休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『オデッセイ』 The Martian

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20160612(了)
映画『オデッセイ』 The Martian
  リドリー・スコット監督//マット・デイモン/ジェシカ・チャステイン/
  クリステン・ヴィグ/ジェフ・ダニエルズ/ショーン・ビーン/
  キウェテル・イジョフォー/マイケル・ペーニャ/ケイト・マーラ
  音楽;ハリー・グレグソン=ウィリアムズ
  2015年/米映/142分/DVD/レンタル
  <★★★★>
 
アンディ・ウィアーの小説が面白そうだなあと思ってましたが、映画の誘
惑に勝てず、新作のレンタル。
SFが続くも、先週のスペース・オペラスター・ウォーズ」とはまるで違って、
比較的近未来。火星の地上で5-6名が探査していたところ、あっさり嵐に
巻き込まれ、うち一人(もちろんM・デイモン)が事故で死んだと思われて、
火星に取り残される。彼は生きていて、なんと早くても400日後にしか来
れないであろう救助まで、生き続ける努力を始める。水や食料や生命維
持のためのもろもろ、通信手段、云々。
そのサバイバルの艱難辛苦(≒科学的な関心)こそがこの映画。
くどいですが、Scientific Fiction というより Science Fiction。
とはいうものの、科学的に言うとどうなんや?というこまかい茶々はいっ
ぱい入るんだろうなあ。こういうこと、言い募らないではおれないという御
仁は山ほどいて、たとえばヘイトスピーチとしかるべき主張との境目がつ
いにわからなくなってしまうというのと根は似ている・・・ と、これは脱線。
宇宙も機器類もカッコ良く見えたし、火星もそれっぽかった。重力が地球
上の3分の1ぐらいだというから、それのみちょっと引っかかったか。
帰還ものってのは昔からけっこうあるけれど、最近だと、「ゼロ・グラヴィテ
ィ」。ほんの地球の周りとはいえ、これも面白かった。いったいどないして
還るねん!
テーマもまるで違うけれど『インターステラー』というのもそのすぐ後にあっ
て、これこそいかにもSFらしいハードな内容のもので、これも面白かった
が、ここにもマット・デイモン (ついでに言えばジェシカ・チャステインこそ、
大変重要なキャストとして)、出てましたな。
うじうじした感情にはほとんど焦点を当てず、ケツをまくったダメもとの頑
張りは、むしろ潔い。彼の体は始めこそキン肉マンふうに隆々としている
んだが、おしまいころには、相当にほっそりしてしまうのがちゃんと描かれ
ていて、ウム、そうかそうか!
それに、地球側での紆余曲折や、まさかという国の‘協力’、まだ帰還中
の宇宙船(のクルーたち)の決断、などなど、ほぼ全きストーリー構成。
リドリー・スコットという巨匠監督であることなど気にせずに、気楽に観始
めたところ、これがとてもたのしい。よくできたエンタテインメントでした。
どうせつまんないだろうと思っている方!そんなことないですから、観て
はいかが。
*音楽は、ポップスが重要な役割を担っているので、それはそれでいい
 として、その他はH・ジマー系列(多分)のH・G=ウィリアムズのスコア。
 以前からかなり上手な人だとは思ってきたものの、やっぱりというか、
 特色不足と思うなぁ。 (同じリドリー・スコットの『エイリアン』の時の、ジ
 ェリー・ゴールドスミスの音楽の工夫!!! この工夫や特色が現代ではすっ
 かり時代遅れとみなされているのかもしれんね。、それに‘巨匠’になり
 すぎた・・・)