
コーディオン奏者の名ではないか。
6. (未公開)L.627
麻薬取引を強引なやり方で捜査するパリ警察麻薬課刑事を描く犯罪ドラマだそう
な。⑱はアルバム中、唯一の「組曲」。
やや、曲調がとんがり気味なところもあって、、アルバムを通してもっとも聴き
ごたえがあるトラックじゃないでしょうか。特に、途中にある木管のアンサンブ
ルの音色は(そう長くはない、せいぜい1分半ぐらい)実に素晴らしい。このた
めにアルバム全体を聴きたくなりそう。
7. ソフィー・マルソーの三銃士  LA FILLE DE D'ARTAGNAN
日本公開は1996年。「三銃士」の後日譚で、老三銃士達とダルタニアンの娘が
活躍するコメディタッチのものだそう。
時代物らしく優雅。やはり編成は小さい。⑲は上品なオルガンがフォーレのレク
イエムのようなものを思い出させてなかなかよろしい。⑳はバロック室内楽
ふうに入り、ラテン語の宗教的な歌詞の合唱が、徐々にあたらしいリズムや楽器
編成に変っていく中で、それらに乗せて歌われる。(女声)ちょっとオシャレ。
 
 
結局ほとんど全部書きました。

ワタシがもっとも気に入ったのは『L.627』⑱、かな。冒険心の感じられる

突っ込んだ~とんがった音色。

あとは、少し前に聴いたアルバムや、ミヨーやケクランやタンスマンを聴くよう
には聴けないですね。
それに、歌が邪魔でした。
でも、やっぱりセンスの方。
先日、「サムライ」などを聴いた独特としか言いようにないフランソワ・ド・ル
ーベとはまた違った感覚ですが。
いつか、リストアップしているものが聴けるといいな。