休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

また糞虫のこと、その他

10/5(月)

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昨日アップした記事の続きみたいなもんです。
イグノーベル賞もいいけど、うまい具合に糞虫が出てきて、しかも天の川
を見るなんて、いいなぁ。

スウェーデンのイグノーベル賞受賞の話。日本には糞虫はいるけれど、フ

ンコロガシはいないんでした。

日本の糞虫は天の川を参考にするんだろうか。
糞虫の本、子供用だけど、読んでみるつもりです。

 

ついでに、このコラムの興味深い記事です・・・

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感情の不思議は不思議のままでもよかったけれど、進化の問題なんかと絡

む前に、こんな話になってしまうと、うっちゃっておくわけにもいかない

と、えらく落ち着かない気持ちになる。
どういう文脈で出て来たのかはわからないが、最初の言葉はどうも大学生。
日本だけの現象じゃない気がする。
いちばんちいさい孫たちが成人する18年後ごろには、ワタシなんぞ生き
ちゃいないかもしれない、こんなくだらない緩い文章でものんびり書き続
けているならいいんですけどね、・・・ 世の中じゃあ、この記事がもっと
煮詰まった、のっぴきならない議論をやっている可能性は高そうだなぁ。
 
町内会の仕事が、コロナのせいもありますが、煮詰まってます。上記のよ
うな問題に比べれば、卑小なものですけどね。

本の記事、二つ

気まぐれに、本の記事を二つ。

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津村記久子さんのコラムです。
仕事に関する思索で、まあ理解できなくないと読み進めたのですが、最後
にビックリ仰天。予想できない本だったもんで。
誰がエルロイブラック・ダリア、あのダークなミステリー系小説を
思い浮かべますか、ホントにもう・・・

 

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確かに、中村さんと糞虫館のことは朝日新聞に紹介されたことがあり

ました。

今年はまだ「奈良歩き」していませんが、あの糞虫館にはまた行って

みたいですね。(引率されないと、よう行かんけど)

子どものころ、昆虫が大好きで、随分いろんな虫を観たり捕ったりし

ました。親がくれた小さい図鑑はボロボロになるまで眺めたものです。

今、犬の散歩をしながら、子供時代に見つけたものをまた見つけよう

とするのですが、丘陵地帯は今や完璧に宅地ばかり。管理された林や

公園しかなく、虫の種類が少ないですねぇ。ヘビなどもホントに見か

けなくなりました。

9月25-26日ぐらいまで、ギンヤンマがすぐそこの公園の池を徘

徊してましたが、さすがに10月に入ってからは見かけない。クビアカ

ツヤカミキリのことなんかほとんど思い出さないほど。

で、クソ暑い夏も終わってしまったし、、、ヤレヤレという人が大半

だけど、ワタシは寂しい。

このオッサン(中村さん)に興味を持った女性がいたこと自体が珍し

い。糞虫のこともたっぷり読めるんだろう。

子どもの本なのね。たくさんの子どもに読んでもらえたらいいな。

チワワは見ていた・・・

 

20200922(了)

映画チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密』

 監督・脚本・編集;ショーン・ベイカー//ドリー・ヘミングウェイ/
      ベセドカ・ジョンソン/ステラ・メイブ/ジェイムズ・ランソン
 2012年製作/103分/アメリカ・イギリス合作/原題:Starlet/
 <★★★☆>

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親と何があったか、飛び出して都会の片隅でポルノ女優をやっている若い女
仕事仲間である友人とその彼氏(大家)~との共同生活。思い立って部屋の
模様替えをすべく、ガレージセールで調度品などを揃えようとする。
安物をいろいろ買いこんだ中に魔法瓶があって、花瓶にでも使おうとしたら、
中から古い100ドル紙幣で計1万ドルほどが見つかる。気になってしまっ
た彼女は、売ってくれた老女に偶然を装って近づき、金のことを話すべきか
どうか、探りを入れるのだが、かたくなな老女は詐欺を疑ったりしてなかな
か打ち解けようとしない。繰り返し彼女が近づくので徐々に気を許すように
はなるのだけれど、老女は身の上のことはたいして話してはくれない。
彼女が押しかけて親し気を装う形で、老女の買い物やビンゴゲームや墓参を
介して、なんとか会話はするようになるのだが、、、
老女と彼女の友人のほかには、出ずっぱりの出演者がいて、それが、彼女が
飼っているチワワ。だからそのチワワ(オス)がみんな見ていたよ、という
ことでこういうタイトルにしたんでしょう。この邦題「チワワは見ていた」
のほうは作品に失礼じゃないかしらん、難しいとは思うけど。原題のStarlet 
は彼女が飼っているチワワの名前。このタイトルのままでもダメだけどね。
 
この作品の主眼は結局彼女と老女の関係がどうなるのかな、ということに
つきるんだけれども、それは最後になってもぼんやりとしか見えない。で
も老女が時々花を手向ける墓を彼女が最後に見ることになった時の墓石の
文字(言葉)と彼女の様子からは、二人の関係が前向きな暖かいものにな
ってゆきそうな感じ。一方友人との関係は、これもわからないんだが、い
い方向には進みそうもない感じ。
ま、予想だけどね。余韻にまかせてしまったみたい。
ポルノ女優の生活圏の人たちの、なんというか、いわば雑な生き方が見え
てしまう話なんだが、とても考えられた脚本と共に、低予算なんだろうが

丁寧に作られていて、こっぴどく殺伐としたものは漂わない。片や、老女

のかたくなさにアメリカの今を見るだけでも済ませられない、案外いろん

な見方ができる作品だと思いました。

それに、出演者たちが皆すごくいい。というか、すごくうまい。しっかり
した演出を施し、編集もいいんじゃないでしょうか。その辺の知識も観察

眼もろくにないワタクシメですけどね。老人の顔に馴染んできました。年

齢相応なんですねぇ。

そしてチワワ君。人間に引けを取らない(といってはナンですが)存在感。
撮影の苦労を想像したってしょうがない。見事に演技していました。なか

なかのものだと思いました。

 

久々のオーケストラライブ

ラヴェルドビュッシーもない、フランスもの三題 

20200919

 (1)サン=サーンス: ピアノ協奏曲 第2番

 (2)フォーレ: パヴァーヌ

 (3)グノー: 交響曲 第1番

 

   ピアノ:福間 洸太郎

   指揮:田中 祐子
   関西フィルハーモニー管弦楽団
   9月19日、15:00~ いずみホール

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  (会場で撮ったんですが、このチラシ、帰り道でなくした

   らしく、撮り直しできずじまい。面倒なので、そのまま)

 

地味なフランスもののプログラムに、なぜか惹かれて、即チケットを申し
込みました。躊躇しなくてよかったみたい。
もっとも、見つけた時点で、このプログラムは既に変更されていたようで、
サン=サーンスのピアノ協奏曲なんだが、もともとは5番だったのね。
ピアニストはそのままだったから、おそらくは2番のほうも弾いたことの
ある曲だったんでしょう。あとはそのままのプログラム。
そして変更の大きな理由は、指揮者オーギュスタン・デュメイさんがコロ
ナのために、日本に入国できないという事情があったからだそうな。フラ
ンスの事情か日本の事情かはよくわからなかったけれど、ソリストと指揮
者が出てくる前に理事さんが舞台上で説明やお詫びをしてくれたのでした。
 
指揮者の違いはたぶん決して小さくなかったろうが、曲の違いは、ワタシ
にはほとんど関係なかったですね。サ=サーンスのピアノ協奏曲はほとん
ど知らなかったので。
で、2番ですが、コロコロとよく転がる華麗なコンチェルトでした。ロマ
ン派に違いないけれど・・・ 軽いけれどいかにも楽しく聴き映えがする。
第1楽章のアンダンテが最もゆっくりで、第2、第3とどんどん早くなっ
て、緩徐楽章なし(こんなのもあるんだ)で駆け抜けて行く。
 
みんな知ってるパヴァーヌは、特に可もなく不可もなく。ちょっと分厚く
鳴り過ぎた気はしましたが、でも木管がよかった。
 
グノーは本当に久しぶりに聴きました。ワタシの目的もこの曲が中心。
メンデルスゾーンのお姉さんの影響が強いとかなんとか書いてあったんで
すが、確かにメンデルスゾーンに近いと思う。
1850年台の曲。メンデルスゾーンの6つ目の交響曲って言っても通るんじ
ゃない? フランスもののかわいい交響曲というと、ビゼーの若書きのもの
が妙に人気があるみたいだけれど、こっちのほうがよほどいい。なんて、
あまりいい比べ方じゃないけれど。
当然ながら指揮の田中祐子さんがやはりこの曲に、いちばんリキが入って
いました。
 
このオーケストラ、初めて聴きました。弦は普通かなあ。長男と奥さんが
かつて所属していたオケよりはよかったかも。
パヴァーヌのところでも書いたけれど、木管がどこででも安定してセンス
もいい感じでした。
 
グノーでオケ全体が強奏したときは、ちょっと混濁したかな。ホールが小

さめだったからかも。

ところで、ワタシは2階のバルコニー席でした。

客席は、舞台前の2列を封印し、3列目からは席を一つとばしにしていま
した。プログラム的には地味なものだったからでしょうか、ざっと7割が
ところの埋まり具合に見えたから、全体としてはつまり3割台しか入って
なかったってことになるんか。きびしいなぁ。
 
次はいつ生が聴けるだろう・・・

サントラ『エイリアン4』

OMPS; ALIEN RESURRECTION

20200916(了)

サントラ『エイリアン4』

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  ①-⑭
  作曲:ジョン・フリッゼル
  指揮:Artie Kane  
  オーケストレーション:Brad Dechter、Pete Anthony、Jeff Atmajian 他計6人
  CD/1998年/映画音楽/BMGジャパン/邦盤/中古 Tot.45:32

  <★★★★>

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                *1997年製作/米映/107分
               監督:J=ピエール・ジュネ//S・ウィーヴアー/W・ライダー/ロン・パールマン

 

随分前からリストアップはしていたんですけどね、今回やっと聴いてみる気
になりました。
映画としては前の3つより、ちょっと落ちましたからねぇ、それもあって随
分遅れてしまった・・・
 
一作目のJ・ゴールドスミスはホラームードたっぷり。これは映画の印象が
あまりにも強烈で、音楽もあの映像美にぴったりなもんだから、惹かれまし
たねぇ。ワタシは傑作と言っていいと思います。サントラは持っていますが
完全版じゃない。欲しいんですけどね、高い。
二作目はジェイムズ・ホーナー。真面目なホーナーが、戦争のような殺し
合いをド派手にバックアップしていまして、ゴールドスミスと比べるのは酷
というよりお門違い。でもこれはこれでよかった。
三作目はE・ゴールデンサール。辺境の星にある監獄という奇妙な条件下で
のグロテスクなホラーに、現代音楽作曲家がグロテスクなだけでなくひどく
神経にさわるようなチリチリ、チクチクとしたサウンドをつけて、これは一
作目にも負けない斬新さでした。
 
(先に書いちゃいますと、この4作のどれにもクラシックがちょっと使われ
ています。最も印象に残っているのは二作目に用いられたハチャトゥリアン
「ガイーヌ」の中の曲で、もう何度も書きましたが『2001年;宇宙の旅』
ですばらしい使われ方をしたものです。ホーナーさんもよほど印象深かった

んでしょう。始めと終わりに使っている。

この4作目では写真のようにヘンデルのオペラの中のアリア。

歌っているのはモーリーン・フォレスターという有名なアルト~コントラ
ト歌手。マーラー交響曲で知られる。で、このヘンデルの歌、映画の中で
はどうだったんだろう、、、、覚えてない。この曲自体は面白くないです)
 
この4作目は当時まだ若かったフリッゼル。『ダンテズ・ピーク』ぐらいし
か知らなかったし、溶岩ドロドロの音楽は、取り出して聴いてみたい音楽じ
ゃなかった。でも、今回のは、音楽を聴くのは当然本当に久しぶりなのです
が、ヘンデル以外は、力が入ったものでしたね。思いのほか面白かった。全
体の感じは二作目と三作目の間という感じ。一作目のサウンドも若干。
映画はさらにグロテスク(ほとんどゲテモノ・・・)な印象でしたっけ。
音楽はかなり激しく騒いだりもするんだけれど、べースには現代音楽っぽい
ものが随所に感じられて、言っちゃあなんですが映画より上質だったかも。
⑦⑩⑬あたりの騒ぎかた、特に⑩はすさまじい殺し合いの描写!こう書くと
誤解を受けそうですが・・・わくわくしました。
音楽の作り方としては、始めにシンセサイザーで書き上げ、それに何人もの
オーケストレーターでオーケストレーションを施し、更にその中へまたシン
セを様々に加えて行くというようなことをしたとかライナーに書いてありま
したが、編集作業などを加味するとエライ手間をかけたことになるんでしょ
うね。
でも、ひそやかな部分、不穏な部分、不快な部分も少ないがなかなかです。
その中には、ヤツラの気色悪い声のようなものとか、素早く動くときのカサ
カサというような擬音めいたものとかも含まれます。
ところが、ライナーによれば、一作目のゴールドスミスの2-3本のフルート
によるモヤーとした音楽を拝借していたところとか、大切なエンドクレジッ

トの音楽(これがよかったらしい!)とかが、このサントラ盤にはないのが

残念だという。

さもありなん。同感です。
CD用に録音し直したものなのでしょうが、オーケストラのメンバーや技師
たちの契約上の労働条件(時間)に収まらないので、収録対象から外したん
でしょう。この手の話にはもう慣れっこです。

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涼しくなったからでしょう、我が家の柴犬娘の食欲が俄然あがってきまし

た。

ワタシも、もう半ズボンはやめです。

彼女の散歩の前に、そそくさ・・・

 

いつものことで、そろそろ捨ててしまおうかと思っていた記事、読んでみて
その時の感覚が残っていると、捨てがたくて・・・
 
テレワーク、テレスタディ、リモート等々、それで済むものが見えてきたの
は悪いことじゃないんだけれど、それではダメなんだという部分が見えた
ことも大事で・・・という記事。

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これは、考えてみればずいぶんストレートな素材。

その先が大事なんですが、とりあえず、コラムの大きさとしては十分。

そこで、変化球、というわけでもないのですが、

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これも声。天「声」人語の声に引っ掛けたわけじゃありません。
話題になったニュースです。コラムの意味とも大きくずれますが・・・
このような店員、何人もいたと言ってました。ここでは男子だが、皆男子だっ
たような気がします。知りませんが。女子だと、なんだかこんなことはしな
いような気が・・・
ともあれ、「彼」は何か、客の注意をそらすべく、客と喋りながらポイントを
いただく行為をやったと考えるのが「自然」なんだろう。ついては、と、その
声が気にかかって、上の記事と繋がった・・・

いや、例えば目を見ながらしゃべってりゃあ、バレなかったかもしれない。




映画『パリに見出されたピアニスト』

「駅ピアノ」の先にこんなドラマ

 

20200912(了)
 映画『パリに見出されたピアニスト』
  監督;ルドヴィク・バーナード//ジュール・ベンシェトリ/ランベール・
     ウィルソン/クリスティン・スコット・トーマス/カリジャ・トゥーレ
  2018年製作/106分/フランス・ベルギー合作/
      原題:Au bout des doigts/DVDレンタル
  <★★★☆>

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《映画.com解説から》・・・パリ、北駅に置かれた1台のピアノ。マチューの
楽しみは、自分を追う警察官の目を盗んでそのピアノを弾くことだった。そこ
へ通りかかった音楽学校のディレクター、ピエールはマチューの才能に強く惹
かれ、ピアニストとして育て上げたいと声を掛ける。乗り気ではないマチュー
だったが、実刑を免れるため無償奉仕を命じられた音楽院で、ピエールや厳し
いピアノ教師エリザベスの手ほどきを受けることに。生い立ちに恵まれず夢な
ど持たずに生きてきたマチューは、周囲との格差や環境の壁に直面しながらも、
本気で音楽と向き合うようになっていく・・・
 
これは、なんといっても「駅ピアノ」らしいからというので選択。
NHK-BS1(-プレミアムのほうでもやってたかも)で「駅ピアノ」という番組
がありまして、世界じゅう、あちこちの駅や空港に置いてあるピアノを、思い
思いに弾く人を映す。結構好きな番組。再放送をよくしている。二度目ぐらい
なら観ちゃいますね。三回目ぐらいになると替えるかな。
随分いろんな「駅」編を観たけれど、「パリ編」てのは記憶にない。
 
友人である小悪党とつるんで軽犯罪で警察に追われる身の主人公の若者が、パ
リ駅の駅ピアノを弾いている。べらぼうに上手い。彼をパリのコンセルヴァト
ワールの男(ディレクター?)が見初める。事情の一部は解説にあるとおり。
ピアノとは無縁の家族や悪友たちの社会の底辺の側と、彼を見出したいわば上
流社会の音楽関係者の側との間で、彼が問題を起こしたり、彼のかたくなな心
が抵抗したりするさまを、描いてゆきます。
 
子供時代から見始めてくれた老先生が、いかに優れた教師だったかということ
は、彼の練習量&内容と共にほとんど想像するしかないのですが、20歳過ぎぐ
ぐらいになっている彼はすでに天才レベルに近い。しかも、老先生の薫陶よろ
しく、テクニックのみならず「心」も優れているらしい。
 
お話が収斂してゆくコンクールというのは、そんなのがあるかどうか知らなか
ったのですが、音楽学校の対抗戦みたい。
で、課題曲は独奏曲はなくて、協奏曲。ここではラフマニノフの超有名なピア
ノ協奏曲第2番の第1楽章。
ドラマ上、中盤近くまでは独奏曲も出てきたものの、後半はこの協奏曲ばかり。
ワタシ自身では普通聴こうなんてことはまず考えない曲なんですが、ここでは
部分的にだけれど何度も何度も出てきたのに、飽きなかったですね。
 
彼が弾いたことがないこの曲を、コンクールに出せるように仕上げる役目を請
け負う先生は女性ピアニスト(クリスティン・スコット・トーマス・・・フランス語をきれい
に喋っていました)とのシーンがどんどん増えます。当然オケ伴で弾いたこと
も、満員の聴衆の前でだって弾いた経験もないのですから、短期間のうちに学
ばねばならないことは、「常識」を含め、山ほどある。その中でラフマニノフ
がこの協奏曲を書いた時の状況を、彼に説明してあげるシーンがあって、要す
るにこの曲の「心」の面を伝えるわけです。なんてこともないシーンというか、
むしろ一般的に言えばくどいととられそうな部分だったかもしれないが、ちゃ
んと彼に沁み込んでいくみたいで、ワタシにはなんだかいいシーンでした。
 
上記レッスン以外に細かく描かれて記憶に残ったのは、彼を見出したディレク
ター氏の家庭の秘密のこと、彼といい仲になるアフリカ系の学生(件の音楽学
校生でチェロ奏者・・・残念ながら彼女だけは弾くフリがまるでダメでした)
とのこと、ぐらいかな。
 
カミサンと気楽に観ました。リアリズムやシリアスさはさほどなかったと思う
んですけどね、ワタシ、おしまいのほうでは涙腺が緩んじゃった。奏でられる
音楽のせいではないと思うけれど、でも、関係はある。まさかまさか、でした。