休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『新 感染半島 ファイナル・ステージ』

20210611(了)

映画『新 感染半島 ファイナル・ステージ』

  ヨン・サンホ監督//カン・ドンウォン/イ・ジョンヒン/キム・ドユン
  2020年製作/116分/G/韓国/原題:Peninsula
  <★★☆>

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《映画.com》解説から ; 韓国で大ヒットを記録し、日本でも話題を呼んだゾ
ンビパニックアクション「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を描く
続編。・・・人間を凶暴化させる謎のウイルスが半島を襲ってから4年後。香港
に逃げ延びていた元軍人のジョンソクが、ある任務遂行のために半島に戻ってき
た。その任務とは、限られた時間内に大金が積まれたトラックをチームで回収し、
半島を脱出することだった。トラックを回収し、任務は順調かに思われたが、民
兵集団によりジュンソクたちはトラックを奪われてしまう。そんなジュンソクを
窮地から救ったのはミンジョン母娘だった・・・
 

原題は『半島』なんだ・・・

韓国は完全に孤立してしまい、国内は無茶苦茶な無政府状態になっている。

何度も例に出しているTVドラマ『ウォーキング・デッド』の世界で、暗く陰惨。
前作が新鮮だったので、その線を進めるのかと思ったら、もう一歩進めていま
した。まあ、すっかり見慣れた世界(!)だったものだから、中のドラマも表
現も残念ながら、規模感や新味(!)はありませんでした。
でも、いただきもの(例えば「マッドマックス」)があっちこっちに見られて
も、がむしゃら貪欲にエンタメに徹しているのが、いっそさばさばしている感
じで、安直さを嫌がる人もいるかもしれないとは思うものの、ワタシは別にく
だらないという印象は持ちませんでした。
 
その時の「世界」は、どんなふうな設定になってたんだろう。
設定があるなら、ちょっと聞いてみたい気もしました。
生存者にとっては、日本も避難先になっているような感じで会話に出てきまし
た。当然ながら、逃げ延びる方法がないわけですが。
そうそう、ドル札は、不思議なことに、まだ威力を保っていました・・・

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いたっていい加減に観ていたカミサン、なにか気になることがあったらしく、
観終わってワタシが離れてから、どこかを見直していたようです。どこら辺の
何をなのか結局訊きませんでしたけどね。
ところで余談です。カミサンに対して「あんたの顔認識ソフト壊れてるで」と、
ワタシはしょっちゅう揶揄してしまいます。むくれますな。テレビドラマなど
でとっかえひっかえ見ている脇役さんたちの顔をまるで覚えていないからなん
ですがね。ま、壊れているという言い方は正しくない。(お怒り、ごもっとも) 

主役や主役級の人以外の顔はほとんど見てない!という傾向によるのです。

 

 

クビアカをターミネイトする

6/18(木) 今年初のクビアカ

このところの散歩で、太いサクラの根元にたまるフラス(虫の出す木屑のこと
らしい)の量が、俄然増えてきたと感じてはいたのですが、今日なんか、「盛
大に」ぶん撒かれたようなところが多かった。

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    (これがフラス、ご覧になったことがある方も多いでしょう)

    (ここまでになったサクラは、もはや「時間の問題」なんじゃ

     ないですかね)

    (花見が好きな方なら、桜の樹も気になるでしょう? ぜひ気付

     いてほしいもんです)

 

と、思ったら、見つけました・・・

クビアカツヤカミキリ

(そう思って見るからなんだけど)「悪役」にしか見えんねぇ。外来とはいえ、
彼らには当然罪などあるはずもなく、あくまで人間の都合。
10日ほど前に薬剤散布しているオッサン2人とある公園で話をしたところ、今
年は何本切り倒すことになるやら、と言っていました。その時はまだフラスもさ
ほどではなかった。
でも穴に薬剤を散布したところで、樹の中の虫なり幼虫なりには、フラスが蓋の
ようになっているもんだから、どうせ届かない。これから取りつくヤツラには忌
避剤ふうの役にはたつと思うけれど、ということでした。
 
コースとして公園を2つ3つはしごし、並木道もあるから、相当数のサクラの樹
を毎日のように観ていて毎日変化を感じていたところ、今日はなにやらいつもと
違う、「こりゃいるな」という雰囲気で、つい樹の反対側もチェックしました。
一匹単独の個体と交尾中らしい重なった二匹の計三匹を、柴犬娘の糞処理用スコ
ップの背でもって叩いて、ミスなく2発で仕留めました。

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見つけたのも、ターミネイターのお仕事も今年初。
(ワタシのレベルじゃ大して役にも立たないが、それでも、今年は何匹殺すこと
になるやら・・・ なんかねぇ、タメ息出るなぁ)
去年のメモを見たら、最初の記述が6月21日。7月半ばぐらいまでで100匹

近くをターミネイトしてました。だんだん熱意が薄れていることも書いてました。

7月に入ってからのほうが多いようでしたね。

 
今日見つけたのは隣町で、公園じゃなく散歩道。その入り口には、「〇〇日から
××日まで、サクラの樹への薬剤散布を実施しますので、お迷惑をおかけいたし
ますが」云々、という市の看板が立っていたんでした。

 

ワタシの今日のカミキリの発見は去年より3日ほど早い。

見つけたら、やっぱりターミネイターになるしかないんだと思うと、気が重いワ。
サクラはともかく、花見なんてとんと興味がないし、夜にライトアップするサク
ラの花なんて、好きじゃない、むしろ嫌いに近い人間なんですけどね。(ライト
アップの桜、お好きな方が多いでしょうから、ゴメンナサイ、と言っておきます) 

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 3/11

20210602(了)

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 3/11

 Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951):

        Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works

【CD3】 68:33
(7)音楽劇『幸福の手』op.18 D1〜D6 
    ジークムント・ニムスゲルン(Bs)、BBCシンガーズ、BBC交響楽団
(8)管弦楽のための変奏曲 op.31 D7〜D18 
    BBC交響楽団
(9)浄められた夜op.4(弦楽合奏版) D19〜D23
    ニューヨーク・フィルハーモニック

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(7)音楽劇『幸福の手』; バス、合唱、オーケストラ/20:37
  <★★★★>
ある男の妄想をフルオーケストラと合唱を用いてドラマチックに描いた作品
で、非常に凝縮され緊迫感を孕んだ難解極まるもの。管楽五重奏とともに、
「尖った音楽」が好きな人には向いている、、、と、これはワタシの言葉じ
ゃない。でもまあそんなものでしょう。
もごもごとした出だしが、鬱勃たる妄想の始まりの序奏めいて、わが意を得
たりというか・・・オフクロのロクでもない妄想を連想させられて哀しいと
いうか・・・ まあオフクロの妄想の中身とは大分違うようだけど。
音楽劇でなく「モノドラマ」という訳もあった。
合唱まで入って、オケもデカく、妄想がどんなものかはわからないが、にぎ
にぎしい。にぎにぎしい、はないか。合唱の役割は、囃し立てられたり嘲笑
を浴びせられたり、の表現でしょうし。
ワタシにとっての魅力は奥行きのあるサウンドが中心ですが、でも、やっぱ
り素敵な曲だと思います。
 比較で聴いたのはロバート・クラフト盤。ブーレーズ盤の録音がものすご
く良くて鮮やかだったからということになるんだろうか、クラフト盤はまる
でモノトーンの別の曲のように聞こえた。決して冴えないものじゃない、や
や暗めの聴きごたえたっぷりの演奏&録音なんですけすけどね。
 
(8)管弦楽のための変奏曲
  <★★★★△>
上記『幸福の手』よりさらに魅力たっぷりだったのがこの変奏曲。
(5)の「5つの管弦楽曲」に書いたこととだいたい同じ。一つづつは短いし
ね。でも12曲と曲数が多いから物足りなさもクリア。
録音もいい。想像を掻き立てる深み、奥行き、カラフルさ。やっぱり映画をつ
い連想します。実際はこんなに書きすぎな音楽は映画には使えないでしょうけ
どね。
これって、無調なんですかね。ワタシにはなにか調性があるように感じられる
時があります。
 
(9)浄められた夜弦楽合奏版) 
  <★★★△>
六重奏版じゃあ、ほとんど物狂おしいといってもいいほどのロマンティシズム。
だからこそ死すら感じさせる。
対して、この弦楽合奏版では、聞こえ方がうんと柔らかく甘さが増し、一般的
なロマンティシズムのイメージに近い。なかなか厳しい音楽だし演奏もそうな
んだけれど、それでも、美化された感じは否めない。
スクリャービンの『法悦の詩』という交響曲がありまして、「死」じゃなく
「詩」だけど、このタイトルなんか、言葉としては近い気がします。曲はしば
らく聴いていないし、こっちはフルオケものだけれど、でもなんだか似たイメ
ージ。(スクリャービンのほうが8年か9年後なんやね)

リンドグレーン/『はるかな国の兄弟』

「はるかな国」って?

20210605(了)

アストリッド・リンドグレーン/『はるかな国の兄弟』

      A.Lindgren/BRÖDERNA LEJONHJÄRTA/1973
              大塚勇三 訳
              2001年/岩波少年文庫/中古
             <★★★>

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<ヨナタンとカールの兄弟は、楽しい生活を期待しながら、はるかな国ナン
ギヤラにやってきた。しかし、2人を待ちうけていたのは・・・、怪物カト
ラをあやつり村人を苦しめている黒の騎士テンギル。これを倒そうと、2人
は戦う決心をする。生と死、愛と憎しみ、正と邪との戦いを織り込みながら、
勇敢な兄弟の姿を叙事詩風に描いた作品・・・
 
どういう推薦を受けて手に入れておいたのか、もう忘れてしまいました。
これはネットでの紹介文だが、肝心なことは、ネタバレになってしまって興
趣を削ぐだろうということででしょう、書いてありません。
原題どおり「レヨンイェッタ兄弟」としなかったのはともかく、邦題にも苦
労したよう。
 
なのに、以下、大いにネタバレになってしまいます。
テーマは、強く美しい兄とひ弱な弟との兄弟愛。カルマニヤカとナンギヤラ
という二つの「死の世界」と、彼らの死までの(と、そこが書きにくいのだ
けれど)不思議ないきさつ。そしてその世界に巣くい村人を苦しめる黒い騎
士と、その召使的なとんでもなくでかい竜と闘うことになる、これまた不思
議な、テンポが感じられないスペクタクル。
  “えっ? 冒険譚? ・・・死んだんじゃなかったっけ?”
読み始めてしばらくしてからのワタシの感想の一つです。
リンドグレーンて、「長くつ下のピッピ」とか「やかまし村の・・・」とか
なら、ぽかぽか陽だまりのようなイメージと共に、一応知ってはいます。こ
っちはそこまでですね。それらとは別筋の作品らしい。
子ども用の言葉遣いがなされている訳文が、しっくりきたとは言い難い。
むしろ普通な言葉でよかったような気がするんだけどなぁ。
これらの世界を、わかる、わからない、なんて別に気にせず、ごっくり呑み
込んでみてくださいな、とでもいうんだろう、きっと。
 
ウーン、なんでまたこんなへんてこりんなものを読み始めちゃったんだか。
でもまあ、こちとら、死はさすがに近づいてきましたからね、ヘンテコリン
なんて言っておれないかもしれないが、孫にでもプレゼントするイメージで
考えてみて、どうなんやろう。
ウーン・・・孫にあげる本の候補にはならないだろうな。
大真面目に、孫の顔など思い浮かべながら考えたわけじゃありません。ほん

のチラッとです。

これをもってして書くのも憚られますが、徐々にフィクションから離れてき

たというか、めんどくさくなってきてしまっていることを感じます、自分の

ことです。

年齢とか、「終盤」へ差し掛かったことと、大いに関係があると思う。

 

まあそんなことはどうでもいいですね。
ともあれこれは「死の世界での冒険譚」という言語矛盾のようなお話で、作
者のダークサイドふうなものも見え隠れする不思議なファンタジー。子ども

も当然読めるけれど、記憶に残っても長く不可解なままになるんじゃないか

しらん。

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 2/11

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク  2/11

Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951):

                          Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works

【CD2】 65:24
(4)セレナーデop.24 D1〜D7 
      ジョン・シャーリー=カーク(Bt)、アンサンブル・アンテルコンタンポラン
(5)5つの管弦楽曲op.16 D8〜D12 
      BBC交響楽団
(6)ナポレオンへの頌歌op.41 D13
      デヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(語り)、アンサンブル・アンテルコンタンポラン

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  全ての指揮;ピエール・ブーレーズ
  録音;1974~1986年
  Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment/11枚組/現代音楽

 

                         20210528(了)

【CD2】
(4)セレナーデ;Cl、B-Cl、マンドリン、ギター、Vl、Vla、C、a deep Male Voice
  <★★★★>
セレナーデというと普通は、南欧でもって、夜に若い男子が女性の窓の下で、愛を
歌ったり奏したりすることで、多くの作曲家が使うタイトルなんだけれど、も
ともとは「夜の調べ」、翻訳は上手いもので「小夜曲」なんていう。
12音音楽の始めのころの曲として有名なようだが、愛の歌のようには聞こえ
にくい気がするね、どうでもいいことだけど。そう、そんなことどうでもいい
が、実に素敵。「愛」の不安を表現しているというなら、当たらずとも遠から
ず。
(1)の「組曲」と似たような小さいアンサンブルと男声(ここではバリトン)。
中でもギターとマンドリンが特徴的。やや厳し目の(1)よりはよほど柔らか
く、①や⑦の三拍子を始めとして、ほとんど「美しい」。まあ④のソネット
(歌入り)以外は皆、と言ったほうが早いか。
 
(5)5つの管弦楽曲
  <★★★★△>
奥行きのあるオーケストラ。サスペンスやホラー風味がたっぷりで、映画音
楽の作曲家がきっと参考にしたに違いないと思わせるサウンドだらけ。どれ
もこれもめちゃくちゃカッコイイ。皆短めなのが残念なほど。
もっとも、シェーンベルクは映画音楽では「わけあって」で成功しなかった
のでした。
 
(6)ナポレオンへの頌歌; 弦楽四重奏、ピアノ、Speaker
  <★★☆>
テキストはバイロンのものなので、英語。
無調ではあっても、12音ではないのかもしれない。その辺はワタシはトン
とわからないが、とにかく面白くないです。多分意味が分かっても。
(この手はもともと楽しめないので、興味はないが、録音がとてもドライ。
これも魅力を削いだ。このあと数枚聴いて時点でも、この曲の録音が一番よ
くなかった)

「ジョンレノンってだれ?」

新聞の緩く楽しいコラムです。

残しておくほどじゃないが、捨てるのも勿体ないという

気がしたので・・・

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  この筆者のものは時々読みます。

  これには笑いました。

  ワタシの子供たちの年代に近い方ですね。  

  ワタシもオジンになったんやなぁ。

  ともあれ、面白いのに、今はこのネタで笑い合えるヒト、周りには

  いません。

 

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  話は分かりますが、こういう経験は(勿論、と言うべきか)

  ありません。

  スゴイ!

  「国は‥‥」、ウーン。

 

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   そうか、桑名正博もここに並ぶようなアイドルやったんか。

   年齢が合わない気がしたが、桑名もそこそこ長く活動したんや

   ろね。もう、よう覚えてない。

   レコードはRVC(RCAビクター、その後BMG、今はソニー系か)

   で出ていて、一時期はそこそこ売れました。それは覚えてます。

   この記事の感覚は、ワタシにはほぼワカリマセンが、、、

   ワタシのほうがオカシイのかもしれない・・・

   でも、ワタシのアイドルって、誰だったろう、いたっけか・・・

   好きな年寄り(主に指揮者)ならいたんだけど。

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 1/11

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 1/11

Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951):          Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works

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                                20210526(了)

【CD1】 60:57
(1)組曲op.29 D1〜D4
(2)浄められた夜op.4(六重奏版) D5 
(3)室内管弦楽のための3つの小品 D6〜D8
   アンサンブル・アンテルコンタンポラン

 

  全ての指揮;ピエール・ブーレーズ
  録音;1974~1986年
  Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment/11枚組/現代音楽/管弦楽

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11枚の大物を釣り上げました。だからって、特に気張ってはいません。
もはや現代音楽というイメージの音楽でもないですしね。
それについちゃ、あまり読まないコメントに、割とぴったりくる言葉があった

ので、ちょっと使わせていただきますと・・・

 「現代音楽ではなく繊細なバロック音楽のように遠く懐かしい響きで・・・ 

   耳に届いてくるから不思議

これぐらいカッコイイこと、言ってみたいもんですね。悔しいですが、譬えと
しては、なかなか言い得て妙じゃないかな。そんな気がする。
シャカリキな鑑賞はしません。多くは聴いたことがあるものの、シェーンベル
クともなると、どうせロクなことは書けない。星の数は好き嫌いに徹して、ゆ
っくり味わい、楽しませてもらいましょう。
ブーレーズの「解釈」にも録音にも多分、言及はしない(≒出来ない)と思い
ます。

 

【CD1】

(1)組曲 ;クラリネット2,バスクラリネット,ヴァイオリン,ヴィオラ     

      チェロ, ピアノのための 

      /(ⅰ)8:36 (ⅱ)7:24 (ⅲ)6:04 (ⅳ)7:21

  <★★★★>
この感じ、好きですね。若い時には、好きでも嫌いでもないどころか、間違い
なく嫌いでした。こんな作品が若い時から楽に聴けるようだったらなぁ。
上に引用した「現代音楽ではなく繊細なバロック音楽のように・・・」の感じ
がピッタリの音楽。
まさにシェーンベルクの12音音楽。
 
(2)浄められた夜/六重奏版; Vn-2,Vla-2,C-2 /29:16
  <★★★☆>
全てを通して最も回数を聴いたに違いない曲でしょうが、弦楽合奏版のほうが
恐らく多いでしょうね。
CD3を聴いて、なんと書くことになりますか。若い時なら、断然弦楽合奏版に
軍配を上げたでしょうが、予想では六重奏版が勝ちそう。
デーメルの詩「浄夜」によれば、男女の語らいであって、かなり性が絡んでエ
ロティシズムも込められているはずだけれど、ジジイになってみれば死を嗅ぎ
つけてしまう。さぁて、どっちがしっくり来るか。ま、年齢による違いは大き
い気はする。この室内楽ヴァージョンのほうが雄弁で切実。激しくも哀切。
 
(3)室内管弦楽のための3つの小品 /計1:16
  <★★★△>
別に嫌いというわけでは全然ないのですが、3つともあまりに短い。室内オー
ケストラのための、とあるので、いろんな楽器が聴ける。凄味はあります。
でも結局、例えば(1)のいわばサンプラーみたい。
 
調性のある(2)と比べて、全く違う感触の音楽である(1)。
Wikiで《12音音楽》をちょこっとお勉強・・・
 ドデカフォニーDodekaphonie(ドイツ語)の訳語。1オクターブ内のすべ
 ての音,つまり12の音を同等に扱い,これを並べた音列(セリー)を基本と
 して作曲された音楽。音列は原形のままのほか,反行形,逆行形,反行形の
 逆行形,およびそれぞれ12の移高形が可能で,これらの音列を守って楽曲が
 構成される。この技法は理論化された無調音楽といえ,1920年代前半にシェ
 ーンベルクによって確立され,ウェーベルン,ベルクらに引き継がれて、現

 代音楽の大きな要素となった。彼らを総称して〈新ウィーン楽派〉または

 〈第2ウィーン楽派〉とも呼ぶ(〈ウィーン楽派〉は18世紀中葉の前古典派
 についての呼称)。なお1922年にウィーンのハウアーJoseph Hauer(1883
 ー1959〕も,体系の異なる十二音音楽の理論を発表している。
  →ミュージック・セリエル
まとめると・・・
   無調音楽を理論的に徹底化し、1オクターブの中にある12の音に平等の

   価値を与えるように組織的に作られた音楽

という感じですか。ワタシにはこれでも十分すぎるぐらいです。

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   アップはしましたが、まだ全体の三分の一ぐらいしか聴いていません。

   気温が高くなってくると、しんどいジャンルですから、ちょっと心配

   ですが、まあ気張らずに聴き進めます。