休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ケクラン/『燃ゆる茂み』

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20181105(了)
ケクラン (Charles Koechlin 1867-1950);
『遠い憧れ』
  Au loin, piece symphonique, Op. 20                 8:15
『遙かな波』 (1933) 
  Sur les flots lointains Op. 130                     4:45
『燃ゆる茂み』(1945) 
  Le buisson ardent,poem symhphnique d'apres un episode de 
  “Jean-Christophe” de Romain Rolland,Opp. 203 and 171  38:07
『遙かな波』 弦楽合奏版)
  Sur les flots lointains, Op. 130 (For Strings)            4:45
  レイフ・セーゲルスタム指揮/
  ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
  パスカル・ルッス=ラコルデール(オンド・マルトノ)
 録音:1985-87年、独、ルトヴィッヒスハーフェン、南西ドイツ放送、バーデン・バーデン
     Tot.56:25
 1995/CD/クラシック/Ⓟ&ⓒ1994 HNH International<Marco Polo>/輸入/中古
  (1)(2)(4)<★★★☆>、(3)<★★★★>

これの前に聴いていたラッブラの力こぶを感じるようなものとはえらく違っ
て、繊細至極で、しかも突っ込みもしっかりやっている感じの音楽。
ジャングル・ブック』や『ペルシャの時』の管弦楽ヴァージョンを聴いて、
もっと他のものもと思ったのでした。
①初期作品でしょうが、邦題の感じがすごく出てますね。英国のディーリ
アスのような音色や叙情。
②上記からはだいぶん経っているからでしょう、ひそやかな美しさに満ち
ていますが、中身はディーリアスなんかじゃなく、ルーセルだとかラヴェル
だとか、要はフランス風味になっている気がする。木管のニュアンスも繊
細な弦も。でもね、聴いていたいんだけど、ちょっと短い。
 副題は‘ロマン・ロラン作「ジャン・クリストフ」に基づく二部に分かれた
交響詩’、これが聴きもの。
猛烈に複雑な感じの音楽で、ミヨーのような音色もたくさん出てくるが、作
曲者としても持てる技術のすべてを注ぎ込んだ、声高にならないものの、
かなり自由で尖がった音楽なんじゃないか。
オンド・マルトノが珍奇に聞こえるんじゃないかという心配はいりませんで
した。このへんてこりんな楽器が、こんなに美しく使われている音楽、ほか
に知りません!
ペルシャの時」や「ジャングルブック」に似た音も確かにありますが、更に
突き詰めているみたい。オンド・マルトノ以外の通常の楽器の部分だけで
も、深い宇宙や神秘の世界に到達しているんじゃないかなあ。「ジャン・ク
リストフ」が、ここまでの音を連想させうるものなんでしょうかねぇ。
切れ目らしいところはいくつかあるのですが、第一部と第二部の切れ目は
ワタシにはよくわかりません。多分、全体の三分の二(ピアノが出てくるあ
たり)が切れ目だと思います。
どちらにもいくつもの宇宙的な盛り上がりやオンド・マルトノを中心にした神
秘的な部分が現れます。多分第二部の初めの快活な部分だけが、宇宙も
神秘も連想しないところで、それが「ジャン・クリストフ」だとすれば、ほかは
なんなの?(といっても、しょうがないですけどね) いや、その深いスペース
サウンドや沈潜する神秘、みたいなところがほんとうにいいのです。
この独特な作品、名曲じゃないでしょうか。
ラウタヴァーラなんかにもあったような気もしますが・・・もう忘れちまった。
④は②の弦楽ヴァージョンで、②とまったく同タイムのよう。弦がよく歌って
いますが、③を聴いた後では、フッと通り過ぎてしまう風のようなもの。 
象に残らない。
オケの実力はそれほどでもなく、ホルンの音だとか弦の正確性には不満
もありましたが、曲の素敵さを知らしめた(特に③)という点のほうが大事
でしょう。文句は言いますまい。