休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

すぐそこにあるワイルドライフと METライブビューイング

5/23(土)

〇散歩中のことです

散歩時、まだウグイスが鳴いている。いいもんです。
ところで、鳥の声といってもウグイス以外にもたくさん聞こえ、ただ今現在
の代表選手といったら、ムクドリ(だと思っています)とカラス。
ほかには少し復活しつつあるスズメと野鳩
ムクドリは団体さんで、いたるところにいる。騒音や糞害は知られたこと。
通りの電線や並木。まだ渡りの時期じゃないから、秋の夥しい数というわけ
じゃない、今はたぶん子育て中。公園の林にも多い。とても賑やか。
ワイルドライフっぽいムクドリの話題二つ。

一つは、その子育て。
犬と大きな通りを歩いていて、鳥の姿がほんの少しなのに、ピーピーキャー
キャー鳴く声が聞こえ始めて気になっていた。まるで鳥の姿が見えないのに、
いったいなんでだと思っていたんですが、数日前やっとわかった。
見上げると、電線を束ねる太く大きな黒いゴムの筒(ゴムかどうかよくわか
りませんけどね)があちこちにあり、声はその中でしてたんや。雛があの中
にいて育てられているんやな。他に考えられへん。
なんとまあ、あのクソ暑い無防備な狭い筒の中で、何羽もいて鳴いている。
餌を運んできた親鳥が近づくと筒からは更に激しく声が上がる。

二つ目はその危険・・・
といってもそのゴムの筒の中のことじゃなくて、公園の林の中でのこと。
これはついさっき見たことです。
たくさんのムクドリが群れて餌探しか世間話中か、まあ賑やかなこったと思
っていたら、何羽かのカラスが鳴きかわしていて、追い込んででもいたのか、
その中の一羽が突如ムクドリの群れがいるらしい樹の中にザバッと飛び込ん
でいったと思ったら、見事に一羽を仕留めて地面に降り立った。
小突き回して殺したか弱らせて、鷲摑み(カラス掴みとは言わんもんね)し
て、飛び去って行った。一部始終をバッチリ見てしまった。
ゴミをあさってビニール袋の中を散らかしまくるだけじゃないんやね、って
そりゃ当たり前やが、これ見るとカラスってのは雑食だがほぼ猛禽。
ムクドリの群れはピーピー言いながら移動。遠めに見ていたらしいカラスが
また何羽かけたたましく鳴きかわしていました。
ムクドリ全体にとっちゃあ、そんなの、ものの数じゃない、イワシの群れみ
たいなもんだろうが・・・

で、今そこにあるワイルドライフ

でも、カラスはこの筒の中の雛を狙わないんだろうか。ワタシが見てないだ

けかもね。

そんなことで、、、書くと長たらしいワ。

ムクドリの変な子育て場所と、一羽がカラスに襲われるのを見たこと、そ
んだけ)

(ゴムの筒を写しても仕方がないし、襲われたシーンなんて撮りようもない
し、で、写真はなしです)

 

〇METライブビューイングのこと

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METライブビューイングの記事、珍しいと思って、切り抜き。
ものすごく気になっている事柄なんです。もっとも、ワタシにゃなんだ
かつまらない内容でした。‘ただの’コロナ禍の関連の域を出ない。

どうもワタシの僻み心だな、、、

この中の「トゥーランドット」、観ましたけれど、感涙はなかった。
もちろん生ではなくても、ゴージャスな非日常ではありました。
ま、オペラ・ファンとしては、ジジイのワタシ、かなり幼いということ
は言えそうです。

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上は去年の新聞広告、シワシワになっちゃった。それなりに期待して、

ずーっと壁に貼ってましたからね。

今日写真のために外しました。もちろんもう貼る意味はありません。

この秋からの、次のシーズンに期待・・・

10作のうちの好きな3作を観ることができるカードを買い込んでいて、

3作目が観られなくなったので、払い戻しに街中まで行かなきゃならな

い。交通費で1000円ちょっと差し引かれてしまうけれど、でもしょう

がない。6月になってからかなぁ・・・(以前にも書いたっけ)

 

映画『アド・アストラ』

20200515(了)
映画『アド・アストラ』

 監督;ジェイムズ・グレイ//ブラッド・ピット/トミー・リー・ジョーンズ/
         リブ・タイラー/ルース・ネッガ/ドナルド・サザーランド
 音楽;マックス・リヒター他
    2019年製作/123分/G/アメリカ/原題:Ad Astra/DVDレンタル
 <★★★☆>

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スペース・オペラ」じゃなく、いわば文学系(?)のSFだとすぐわかる。
近未来よりはイメージもうちょい先。
映像は素晴らしいんだけれど、ナニ、当たり前ですよ、とでもいう風。

 

カミサンが言う。「ブラッド・ピットがぶかぶかの宇宙服着ているの、似合
わへんわ」。ワタシが応じる。「スペース・オペラやったらまあそうかもし
らんけど、これ、文学系みたいやから、いけるんちゃうの?」
まるで理屈になっていないへんな会話・・・

 

<映画.com解説>から ・・・太陽系の遥か彼方で消息不明となった父親を
 捜しに旅立つ宇宙飛行士の姿を描いたSF大作。地球外生命体の探求らに
 人生をささげ、宇宙で活躍する父の姿を見て育ったロイは、自身も宇宙
 で働く仕事を選ぶ。しかし、その父は地球外生命体の探索に旅立ってか
 ら16年後、地球から43億キロ離れた海王星付近で消息を絶ってしまう。
 時が流れ、エリート宇宙飛行士として活躍するロイに、軍上層部か「君
 の父親は生きている」という驚くべき事実がもたらされる。さらに、父
 が進めていた「リマ計画」が、太陽系を滅ぼしかねない危険なものであ
 ることがわかり、ロイは軍の依頼を受けて父を捜しに宇宙へと旅立つ・・・

 

優れた宇宙飛行士になったロイのいたって個人的な事情、つまり消息を絶
った父親の影響下にずっとあったということを、気付いてどうするつもり
なのかというのが中心的な主題。もちろんそれと関係のある事柄(奥さん
との関係や家庭や人生観など)もいろいろ。モノローグが多い。一見実存
ぽい。実はそんなでもない。
サイエンティフィック・フィクションとしての見せ場もたっぷりある。と
いうか、『2001年;宇宙の旅』のような移動中の宇宙の静けさをしっかり
描いていたのとは違って、その辺はパッパッとシーンが変わっちゃうから、
そうは感じにくいけれど実際はテキパキしている。
始めにある強烈な磁気嵐みたいなもの(これが映画の表の主題)による事
故のシーンだとか、それとかかわりがある父探しのミッションを得てから、
月へ、すでに人が住んでいる火星へ、火星の地下や上空での事件を経て、
本来の任務場所である海王星近辺へというふうに。
でも内なる主題が「気持ち」に関わるものだから、気宇壮大なものにはな
りませんでした。言ってみりゃあはじめの予想通り。新聞で紹介記事を見
た記憶がない。もう一つ人気がないのかなと思いつつ借りたのですが、ま
あ賞の候補にはなったかもしれないが、あまり受けなかったでしょうね。
でも思索的な面が多いというのも、その思索の中身はともかくとして、ワ
タシには意外に新鮮でした。ロシア製の『ソラリス』の暗い調子をちょっ
とだけ思い出しました。

 

映像についちゃあ、『2001年;宇宙の旅』のキューブリックが悔しがりそ
うなところが、えらくたくさんあったように思います。
(先日、TVで50数年前の同作の製作時、どれだけ大変だったか、そのすっ
たもんだをドキュメンタリーにしたものを観ることができました。ロード
ショーのシネラマでの鑑賞からいったい何回観たことか。あああそこ、な
んとかならんかったのかなあ、なんて箇所がいくつもあったのですが、ア
バタもエクボで、いまだに好きな映画の最右翼にいます。観たことがない
人がこれを今いきなり観たら、笑ってしまうかもしれないですね・・・)

 

音楽のメインの作曲家はマックス・リヒター。
リヒター、こういう音楽書くんですね。気にしていたんですが、はじめて
聴きました。アコースティックはなし。このミニマルっぽいかなり淡々と
したサウンドが続くサントラより、何か人気のあるアルバムを一つ聴いて
みたい気が起きています。

 

SFが続きました。

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タンスマン/クラリネットのための室内楽集

20200501(了)
タンスマン/クラリネットのための室内楽
  Alexandre Tansman(1897-1986);Chamber Music with Clarinet
(1)クラリネット弦楽四重奏のための音楽(1982)         10:07
  ①カンツォーナ 3:40
  ②スケルツォ 4:24
  ③終曲;ノットゥルノ 2:04
(2)クラリネット弦楽四重奏とピアノのための「6人の音楽」(1977)9:57
  ④Preludio 3:40
  ⑤Perpetuum pianissimoIntermezzo) 1:16
  ⑥Allegro rIsoluto 4:08
  ⑦Notturno 3:40
  ⑧Cappriccio alla polacca 2:57
  ⑨Postludio romantico 4:08
(3)クラリネット、ハープと弦楽四重奏のための3つの小品(1970)  8:27
  ⑩Andante sostenuto 2:53
  ⑪Vivace possibile 2:06
  ⑫Lento cantabile 3:28
(4)弦楽四重奏のための「三枚折り絵」(1930)          16:06
  ⑬Allegro rIsoluto 3:57
  ⑭Andante 4:42
  ⑮Finale;Presto 7:28

  ジャン=マルク・フェッサール(cl.&bcl.)
  エリアーヌ・レイ(p.)、フランシス・ピエール(hp.)
  エリゼ弦楽四重奏団
  録音:2006年4月、パリ、メドン・スタジオ Tot.54:44
  CD/室内楽/Ⓟ&ⓒ 2007 Naxos/輸入/中古
  <★★★★△>

 

【帯紹介文から】 ピアノ曲やギター曲が演奏され、日本でも知名度が上がっ

ているタンスマン。出生はポーランドながら、フランスの音楽家という印象
が強い・・・ 日本でもようやく、注目度があがってきています。「フラン
ス6人組」に似た室内楽を得意とした彼が特に好んだ楽器がクラリネットで、
当盤はクラリネットを伴う室内楽曲を集めました。この中では、日本の芥川
也寸志にも影響を与えたという1930年に作曲された弦楽合奏の「三枚折り絵」
に宿る音楽の生命力は強烈で、必聴作といえるでしょう。
これは長寿に恵まれた彼としては、人生の前半に書かれたものですが、他の
作品は晩年の作。しかし枯れた感触などというものはありません。80歳記念
の委嘱作「6人の音楽」ではピアノの使い方も印象的です。最も演奏される
名作であり、1970年代と80年代に作曲された他の3作と共に、この作曲家独

特のパリ的な感性が生きています。

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有名曲の編曲かオーケストレーションかですごく気に入って、その名を調
べて選んだCDです。フランスにべったりだけれどポーランド人・・・ でも
どうやらもっとビッグネームになってもよさそうな作曲家だったようです。
フランス6人組」に入りなはれ(!)れと薦められたが、独自路線に拘って
固辞したとも書いてあった。
聴いてみました。何度もね。で、新しく感じてみたり、存外古臭いと思えて
みたりで、一定じゃなかった。
結論的には・・・この頃好きなケクランとなにやら被ってしまうところがあ
りました・・・。

生年ではケクランより30年も年下なので、感覚的には、古いものを追いか
けていると言えなくもない、つまりズバリ時代遅れ。でもワタシにはまるで
親戚筋に聞こえた。それに、なにも無調でなくったって、セリーでなくった
ってかまやしない。
ただし始めは、食いつきが悪かったのです。よくあるんですが、こういう時
ってえてして「だんだん良くなる法華の太鼓」じゃないけど、好きになるこ
とがままある。嬉しいことにそのタイプでした。


(1) 無調や十二音なんかじゃないけれど、そういうものも匂い、やはり20
世紀前半とは違って、感覚が新しい。それにわりとよく歌う。

(2) 上記よりは前の作品だが、感覚は逆にもっと新しく、不安や実存がの
ぞく感じがある(ちょっとオーバーか)。 特に⑤や⑥。でもどうだろう、特
筆しておきたいのは⑦と⑨の静謐な美しさのほうかな。

(3) ハープが入る。小気味よく、楽しい。でもね、短すぎるかも。それと
⑫のクァルテットの響きがあまり好きとは言えない。(録音がよくないかも)

(4) これは上記より40年も前の肩ひじ張った(?)若書きの弦楽四重奏で、
フランス風味とは無縁な感じ。音楽がまるでバルトークのように激しい、あ
るいは固い。前の3曲とは明らかに感じが違う。⑭のアンダンテにしてもま
だ深い感じがない。芥川也寸志の名が出てきてちょっと驚いたが、芥川が惹
かれたのはどのへんなんでしょう。たぶんリズミックな⑬か⑮やね。

出されているCDを見ても、編成の大きな曲はあまり書いていないようで、基
本的には室内楽や器楽曲の方だったんだね。
もっと他のも聴いてみたい気がしています。
(この気持ちが、「当たり!」のあかし。)

 

映画『ANON アノン』

20200505(了)
映画『ANON アノン』

 アンドリュー・ニコル監督//クライヴ・オーウェン/アマンダ・セイフライド
 音楽:クリストフ・ベック
 2018年製作/100分/ドイツ/原題:Anon/DVDレンタル
 <★★>

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(映画.com.解説)から  ・・・アンドリュー・ニコル監督が描いた近未来
SFサスペンス。・・・ 地球上の全ての人間の記憶が記録・検閲されるよう
になった近未来。犯罪が不可能になった代わりに個人のプライバシーも匿名
性も失われたこの世界で、起こるはずのない殺人事件が発生する。 やがて
捜査線上に、個人を特定されずにいる「記録のない女」の存在が浮上。しか
し事件は何かの始まりを示唆するかのように繰り返されていく・・・

 

ドイツものなんやね。
記憶の検閲のみならず、視力も乗っ取られている。
基本、プライバシーなし。ちかごろじゃあ、プライバシーよりはスマホ触る
ほうが大事だってやつも出てきた(ニュースで観ました)けど、ワタシャ嫌
だね。上手くは言えないけどさ。人生、あるいは大きく「生」といってもい
い、これをある程度は(それもうまく言えんが)支配できてのものだねなの
で、よって、この映画は悲しい未来。上記スマホ人間にとっちゃあ、別に悲
しいなんてことはないんだね。その悲しみをちゃんと説明でなきゃいけない。
できなきゃ、ディストピアなんて言ったって怪訝な顔されてしまうわけや。

 

そんな管理下から漏れた女がいる。
秘密たっぷりな彼女が法律違反を犯しているらしい。
しかしもう少し奥があるようで・・・とミステリー仕立て。
でもなんだかその割には柄の小さなミステリー。
AIが開陳してくれる個人情報にうんざりし始めたら、あとはもうとってつけ
たようなセイフライドの美しい裸体などのようなサービスぐらいしか・・・

 

音楽は、担当作品の多い方で、観ているものもいろいろあるのですが、ここ
では印象に残りませんでした。

 

ただ今現在はこんなところです・・・

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この映画のレベルにはそう遠くない将来に追いつくように思います。

視覚の乗っ取りは遠いかナ・・・

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笑っている場合じゃない。

AIが仕事に占める割合がどんどん増える、その後押しをこのコロナ禍

は、確実に果たすでしょうから。

 

林 光 作品集

20200430(了)
   <カメラータ・コンテンポラリー・アーカイヴズ>
林 光 作品集  Hikaru Hayashi(1931-2012);

(1)第2交響曲「さまざまな歌」(1985)
  ①4:00 ②5:47 ③7:08 ④6:27
(2)ソプラノとフルートのための「道」「子供と線路」「空」
  ⑤「道」(1966) 6:52
  ⑥「子供と線路」 (1966) 4:00
  ⑦「空」 (1968) 7:48
(3)波紋⑧ (1964) 4:27

  (1);尾高忠明指揮/東京フィルハーモニー交響楽団/高橋悠治(p)
        録音;1985年5月/東京文化会館/ライブ
  (2);藍川由美(sp)/中川昌己(fl)
        録音;1985年5月/座間市民会館
  (3);鈴木一郎(g)
        録音;1985年5月/入間市市民会館
   2007年/CD/現代曲/カメラータ・トウキョウ/邦盤
   <★★★☆>

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【帯文】 ・・・・林光は、本質的に「歌」の作家である。そしてそのこと
は、実は管弦楽や器楽の作品にも、如実に反映し、第2交響曲「さまざまな
歌」では、題名にも明らかな通り、まさにそれが端的に表れている。歌を
そのまま器楽に転用するというと、軟弱で連綿としたカンタービレを連想
しがちだが、ここで用いられる「さまざまな歌」は、各楽器のフィルター
を通して「器楽による歌」に昇華し、作曲者の日常の手業として丁寧に綴
られていく。              (川島素晴ブックレット解説より)

 

(1)クラリネットのソロから始まりピアノが加わる。徐々に音が増えて行
くものの、ぶ厚い音にはなって行かない。ガーンとはならない。室内オケ
のよう。でもどうだろう、ピアノ協奏曲みたい。高橋悠治だし・・・
②この楽章は歌のようなメロディのようなのが主。どこか歌といっても鳥
のような感じがある。吉松隆ともメシアンともラウタヴァーラとも違うん
だけれど。
そこそこ盛り上がるが、繊細でひんやりと透き通ったサウンドは、疲れな
い。ピチカートでひっそりと終る。
③ピアノソロで堂々と始まも、すぐに民謡のアレンジふうになり、不協和
音が“美しく”盛り上がる。ピアノが抑えた美しさで締める。
和風にも洋風にもあまり踏み出さないで、国籍不明な範囲にとどまりがち
な曲だが、この楽章だけは、日本、かな。それも「雅」というどす黒い虚
無のようなものが、ふっと見える気がする。一瞬えっ?と思う・・・
プロコフィエフの第3ピアノ協奏曲の終楽章ようなリズムの刻み方やピ
アノのダイナミズム・・・まあ、規模感が乏しく、どこか和製っぽさもあ
るもので、あんなにかっこよくはない、たたみかけてもくれないけれど
(でも結構似てるヨ)・・・を示して、留飲の下がる終わり方。

 

以上のようなことをメモしました、、、
この、ピアノ以外は騒ぎ立てることがほぼない、オシャレな美しさでい
っぱい(歌でいっぱいというのが正しいのかな)の交響曲は、技法的に
は尖がったところが多分ほとんどないけれど、普通交響曲というのはそ
の作曲家の管弦楽法の粋が聴けるもの、と聴かされるほうは考えますか
らね、まあ鵜の目鷹の目という感じで聴くことになります。いいか悪い
かはともかくネ。ワタシだって少しは力が入る。でもこの作品はタイト
ルが「歌」。構えることはなかったみたいでした。生はきっと楽しい。
プロコフィエフ云々は少しは当たっていると思いますよ。

 

(2)歌物はたいてい苦手です。詩がどうもダメなのです。でもこの作
品は、抵抗感はほとんどありませんでした。谷川俊太郎の詩がダメとい
うんじゃなくて、なんだってたいていダメなんだから、今回は良いほう
かもしれん。
④「この道は誰の道―」で始まる。「とうりゃんせ・・・」が何度か出
てくる。フルートと声がものすごく美しく絡み合う。
⑤「子供は毎日忙しかった・・・」 それはいいとして、子供が電車にひ
かれてしまうなんざ、知りたくも聞きたくもないというか、だらだら付
き合い続けたくはない。
⑥「空はどうして自らの青さに耐えているのか・・・」なんてのもそう。
ただし途中に「今日も子供たちは遊ぶのに忙しい・・・」という⑤にそっ
くりな一行があって、それは正しいことだ思うもんだから、印象に残り
ました。
こういうふうに、はっきりと歌詞が聴きとれるのはそれなりに良いと思
います。無視できないですからね。

 

(3)は、静かで暗い湖面でも池面でもいい、できた波紋がニ三度、ず
ーっと広がっては消えるのを描いたというようなものらしい。そう言わ
れなきゃ、わかりゃしない・・・

 

解説はざーっと観ましたが、聴く人を楽しませる助けにはなっていない
ようでした。
林の作品は昔何曲かは聴いたことがありますが、今回はたまたまです。
気まぐれ。何か日本のものをと思って選んだCDです。企画もの~パイロ
ットもの~です。(いや・・・録音年と月が皆同じなので、もともとア
ルバム用なのかも)

この方は、でもこうした(2)のような歌が上手い方なんだろうな。
ワタシは歌にしてはイヤだとは思わなかった。むしろいい印象。
交響曲(実際はピアノ協奏曲)のほうは気に入りました。
日本人には理解しやすそうな、明け透けに鳴らない線の細い美しさ。

映画の音楽も担当されていたはずで、何か手に入りやすいものがあると
いいのにな。見つけたのは高くって・・・、でも多分好きにはならない
でしょう。

2ヵ月前の英国から

20200513(水)

英国発、3-4ヵ月に一度の、ブレイディみかこさんのちょうど2ヵ月前の
コラムです。
ジョンソン首相の入院はこのあとでした。

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コラムの内容、随分前のように思えます。

 

今は右派ポピュリストは、同じようなことをまだ言っているのでしょうか。
多分そんなこと言っていないでしょうね。
で、日本じゃどうだろう、「同調圧力」だとか「自粛警察」とか言った言
葉が、まだ使われているし、唖然とするような偏見の例は絶えない。

 

今日、オフクロ宛に届いた市役所からの封筒、なにやらふかふかしていた
ので、どうやら「アベノマスク二つ」じゃないかなぁ。
さっそく届けた。

 

さて、世界中で経済活動のタガを緩め始めます。
第2波が来ませんように。
ブレイディさんのコラムは今度は6月と書いてある。
どんなこと書かれるだろう。コロナ関係ではないこともありうるけれど・・・

 

 

映画『ホテル・ムンバイ』

20200426(了)
映画『ホテル・ムンバイ』
  アンソニー・マラス監督//デヴ・パテル/アーミー・ハマー/
          ナザニン・ボニアディ/ジェイソン・アイザックス
  音楽:フォルカー・ベルテルマ
  2018年製作/123分/R15+/豪・米・印合作/
  原題:Hotel Mumbai/DVDレンタル
  <★★★△>

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(映画.com解説から) 2008年のインド・ムンバイ同時多発テロでテロリ
ストに占拠されたタージマハル・パレス・ホテルでの人質脱出劇を・・・
映画化。2008年11月、インドを代表する五つ星ホテルが500人以上の宿泊
客と従業員を人質にテロリストによって占拠された。宿泊客を逃がすため
に、プロとしての誇りをかけてホテルに残ったホテルマンたち。部屋に取
り残された赤ちゃんを救出するため、決死の覚悟で銃弾の中へと向かう父
と母。テロリストたちに支配される極限の状況下で、特殊部隊の到着まで
数日という過酷な現実を前に、人々の誇りと愛に満ちあふれた脱出劇が描
かれる・・・

 

ぶつぶつ文句を言いながらカミサンと観ました。カミサン眠らなかった!

え―、AI大国であると同時に軍事大国でもあるインド。

最大の都市であるムンバイにテロリスト。テロ対応ができる特殊部隊が4
-5日しないと来れないなんてのがそもそもおかしいだろ! ならば普通の
軍隊だって警察だってとりあえず対応しなきゃ! でやってきたのが警官4
人だけ。そりゃないよ、いくらなんでも、とブツブツ・・・
まあそんな具合。

 

町のあちこちで、ムスリム以外を総勢10人ほどがバンバン殺してゆく。
映画はタージマハル・パレス・ホテルのケースにフォーカスして描いて行
く。大半が裕福な客で、それがゆえに標的になっているということもある
んだが、テロリストの前に闘うすべもない、ただただすくむばかリ。その
客を見捨てるわけにはいかないと、勇気をもって何とか助けようという従

業員がそこそこいて(盛り上がり)、客を誘導したりする。いろんな状況
の客がいたりするのがドラマの味付けになる。従業員の中に雇われたばか
りのような男(パテル)がいて、彼が給仕長と共に立派な活躍をし始める
・・・イスラム原理主義のほとんど少年に近い若者たちが首謀者の指示を
仰ぎつつ進める迷いのない殺戮には、なんぼ安直な表現であっても、その
安直さ自体も含めて、慄然としてしまいます。

 

イスラムの一握りの原理主義者が、ま、イスラムってのは、やっぱりこう
いうことをやりがちなんだ、そういう宗教なんだ、というレッテル貼りに
役だってしまうんだろうな。イスラム圏では上映されたんだろうか(って、

されないはずだ!に近い想像をしていることこそアカンのやろうけど)。

 

音楽は、西洋音楽の楽器構成でもって、インドっぽい音を作り添えている
というふうで、インド独自の音はなかったみたいでした。