休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

20世紀フランスの木管三重奏集

これ、オレの葬式の時かけてくれへんか?

とカミさんに言った・・・

 

20TH CENTURY FRENCH WIND TRIOS

20200830(了) 

20世紀フランスの木管三重奏集

(1)ジャン・フランセ : ディヴェルティスマン(10:12) ①-④
(2)ミヨー : ミッシェル・コレットによる組曲 Op.161b (8:50) ⑤-⑫
(3)カントルーブ : Rustiques(16:00) ⑬-⑮
(4)タンスマン : Suite pour Trio D'Anches (11:45) ⑯-⑲
(5)イベール : Cinq pièces en trio(7:32) ⑳-㉔
(6)ピエルネ : Bucolique variée (7:57) ㉕
(7)ミヨー : パストラーレ(田園曲) Op.147(3:49) ㉖
(8)オーリック : 三重奏曲(11:35) ㉗-㉙
 
  THE CHICAGO CHAMBER MUSICIANS
    Michael Henoch(オーボエ)
    Larry Combs(クラリネット)
    William Buchman(バスーン)
  録音:1997年10月&12月、WFMT Chicago、Tot.78:35
  CD/室内楽/Ⓟ&ⓒ1998 Cedille Records/輸入/中古
  <★★★★△>

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なんでこういうの、聴いてみたいと思うようになったんですかねぇ、年齢
と関係はあるんでしょうが、実際のところ自分でもよくわからない。
 
4ケ月ちょい前に、これと似たような内容の、フランスの名手たちによるす
っばらしい録音(20200414にアップしています)を楽しんだばかりなのに、

つい、手が出てしまいました。重複は半分以上で、(1)(2)(5)(7)

(8)。

名手たちのしゃきっとした演奏で、なにが不満なのかと問われると困る。
不満はないのです。ダブっていない3曲が聴いてみたかった・・・
とりあえずそんなところです。
それにしても、これだけ重なるってことは、リード木管の三重奏となると、
曲が潤沢にあるジャンルというわけじゃないんですね。
さて、、、重複しなかったものを書き付けてみます。
 
(3)あの「オーヴェルニュの歌」のカントルーブですよ。オーヴェルニュ
以外のものを聴くのは初めてかもしれない。しかも雰囲気が、それをもろ
に思い起こさせる。途中じゃあ、聴いたようなメロディさえ出てくる。
⑬Ⅰ.Pastorale その第一曲はほのぼのと田舎っぽく、朗らかで滑稽味が
強い。
⑭Ⅱ.Rêverie 第二曲は物憂い調子が主で、オーヴェルニュで言うなら、
女の子の憂鬱や哀しみを湛えた抜群に美しい曲がいくつかあったけれど、
記憶ではこんなメロディはなかったと思う・・・と、出て来ました。覚え
ているメロディが二つばかり。
⑮Ⅲ.Rondeau a la française 第三曲はアレグレットぐらいの、ちょっ
ととぼけた感じの快活な終曲。
各曲がさっと終わらない、短すぎないのもよく、楽しめました。
ちょっと控えめになりましたね。実はものすごくいい曲でした。
 
(4)次はタンスマン。これも大当たり!
⑯Ⅰ.Dialogue ⑰Ⅱ.Scherzino ⑱Ⅲ.Aria ⑲Ⅳ.Finale
カントルーブと比較すると、和声がなにやらちょっとだけ複雑なった(≒新
しくなった)感じでしょうか。⑯⑱では独特の物憂い調子で、これはこれで
絶品!!! ⑰⑲になるとそう(新古典、かな)感じます。また⑲Finaleの最後
のしんみり具合がものすごく利いてます。
フランス人になり切ったかのようなポーランド人として、フランスを謳った
アルバムに堂々と入っていて、違和感もちろん皆無、むしろこのCDの核を
担っているかのよう。
 
(6)あまり好きだと思ったことがないピエルネです。このアルバム内でも
選曲としては最も地味な曲だったかも。人によるでしょうが。
㉕Bucolique variée 意味は分かりません。4つぐらいの部分に分かれて
いるも続けて演奏される。緩急緩急緩。音楽の流れはとても自然で、やや
鄙びた感じ。個性がちょっと乏しい気もするけれど、案外テクニカルな作
品かもしれない。ともあれ、このアルバムに選ばれたのは、バランス的に

とてもいい感じだったからなんでしょうね。

 

重複曲もざっと触れておきます・・・
 
(1)ひょうきんさや諧謔味のフランセ。違った拍子の組み合わせも楽しい。
現代音楽としては古臭いのかもしれないけど、先の時代には拾い上げられ
れるんじゃないかと思わぬでもない。実に楽しいディヴェルティメント。
(2)このミヨーはワタシの中では『ルネ王の暖炉』同様名曲。(7)のい 
かにも牧歌的なパストラーレも印象的フレーズ(小鳥か何かを模しているん
だろうか)が耳について忘れがたい。

(5)ミヨーの(2)と同系統の作品。朗らかで品のいいディヴェルティメン

ト。

(8)映画音楽でも結構知られたオーリックですが、ここに集められただけ

のことはある。掉尾を見事に締めている。

 

フランソワ・メイエ(オーボエ)、ポール・メイエ(クラリネット)、ジルベール・オ
ダン(バソン)のもの(BMG盤)では、(1)(2)(5)(7)(8)のほかに、
トマジとフローラン=シュミットが入っていました。トマジのも名曲!それか
ら当盤の(5)(7)(8)はBMG盤では逆に盤の前半に置いてありました・・・
 (レ・ヴァン・フランセ という緩いグループ名で括って、いろんなアーティ
  ストをいろんな組み合わせでいくつものアルバムを作っている。)
録音はフランスの上記の名手たちのアルバムのほんの1年前だから、ほとんど
変わらない、似たような出来だと思えます。あえて言うなら、このシカゴ盤は
広めのホールで奥行き感があり柔らかいのに対し、BMG盤は、楽器ごとがもっ
とクリアで色彩を感じますね。

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そのBMG盤を一通り聴いてみました。
レ・ヴァン・フランセ盤はフレーズ一つ一つがとてもくっきりして明るく若
若しいのに対し、当盤では全体に柔らかく、流れを重視しているというよう
に聞こえました。このザ・シカゴ・チェインバー・ミュージシャンズという
団体も個々のミュージシャンも名は存じ上げないが、BMG盤の有名ソリスト
たちの妙技に引けを取らない手練れたちだと思いました。
両者共に優れた演奏でありアンサンブルだったので、曲の素敵さもそれぞれ
の良さが出たものというしかありません。贅沢なことです。
 (You Tube ではこんな―アルバムの意図がある―聴き方はできないと
  思うのですが、如何・・・ 自分でコンピレーションをやれ?そこま
  で暇じゃありません)