休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

 バイロイトの長い坂道

ワーグナーバイロイト物語、ですね

20200909(了)
 バイロイトの長い坂道 ワーグナー物語/ ひの まどか作
  *プロローグ
  1.逃亡者
  2.黄金のミュンヒェン
  3.ビューロー夫妻
  4.ミュンヒェン追放
  5.トリープシェン、内と外
  6.バイロイトへの道
  7.バイロイト部隊
  8.リハーサル
  9.《ニーベルングの指輪》
  10.ベニスの落日
  11.その後のドラマ
  * そして、いま
 
  1984年(昭和59年)/伝記/子供用/単行本/リブリオ出版/中古
  <★★★★>

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職場であるコミュニティセンターの片隅に本棚があって、要らなくなった本
が2000冊かそこいら置いてあります。小説が多いが、種々雑多。古いも
のが多いけれど、わりと新しいものも少しはある。コミュニティ・スペース。
自由に読んでいいし、欲しけりゃどうぞお持ち帰りください、というもの。
これはその本棚で見つけて、持ち帰って読み始めたものです。裏表紙の内側
にシールが貼ってあって、〇〇町立(市立じゃない!)図書館/リサイクル
図書(昭和59年)と書いてある。
 
ひのまどかさんはヴァイオリニストで音楽系のライター。
リブリオ出版なんて知らない。
  児童書では初めての 音楽家による全巻現地取材
  「作曲家の物語シリーズ」(小学校上級以上向)
その第6巻がこれで、次はまだ出ていなくて、予定がブラームス
既刊は、チャイコフスキー/バッハ/ベートーヴェン/ドボルジャーク/シューベルト。ドボルザークだけ
があのメキシコに行かれたヴァイオリニストの黒沼ユリ子さんが書いていて、
そのほかはこのひのまどかさん。
どれもタイトルを見ると単純な伝記じゃなく、それぞれの作曲家の「ミソ」
に当たるものを集中的に描いている「伝記小説」のようで、児童書にさほど
拘っていないよう。意図があってヨロシイ。
 
本作に取り掛かかるときはそこまではわからずに、単純な伝記だと思ってい
いました。
で、読み始めたら、ワーグナーはもう50歳になっており、とっくに我儘の
限りを尽くしているじゃないですか。
おぉ、いきなりかい!・・・でした。
 
偉大なる自己中天才たるリヒャルト・ワーグナー以外の主な「出演者」は、
 フランツ・リストパトロン的。のちに義父になる。年は近い)
 ルートヴィヒⅡ世(バイエルン王国の君主を嫌々やっている)
 ハンス・フォン・ビューロー(妻のワーグナーとの不倫を知りつつの大指揮者)
 コジマ(リストの娘、ビューローの妻、のちワーグナーの献身的妻)
 ハンス・リヒター(ワーグナーの徒弟兼指揮者)
 ウィルヘルムⅠ世(プロイセンの皇帝)

 

我儘とは聞いていましたが、ここまであきれた贅沢好きだとは知らなかった。
まあ作曲家のことなんて、少数を除いて伝記は読んでいないし、人となりも
案外知らないです、ワタシは。
ひのまどかさん独自の考え方や想像によるものがどんだけなのかわかりませ
んが、パトロン、ルートヴィヒⅡ世自身のことや、彼とワーグナーとの付き
合い方、ワーグナーとビューローの関係やワーグナーとビューローの妻コジ
マとの付き合い方などなど、史実がもとになっているんでしょうが、とくに
この二人にゃ仰天。恥ずかしながらロクに知らないことばかり。
今まで聞いたことはあったような気はしてましたが、みんな絶句ものの関係
だったんですね。勿論、「ここまであきれた」なんて書き方はされていませ
んけどね。
そう言えば、、、ブラームスの作品を聴く中で、確かハンス・フォン・ビュ
ーローの名が大物指揮者として何度も出て来ましたっけねぇ・・・
ルートヴィヒⅡ世もビューローもコジマも、この大仰な楽劇の世界に、ある
意味ピッタリというか、みんなそう、そろいもそろってヘンテコリン。
 
神々の世界を引きずり下ろして、目の前で人間同様にジタバタするのを描く
「リング」、あっけにとられるようなストーリーを、ほぼほぼ変人たるワー
グナーがまず本に書いた。
書かれた当時はとても上演できるような代物じゃない、遠い夢だとご本人す
ら考えていたものが、バイエルンの問題大ありの若き皇帝がワーグナーの熱
烈なパトロンになるに及んで、じわり動き出す。
バイロイト祝祭劇場の建設と畢生の大作『ニーベルンクの指輪』4部作(俗
にいう「リング」)の上演に漕ぎつけるまで、さまざまな(苦労と贅沢に彩
られた)紆余曲折がある十数年が「長い坂」。

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     (舞台になんだか変なものがある。これが大きなミソの一つ)

 

当時としては斬新なライトモチーフに彩られた複雑で大きなオーケストレー
ションを伴わせ神々の世界を描いた巨大楽劇と、ワーグナーの超変人具合が、

ワタシの頭の中で、結局のところうまく合致しない ― 筆の速さなんぞ驚異

的でこれを天才と呼ばずしてなんと呼ぶ ― 融け合わないままでしたが、こ
ればっかりはしょうがないっスね。
そうそう、手紙魔!何千通!
これ、いまなら、まあ強引な情報の押し付けであって、LINEなんかあっ
た日にゃあ、エライ大変なやり取りだったはず・・・(無意味な空想です)
 
ラスマエの章では、ワーグナーが急死したあと、妻コジマが、まるで夫の意
思を継いだかのような働きをしたことが語られます。これなども全く知りま
せんでした。
おしまいは著者が由来の場所(ルートヴィヒⅡ世ゆかりの有名な城なども)
訪ねてまわり、さまざまの感慨を付け加える。1983年、ワーグナーの没後、
ちょうど100年。
続きの章として並んでいるこの部分を読んでいると、やはり伝記部分に力が
入っていて、小説部分は目立たないようにしたんだと考え直しました。
祝祭劇場の継承や演奏の変遷の歴史なんかにも少し触れられています。
 
ちかごろったって大分前ですが、変わった(現代的)演出も観たことがあり
ます、ちゃんとじゃないですが。神々がネクタイをして出て来たりしていた。
ワタシは「ワグネリアン」ではありませんが、この「超」が付く時代錯誤的
世界観(あまりいい言葉ではないですね)にハマる人びとが、いまだに相当
数生まれ続けていることには、今までの一定の理解がもう少しだけ深まった
気がしないでもありません。著者も実はワグネリアンなのだとあとがきで
「告白」しておられます。
一方、ワーグナーの音楽を聴いたことも観たこともない小・中学生にとって、
この伝記の変人たちの生き方や世界観はどう映ったのかな。楽劇を少し見聴
きすればどうなんだ・・・ ま、あまり興味はありませんけどね。
 
面白かったです。

ワタシがよく知らなかったからですけどね、誰かに薦めたくなりました。も

っとも、現在では出ていないような気がします。

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映画『緑の館』の音楽・・・

 

20200901(了)
 ヴィラ=ロボス/「アマゾンの森」
 HEITOR VILLA-LOBOS(1887-1959);
    FLORESTA DO AMAZONAS(1958)
   Poems by Vasconcellos
   Music revised and edited by Roberto Duarte
 
 ①Overture 2:26
 ②The Forest 8:05
 ③Dance of the Indians 3:21
 ④In the Depths of the Forest 2:15
 ⑤Bird of the ForestーFirst Song 4:24
 ⑥Nature's Dance 2:40
 ⑦Bird of the ForestーSecond Song 3:59
 ⑧Song in the Forest Ⅰ 0:37
 ⑨Conspiracy and War Dance 4:18
 ⑩Sailing Ships 3:23
 ⑪On the way to the Hunt 4:52
 ⑫Bird of the ForestーThird Song 2:06
 ⑬Twilight 3:06
 ⑭The Indians in Search of the Girl 0:56
 ⑮Bird of the ForestーFourth Song 3:24
 ⑯War Dance-repeat 1:51
 ⑰Interlude and Lullaby 2:50
 ⑱Song in the Forest Ⅱ 3:05
 ⑲Head Hunters 6:21
 ⑳Love Song 4:01
 ㉑Sentimental Melody 3:30
 ㉒Forest Fire 3:53
 ㉓Epilogue 2:34
 
  ジョン・ネシュリング指揮/サンパウロ交響楽団&同男声合唱
  アナ・コロンディ(ソプラノ)
  録音:2007年7月、サンパウロ・ホール、ブラジル Tot.78:38
  SACD/管弦楽&声楽/ⓒ&Ⓟ 2010、BIS Records/中古
  <★★★☆~★★★★>

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<解説から>
SACDハイブリッド盤。ヴィラ=ロボスの死の前年、最後の大作となった「ア
マゾンの森」は声楽を含む大編成の作品。もともとは1959年公開のオードリ
ー・ヘップバーン、アンソニー・パーキンス主演の映画「緑の館」(メル・フ
ァーラー監督)の音楽をヴィラ=ロボスが担当したものの興行的に失敗、それ
に落胆した彼が素材を演奏会用の作品にまとめ直しました。その秘曲が待望
の最新録音で登場、それも地元サンパウロ国立響というのが最高。最晩年の
作ながら熱と生命力に満ち、ノスタルジックなメロディと情感に胸を打たれ
ます。

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      (ネットを眺めていて見つけました。VHSのジャケ写)

改作というんじゃなく、reconstruction ぐらいの感覚だろうと・・・
映画的に(じゃない、興行的に、だ)失敗ということもあるけれど、音楽の
使われ方に頭に来たようで、まあズタズタにされ、妙な繋がれ方をしたんで
しょう。よくある話。でソプラノや男声合唱付きの交響組曲みたいなものに
変わった。もっとも Roberto Duarte というかたが改訂/編集したと書いて
ある。どんだけいじられたんだかは、もちろんわからない。案外ちゃんと映
画のストーリーに沿っている(つまり作曲者が考えるサントラに近い)可能
性だってあるわけです。
 
ヴィラ=ロボスの音らしいと思えるところも、先日聴いて気に入ったケクラ
ンのようなサウンドだと思えたようなところも、古いハリウッド映画の独独
の野暮ったさのあるところ(第一曲①がそう)も、野趣あふれるストラヴィ
ンスキまがいも、そして一方洗練されたロマンティックなものや非常に繊細
なところも。・・・ま、いろいろです。交響曲で聴いたサウンドも随所に聞
こえる。もちろん「ブラジル風バッハ」や「ショーロス」に通じるものも。
そして、進むほどに良く(?)なります。
四角四面な制約のために(?)にやや自由さが少し足りない感じの十数曲の
交響曲に対し、とても自由な感じ。そりゃまぁ当たり前です…
もっとも、それだけに逆にこの曲は長くて(78分を超える!)まとまらない。
 
『尼僧物語』は子どものころテレビで観たと思うのですが、うっすら覚えて
います(とりわけピーター・フィンチを嫌な奴だという記憶でもって)。そ
のあと作られ不評だったという『緑の館』は、観た記憶だけはあるが中身な

ど全く覚えていません。

いろいろごたついた作品だったらしい。

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第一曲はメシアンふうに始まった後にかなりやぼったい曲調(これは民族音
楽なの?)になるのが好みではないが、それ以外は特に抵抗感もありません。
決して嫌いじゃない。むしろ聴くほどに面白くなってきそうでした。
とはいえ、「今」聴きたいもんじゃない。もっとずーっと気温が下がってか
らなら、べた褒めする(?)可能性もあります・・・ハハ。
 
(追)放置しているうちに、台風が二つ過ぎて行き、気温がだいぶん下がり
ました。例えば分数の長い②「森」などは、①「序曲」よりはるかにカッコ
イイ。これこそ序曲にふさわしい・・・なんてね。曲別にはやめておきます。
 
このオーケストラ、NAXOSレーベルでヴィラ=ロボスの交響曲を何作も聴
いて、なかなか確かな力量のオケだと思っていたのですが、ここでもそう思
いました。日系人がぞろぞろ混じっていたりするんだろうか・・・
サンパウロも歴史があるので、ヨーロッパの文化が盛大に入ったんでしょう

が、南米の南のほうというと、ブエノスアイレスのほうが立派な歌劇場なん

かがあって、クラシック音楽だってもっと盛んだった感じなんだよな。でも
ブエノスアイレスに(優れた)オケがあるなんてワタシは聞いたことがない。
知らないだけかもしれない。歌劇場は運営されているんだろうか、レベルは
どうなんだろう・・・
ま、いいや。
音質もよかった。さすがSACD。ワタシの再生機ではロクな効果もなかった
のかもしれませんが、それでもいい感じに思えました。
 

男女平等と映画賞

朝日新聞での映画関係の記事(9/10)二つ・・・
ちょっと前に、ベルリン映画祭の演技賞については、主演男優と主演女優
の区別はやめるとありました。
  助演はどうなのか、載ってたっけ?
  主演は一つ数が減ってしまうの?
あまり興味はありませんが、、、男女の平等を謳ってのことなんでしょうね。
でも、映画賞における「その平等」の意味はそんなにあるかなあ。
男女は雑な言い方だけど、違うからこそペアになるのであって、役割の分担
はゼロどころか、けっこうある、、、 妙な映画作りにならない?
一般論と夫婦ではだいぶん違ってしまう。夫婦間ではいろいろですよ、色々。
でも、結婚というものを考え直す契機にもなって、こと少子化問題にとって
は、おそらくマイナスでしょうね。

(ま、ワタシはよくわからん話でした。お好きにどうぞ、って、映画のこと

です)

で・・・

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オスカー。マイノリティや女性起用という条件ですか。
これはこれで理解はするものの、ドラマの多様性を規制することになるんで、
その中での賞なんて、なんとも無茶苦茶なことです。
賞に拘って映画作りするわけじゃないだろうからねぇ。そうでもない? とも
あれ、納得はちょっとできかねるなぁ。

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「ムーラン」のことも気になったんだけど、、、こうなるともうこの先は映画
の話題じゃなくなっちゃう。
アニメ映画『ムーラン』のサントラはジェリー・ゴールドスミスが担当してい

まして、オーケストラ部分は多くはないけれど、とてもすばらしかった・・・

なんて話は・・・無意味ですな・・・

 

 

(付録)映画と関係ないです

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(韓国の歴史の教科書)
7割! びっくり。
比率も政権によっても変わるのは当然のようにも思いますが、まあ変わ
るのは主にその扱いであって、近現代の割合じゃないでしょう。
日本での「それ」といかに違うかは、近現代についての国民の考え方や
感じかたとも、めちゃくちゃかかわりがあることがわかりますよね。
団塊世代のワタシの高校生時代を思い出すと、「受験戦争」というやつで、
歴史は近現代は受験勉強ゼロでした。そんなもん、問題に出ないんだか
ら勉強なんかやる必要ないでぇ!とはっきり言われたもんです。なんとも
極端なことでした。おかげで、日本史だったら、明治以降の知識は実にお
粗末なもので、大人になってから、苦労ってんじゃないが、内心恥ずかし
い思いをしたことは数知れない。
今はどうなんでしょう、、、そういや子どもたちとそんなこと話題にした
ことはなかったですねぇ。もう中年に差し掛かり始めているアイツらと、
(もしワタシ自身が覚えてたら)話をしてもいいな。
中国は?香港は?どうなんだろう、教科書。これもぜんぜん知りません。

映画『パターソン』

 

20200823(了)
 映画『パターソン』
  ジム・ジャームッシュ監督//アダム・ドライヴァー/ゴルシフテ・ファラハニ
                   ・・・永瀬正敏
  音楽;スクワール
   2016年製作/118分/アメリカ/原題:Paterson
  <★★★★>

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ニュージャージー州のパターソンという町に住むパターソンというバスの
運転手。まだ30歳台後半ぐらいか。奥さんとブルと暮らしている。軍人
だったことがある。ガタイは大きいが穏やか。詩を書く。
月曜から一週間の特に劇的なこともない生活が描かれる。
互いに気遣った奥さんとのちょっとぎこちなさのある会話、奥さんの夢の
話、近々の計画の話。食事後ブル公の散歩ついでに近くのバーでビール一
杯を飲む、そのついでに出逢う市井のいろいろ(一度軍隊にいたことが感
じられる事件がある)。バスの中で運転手にいちばん近いところで交わさ
れる会話を楽しむ。
奥さんが双子がいいと言い出したせいか、あちこちで双子に出逢うという
のはユーモアだろうか。
手空きの時は、常に詩を呻吟している。奥さんからは詩集の本を出そうと
言われている。彼は詩の知識はある程度ありながら、自分を「詩人」だと
は考えていないみたいだけれど、詩(のようなもの)を書きつけずにはお
れない・・・
 
バーでの事件以外の事件というなら、描かれる最後の日に、詩を書き溜め
られているノートを、ブル公がずたずたにしてしまうということぐらい。
さすがに気持ちがざわついたのか、気晴らしにひとりで外を歩く。この町
出身の有名な詩人がいて、そのゆかりの地を訪ねてきていた日本人と(滝
のある名所で)短い会話を交わすことになり、その日本人からノートをも

らう。

やっぱり詩作は続けるみたい、という流れ・・・

 
と、こんな感じ。あらかた書いちゃいました。
書きすぎでしょうが、、、この危なっかしく見えなくもない優しい雰囲気
を、どう書けばいいのかわからないのです。何気ない日常のかけがえのな
さ、みたいな言い方じゃああまりにも片手落ちのような気がする。たとえ
ば不穏なものも色々感じさせられましたし。というのは、アダム・ドライ
ヴァーの表情、顔の演技、がなかなか細やか。無表情なようでいて、実
にいろんな含みのありそうな表情を見せる。そのことから、決して内心
が穏やかな日々というわけでもないんだってことがわかるから。まあ、そ
りゃ当たり前なんだけれど・・・
 
(ブログも、彼の詩の感じぐらいがいいな)
 
ジャームッシュを観るのはずいぶん久しぶりです。カラーは初めてかも。
ファンは多いのでしょうね。ワタシはこの不思議な映画作家を特に好き
だと感じたことはありません。
でも、この生活感がいささか乏しい作品は、気に入ったのかどうかとい

うと怪しいのに、後を引きました。この感覚を売り物にしているって、

妙な感じ。楽しむのも、そう。

トム・ウェイツの歌など流れなくてよかった。(てのは冗談。流れるわ
けはない。)

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ニューヨークタイムズでのトランプさんの総括

20200911(金)

安倍首相のいろんな総括が、毎日のように載っていて、ついつい読
んでしまいます。
今度はトランプさん。以下は9月4日の新聞で、実際にニューヨーク
で載ったのは、2週間も前の8月27日。

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ニューヨークタイムズトーマス・フリードマンさんのコラム、これ
も面白く読みました。
要するに何が言いたいかよくわかったってことになりますか。
これ読んでいると、トランプ大統領の取り巻きたちも、地位や権威や
実入りが大事なイエスマンばかりなのだろうと当然思う。
ならば彼に同調する国民て、同じ穴のムジナなの?てことを考えざる
を得ない。「アホでもなんでもいい、人種差別なんか知ったことか、
世界なんてどうでもええ、ワタシらの利益さえ守ってくれればいいん
だ・・・」を受けたポピュラリティ。
中国にとってはバイデンさんよりはるかにトランプさんのほうがいいと
いうのも、なんだかなぁ、、、
ともあれ、トランプを大統領に担いでしてしまった国として、言うべ
きことより、やるべきことがやたら多いと思いますが・・・
 

年末には大統領はどうなっているでしょう。もうすぐです。

 

以下は今日(もう昨日になりました)。

トランプさんのコロナに対する発言、実は・・・

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半年も前の感じ方を、今頃発表して、なんなんだろうと一瞬思いました。
いや昨日か一昨日からネットだったかTVだったかでみききしていました
けどね。
これは、どうせ大した効果はないだろうが、「普通の感覚もちゃんとあ
った上での発言だったんだ」と知らしめれば、ちったぁ大統領としての
立場に同情してくれるやつも出て来るやもしれんだろう・・・狙って損
はなかろう、なんてこと?

 

 

 

20世紀フランスの木管三重奏集

これ、オレの葬式の時かけてくれへんか?

とカミさんに言った・・・

 

20TH CENTURY FRENCH WIND TRIOS

20200830(了) 

20世紀フランスの木管三重奏集

(1)ジャン・フランセ : ディヴェルティスマン(10:12) ①-④
(2)ミヨー : ミッシェル・コレットによる組曲 Op.161b (8:50) ⑤-⑫
(3)カントルーブ : Rustiques(16:00) ⑬-⑮
(4)タンスマン : Suite pour Trio D'Anches (11:45) ⑯-⑲
(5)イベール : Cinq pièces en trio(7:32) ⑳-㉔
(6)ピエルネ : Bucolique variée (7:57) ㉕
(7)ミヨー : パストラーレ(田園曲) Op.147(3:49) ㉖
(8)オーリック : 三重奏曲(11:35) ㉗-㉙
 
  THE CHICAGO CHAMBER MUSICIANS
    Michael Henoch(オーボエ)
    Larry Combs(クラリネット)
    William Buchman(バスーン)
  録音:1997年10月&12月、WFMT Chicago、Tot.78:35
  CD/室内楽/Ⓟ&ⓒ1998 Cedille Records/輸入/中古
  <★★★★△>

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なんでこういうの、聴いてみたいと思うようになったんですかねぇ、年齢
と関係はあるんでしょうが、実際のところ自分でもよくわからない。
 
4ケ月ちょい前に、これと似たような内容の、フランスの名手たちによるす
っばらしい録音(20200414にアップしています)を楽しんだばかりなのに、

つい、手が出てしまいました。重複は半分以上で、(1)(2)(5)(7)

(8)。

名手たちのしゃきっとした演奏で、なにが不満なのかと問われると困る。
不満はないのです。ダブっていない3曲が聴いてみたかった・・・
とりあえずそんなところです。
それにしても、これだけ重なるってことは、リード木管の三重奏となると、
曲が潤沢にあるジャンルというわけじゃないんですね。
さて、、、重複しなかったものを書き付けてみます。
 
(3)あの「オーヴェルニュの歌」のカントルーブですよ。オーヴェルニュ
以外のものを聴くのは初めてかもしれない。しかも雰囲気が、それをもろ
に思い起こさせる。途中じゃあ、聴いたようなメロディさえ出てくる。
⑬Ⅰ.Pastorale その第一曲はほのぼのと田舎っぽく、朗らかで滑稽味が
強い。
⑭Ⅱ.Rêverie 第二曲は物憂い調子が主で、オーヴェルニュで言うなら、
女の子の憂鬱や哀しみを湛えた抜群に美しい曲がいくつかあったけれど、
記憶ではこんなメロディはなかったと思う・・・と、出て来ました。覚え
ているメロディが二つばかり。
⑮Ⅲ.Rondeau a la française 第三曲はアレグレットぐらいの、ちょっ
ととぼけた感じの快活な終曲。
各曲がさっと終わらない、短すぎないのもよく、楽しめました。
ちょっと控えめになりましたね。実はものすごくいい曲でした。
 
(4)次はタンスマン。これも大当たり!
⑯Ⅰ.Dialogue ⑰Ⅱ.Scherzino ⑱Ⅲ.Aria ⑲Ⅳ.Finale
カントルーブと比較すると、和声がなにやらちょっとだけ複雑なった(≒新
しくなった)感じでしょうか。⑯⑱では独特の物憂い調子で、これはこれで
絶品!!! ⑰⑲になるとそう(新古典、かな)感じます。また⑲Finaleの最後
のしんみり具合がものすごく利いてます。
フランス人になり切ったかのようなポーランド人として、フランスを謳った
アルバムに堂々と入っていて、違和感もちろん皆無、むしろこのCDの核を
担っているかのよう。
 
(6)あまり好きだと思ったことがないピエルネです。このアルバム内でも
選曲としては最も地味な曲だったかも。人によるでしょうが。
㉕Bucolique variée 意味は分かりません。4つぐらいの部分に分かれて
いるも続けて演奏される。緩急緩急緩。音楽の流れはとても自然で、やや
鄙びた感じ。個性がちょっと乏しい気もするけれど、案外テクニカルな作
品かもしれない。ともあれ、このアルバムに選ばれたのは、バランス的に

とてもいい感じだったからなんでしょうね。

 

重複曲もざっと触れておきます・・・
 
(1)ひょうきんさや諧謔味のフランセ。違った拍子の組み合わせも楽しい。
現代音楽としては古臭いのかもしれないけど、先の時代には拾い上げられ
れるんじゃないかと思わぬでもない。実に楽しいディヴェルティメント。
(2)このミヨーはワタシの中では『ルネ王の暖炉』同様名曲。(7)のい 
かにも牧歌的なパストラーレも印象的フレーズ(小鳥か何かを模しているん
だろうか)が耳について忘れがたい。

(5)ミヨーの(2)と同系統の作品。朗らかで品のいいディヴェルティメン

ト。

(8)映画音楽でも結構知られたオーリックですが、ここに集められただけ

のことはある。掉尾を見事に締めている。

 

フランソワ・メイエ(オーボエ)、ポール・メイエ(クラリネット)、ジルベール・オ
ダン(バソン)のもの(BMG盤)では、(1)(2)(5)(7)(8)のほかに、
トマジとフローラン=シュミットが入っていました。トマジのも名曲!それか
ら当盤の(5)(7)(8)はBMG盤では逆に盤の前半に置いてありました・・・
 (レ・ヴァン・フランセ という緩いグループ名で括って、いろんなアーティ
  ストをいろんな組み合わせでいくつものアルバムを作っている。)
録音はフランスの上記の名手たちのアルバムのほんの1年前だから、ほとんど
変わらない、似たような出来だと思えます。あえて言うなら、このシカゴ盤は
広めのホールで奥行き感があり柔らかいのに対し、BMG盤は、楽器ごとがもっ
とクリアで色彩を感じますね。

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そのBMG盤を一通り聴いてみました。
レ・ヴァン・フランセ盤はフレーズ一つ一つがとてもくっきりして明るく若
若しいのに対し、当盤では全体に柔らかく、流れを重視しているというよう
に聞こえました。このザ・シカゴ・チェインバー・ミュージシャンズという
団体も個々のミュージシャンも名は存じ上げないが、BMG盤の有名ソリスト
たちの妙技に引けを取らない手練れたちだと思いました。
両者共に優れた演奏でありアンサンブルだったので、曲の素敵さもそれぞれ
の良さが出たものというしかありません。贅沢なことです。
 (You Tube ではこんな―アルバムの意図がある―聴き方はできないと
  思うのですが、如何・・・ 自分でコンピレーションをやれ?そこま
  で暇じゃありません)

「一強」リーダーの実像 &「拝啓 安倍昭恵様」

9/7(月)

台風10号は予想通りのコースを取って、今は朝鮮半島の東・・・
もう、いったんは日本海に出て、また朝鮮半島に再上陸、という感じ、
日本での大きな被害は九州でのもの。宮崎県など。

結局この辺り(南河内)は風も緩く、雨さえわずかに降っただけで、

昔、溜池があれだけあったわけも知れようというもの。

 

新聞の切り抜き・・・

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(1)

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(3)

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「一強」リーダーの実像
つまり安倍首相のことを総括したものが9/1に早々新聞に載っていて
切り取っておきました。いかにも「今」。新聞社としては、まずは鮮
度が落ちる前に、出さなアカンやろ、急げーってな感じ。
職場で、こっそり、ゆっくり、読んでみました。
3人の考えが載っていて、真ん中の亀井静香さんのは、リーダー自ら
の国家観が出せなかった云々といういい点は突いていたんだけれど、
突っ込み切れていなかった。もっとも、安倍さんにそんなもの(志)
はなかったみたいなんだ・・・もともと。
両脇の二人のものが実にいけてました。国家観なんかにゃ触れてま
せんけどね。なにより、わかりやすかった。
目先のことにカッコつけることについてはとても長けた(運のいい、
というのがキモだけど、それは弱い)世襲議員世襲議員の鏡。
読んでいる方、ものすごく多いのでしょうが、今ちょうどいい話題。
どうしてもうまく総括したものを読みたい。自分じゃ、まとまらな

いもんで、つい頼っちまう。インタヴューであって、かもしれませ

んとか、と思いますとか、・・・でしょう、が多いものですが、、、

それでも、こんもんだと思いました。

 

実はこの翌日の同じページにかの「奥方」を論じたものも掲載されて
いたのです。へぇー、てなもんでこれも切り取っていました。
「拝啓 安倍昭恵様」
一人目(元首相夫人)は公私混同になって周りに忖度までさせる状態
に周りが気づかぬわけはないはずなのに、とレバタラ。二人目は知ら
れた先生で、自分探しのすえに「日本すごい」の流行りの方向に行っ
てしまった、云々。三人目(女性コラムニスト)はひざ丈前後の「ワ
ンピース」のこと等々から首相が放任していたことを察知したと、分
析している。これらもなかなか面白かったです。

ファイルして何か意味あるかなぁ・・・

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風も雨もないので、ツクツクボウシが鳴いています。

この蝉、今年も一度は触れました。

オフクロのいる「施設」の玄関内に入り込んで、ビービー

騒いでいるのに気づき、捕まえて近くの樹につかまらせよ

うとしてみましたが、だめでした。おそらくもう寿命がい

くらも残っていなかったんでしょう・・・ とてもきれい

でした。