休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『パターソン』

 

20200823(了)
 映画『パターソン』
  ジム・ジャームッシュ監督//アダム・ドライヴァー/ゴルシフテ・ファラハニ
                   ・・・永瀬正敏
  音楽;スクワール
   2016年製作/118分/アメリカ/原題:Paterson
  <★★★★>

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ニュージャージー州のパターソンという町に住むパターソンというバスの
運転手。まだ30歳台後半ぐらいか。奥さんとブルと暮らしている。軍人
だったことがある。ガタイは大きいが穏やか。詩を書く。
月曜から一週間の特に劇的なこともない生活が描かれる。
互いに気遣った奥さんとのちょっとぎこちなさのある会話、奥さんの夢の
話、近々の計画の話。食事後ブル公の散歩ついでに近くのバーでビール一
杯を飲む、そのついでに出逢う市井のいろいろ(一度軍隊にいたことが感
じられる事件がある)。バスの中で運転手にいちばん近いところで交わさ
れる会話を楽しむ。
奥さんが双子がいいと言い出したせいか、あちこちで双子に出逢うという
のはユーモアだろうか。
手空きの時は、常に詩を呻吟している。奥さんからは詩集の本を出そうと
言われている。彼は詩の知識はある程度ありながら、自分を「詩人」だと
は考えていないみたいだけれど、詩(のようなもの)を書きつけずにはお
れない・・・
 
バーでの事件以外の事件というなら、描かれる最後の日に、詩を書き溜め
られているノートを、ブル公がずたずたにしてしまうということぐらい。
さすがに気持ちがざわついたのか、気晴らしにひとりで外を歩く。この町
出身の有名な詩人がいて、そのゆかりの地を訪ねてきていた日本人と(滝
のある名所で)短い会話を交わすことになり、その日本人からノートをも

らう。

やっぱり詩作は続けるみたい、という流れ・・・

 
と、こんな感じ。あらかた書いちゃいました。
書きすぎでしょうが、、、この危なっかしく見えなくもない優しい雰囲気
を、どう書けばいいのかわからないのです。何気ない日常のかけがえのな
さ、みたいな言い方じゃああまりにも片手落ちのような気がする。たとえ
ば不穏なものも色々感じさせられましたし。というのは、アダム・ドライ
ヴァーの表情、顔の演技、がなかなか細やか。無表情なようでいて、実
にいろんな含みのありそうな表情を見せる。そのことから、決して内心
が穏やかな日々というわけでもないんだってことがわかるから。まあ、そ
りゃ当たり前なんだけれど・・・
 
(ブログも、彼の詩の感じぐらいがいいな)
 
ジャームッシュを観るのはずいぶん久しぶりです。カラーは初めてかも。
ファンは多いのでしょうね。ワタシはこの不思議な映画作家を特に好き
だと感じたことはありません。
でも、この生活感がいささか乏しい作品は、気に入ったのかどうかとい

うと怪しいのに、後を引きました。この感覚を売り物にしているって、

妙な感じ。楽しむのも、そう。

トム・ウェイツの歌など流れなくてよかった。(てのは冗談。流れるわ
けはない。)

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